代理人に任せれば移籍は成功するのか、元Jリーガーに聞いてみた。
選ぶか、選ばれるか?
いつやるの?今でしょ!といえば・・・林先生。オレか、オレ以外か!といえば・・・ローランドさん。
選ぶか、選ばれるか?といったら・・・スポーツ選手です。
あるJリーガーの移籍について
引退して、サッカー界以外の世界に身を置く選手もいます。大手企業に就職した元Jリーガーが「話がしたい」と私のところへ会いにきました。
なんでサッカー選手のサポートをしているのですか?
と私のことも気になっているみたいです。
元Jリーガーとして平均在籍年数を超えて活躍をし、大手企業に就職しています。はたからみると、選手としても、引退後も、成功している人と誰もが思います。
それでも、思い悩むことはあるんです
就職して数年が経つその方は、選手として後悔したことを話し始めました。こういう話は、彼女や奥様にも話せないですし、チームメイトにも話せないことですね。
正直、今さら感もあるでしょうし、過去のことを悔やんでいるわけではない。その時はそれで精いっぱいだったのでしょうから。
けれど、昇華できていないことがあったんですね。
ビジネスマンとしての悩みの前に、
選手の時のことを話し始めました
キャリアハイ、キャリアアップを目指して、代理人を立てて移籍先を探していた時のこと。あるチームへ移籍しました。
ここからさらに活躍できる!と思ったら、そうもいかず・・・
どうしてだと思いますか?
同時期に、同じポジションの人が他に2人移籍してきたそうです。1人はより知名度のある選手。
結果、まだまだ選手としては活躍できる実力を備えながら、出場機会を求めて移籍したのに、前のチームよりも出場機会が減ってしまいました。
この話を聞いた時、感じたこと
どうしたかったですか?
と私は聞きました。この話をするということは、何か昇華しきれない想いがあると感じたからです。
少し考えたあと、話し始めました。
確かに、代理人の方は交渉ごとに長けているので、お任せしたからこそ実現した移籍でした。
けれど、移籍の内容としては、同じポジションに2人も移籍してきたら、出場機会が減ることはどんな選手でもわかります。それが、移籍してからわかったというのが、問題だったのです。
ただ、そうなったのは、自分が代理人に自分の意志、想いをしっかりと伝えきれていなかったのだと思うのです。
スポーツ選手の90%以上は、○○○○ために努力してきました
セレクションで強豪高校に○○○○。
強豪高校のレギュラーに○○○○。
甲子園ベンチ入りメンバーに○○○○。
全国高校サッカー先発イレブンに○○○○。
先発投手に○○○○。
四番打者に○○○○。
PK戦キッカーに○○○○。
ドラフトで球団に○○○○。
1軍に○○○○。
先発メンバーに○○○○。
新人王に○○○○。
ベストイレブンに○○○○。
日本代表に○○○○。
MVPに○○○○。
○○○○にはどんな言葉が当てはまるでしょうか?
選ばれる・・・です。
スポーツ選手の中でも10%は「選ぶ」ために努力できている
選ばれないと試合に出られないですから、レギュラーに選ばれる必要があります。
ずっとひたむきに上を目指してサッカー一筋でがんばってきたので、自分の専門(サッカーのプレイ)以外のことは、「難しいことはわからない」と想いがちです。
もちろん、代理人制度というものがあるので、交渉の専門家にお任せした方がいいという考えは間違ってはいません。
人生の大切な選択の主導権は自分が持つこと
自分の選手としての価値を生かすための「交渉」は専門家に任せたいと思うのは、自然なことです。
けれど、自分はどんなポジションで、どんなプレイが特徴で、どんなところがストロングポイントで、何を重要視したいのか?などの
「自分の選手としての価値」に向き合って、掘り下げて、交渉の前に、必要なことを代理人に伝えておくのが大切です。
「自分の選手としての価値は?」と自問自答を続け、代理人を立てずに交渉ごとをしてきた選手もいるんですよ。
じゃぁ、代理人にお願いしないで、自分でやろう・・・という話じゃありません。自分のサッカー選手としての人生を決める=自分の人生の主導権は自分にあります。
主導権を自分が持つことで人生の選択は、主体的に選んでいけるようになります。(その上で、「選ばれる」というシチュエーションも、もちろんあります)
大切なのは、人生の主導権を自分が持ち、選択した先に「選ばれる」というシチュエーションがあるのか。
ただ、「選ばれる」ためだけに日々を費やすのかというは、積み重ねるごとに大きな違いが生まれます。
だからこそ、時間を見つけて「自分の選手としての価値」ということを考えてみることが大切です。
それは移籍の時だけではなく、これから始まるシーズンを質の高い戦いを続けていく上で、もっとも活かせることだからです。
監督の目指すチームビジョンを理解する。
チームメイトの個性、ストロングポイントをあぶり出す。
自分の個性、ストロングポイントをあぶり出す。
チームの目指すビジョンに沿って、チームメイトをどう活かせるか。
相手チームとの戦いの中で、どうやってそれを実現、具現させていくか。
ということを考えるための土台となるからです。