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プロとして20年、そして引退。指導者としてのこれから。【S-tadio横浜/S-tadioRiaz 森本貴幸さん】-YouTube文字起こし-


Jリーグのみならず海外や日本代表でもご活躍された森本貴幸さんにインタビュー。
先日引退を発表され、今後は指導者として活動されるとの事で、指導面でのお考えやこれまでのご経験をお伺いしました。
動画の中ではカットされた質問もありますので是非ご覧ください。



―まずはお名前を教えてください
「森本貴幸。S-tadio横浜、S-tadioRiazで、コーチをやっています。」

森本貴幸さん

※S-tadio横浜・・・横浜市緑区にあるサッカースクール。エスタジオフェニックスやエスタジオリアズなどのチーム運営も行っている。


―プロになる前までのサッカー歴は
「川崎市高津区にある津田山FCというチームで幼稚園の年中からサッカー始めました。
その後小学校五年生の時に、ヴェルディジュニアのセレクションを受けて合格。そこからヴェルディジュニア、ジュニアユースを経験しました」

 
―プロになった経緯は
「中学校三年生の夏休みの時に、当時トップチームのアルディレス監督がトップチームの練習参加に来なよって声掛けてくれて。それで参加して。
そこで、絶対やってやるって思いで入って、紅白戦とかで点とって活躍して。
そしたらアルディレス監督が、彼は来年もうトップチームでと話をしてくれたらしくて。そこから話が動き始めました」

 
―当時の心境は
「最初はほんとびっくりしました。高校行ってユースでプレーするもんだと思っていたので。
そこじゃなくて、もう大人と一緒にトップチーム・プロとして入っていくとなったので。ちょっとドキドキと、もう社会人になってくんだという、覚悟というかそういう思いがありました」

 
―プロ生活で一番印象に残っている出来事は
「初ゴール、15歳で決めた初ゴールのシーンは一番思い出に残っています」
※2004年5月5日ジェフユナイテッド市原戦にて、15歳11カ月28日でのJリーグ最年少ゴールを記録。いまだ破られていない。

 
―S-tadio横浜にてコーチをする事になったきっかけは
「うちの息子たちがずっとここでスクールに通わせてもらっていて。
その中でたまに練習とか見に来て、勉強させてもらっていたんですけど、その時にエスタジオの社長から、コーチ探しているんでどうですかという話を頂いたので是非やらせて下さいという話からスタートしました。」

S-tadio横浜での指導


―これまでの指導歴は
「台湾でプレーしていた時のチームで、U-18の監督をやらせてもらっていました。そこが僕の指導者として第一歩です」

 
―指導者としての想いは
「育成世代の子供たちに対して、しっかりと教えていきたいっていう想いが強くて。
子供たちをプロにさせてあげたいとか大人になって大活躍できるような選手にさせたいという想いがあります」

 
―選手にどういったものを身に付けさせていきたいか
「育成世代だったら、やはり技術的な事。止めて蹴る。ドリブルで運ぶ・抜くとか、シュートとか。
技術的な事は必要以上なくらいやって絶対損は無いので。
そこの大切さっていうのは伝えながらも、やっぱり反復練習にすると飽きちゃう。
そこをうまく僕らコーチ陣が選手たちに分かってもらえるようなメニューを考えなきゃいけないと思いますし、そこは重要視します。技術的なことはすごく伝えていきたい」

 
―指導する上で気を付けている事は
「教えているカテゴリーの子のレベルによって変わるんですけど。
僕はサッカーうまくなる子は勝手にうまくなると思っています。
教えすぎず、取得してほしい技術が出るようメニューを組んで。その中でどんどん選手が気づいて発見しながらやっていって欲しいという想いがある。
僕がそういう風に育ってきたので、そこは大事にしていきたいなと思っています」


―育成世代で飛び級する事については
「僕は絶対反対派です。やめた方がいいと思っています。
というのは育成世代・子供たちの世代で、精神的な成長というかいきなりポンて上がっちゃうとズレが生じると思うし、人間教育的なとこでも周りの大人たちがしっかりしないと、その子はもうヤバいやつになっちゃうんで。
僕みたいな感じになっちゃうんですけど(笑)

先輩たちと一緒になっちゃうとボールに触る機会が少ないかなとか、そういう心配も僕は思っていて。育成世代はボール触ってナンボなとこも絶対あると思う。
個人戦術とかは大人になっても覚えられるという部分もあるので、僕はあんまりおすすめしないです」

 
―これまで指導を受けて印象に残っている方は
「フロンターレで風間さんに教わったのは、すごく自分の中で大きくて。
当時27歳だったんですけど大人になっても技術的な事って全然うまくなるんだって感じたし、こういう考え方があるんだってすごい発見だった。
本当に風間さんに教わった事はすごい頭の中に残っています」
※風間八宏さん・・・当時川崎フロンターレ監督。現南葛SC監督。

 
―うまく行かない時のメンタル面の考え方は
「伝えていきたいのは、いい時も悪い時も常に同じメンタル、精神状態で居なさいよという事。いい時は何やってもうまくいくし、楽しいし。
難しい時は何やってもだめだし。そのちょうど真ん中のところで、勝っても地に足つけて、負けても反省してまた次に繋がるように、その精神状態をずっと保てるように。そういう部分を伝えていきたい」


 ―南アWカップでは出場機会に恵まれなかった
「やっぱ出たいし、自分が出て点取りたいって想いはありましたけど。
当時は岡田監督の手腕、マネジメント力がすごくて。ベンチにいるメンバーでさえも本当に同じ気持ちで、チームのために何が出来るかみんなが考えたチームだったんで。その時は”出せよこの野郎”という想いじゃなくて、この立場で今何ができるかという想いでずっと過ごしていました」


 
―新たなチームや環境でどう仲間とコミュニケーションを取るか
「僕自身お話が好きな方なので。そこは全然ロッカーでもピッチ外でも全然困らず、いろんな選手とお話できた。
別にどの国行っても サッカー上手いやつが必ず評価される。もう言葉で喋れなくてもグラウンドの中でちゃんとプレーで見せれば認められる。

サッカー選手だったらそこが1番大事にしなきゃいけない部分だと思います」

 
―選手自身が自ら取り組むべき事やマインドは
「結局、監督コーチが与えるメニューって僕はなんでもいいと思っていて。
例えば対面パス2時間やって、トラップとパスにこだわっていたら、それでも十分うまくなる。
メニューどうこうっていうよりも、選手たちが精神的にうまくなりたい、隣のやつに絶対負けねえといった気持ちがある選手って必ず生き残ってくし、結局プロになっているメンバーが多い。

(指導の場面での)メニューは技術的な事をしますけど、精神的な事というのは自分で掴み、勝ち取らないといけない部分もある。
監督コーチが伝える事もありますけど、選手たちが自分で何くそって思いは絶対持っていて欲しいと本当に思います」


―ご自身が育成年代の時どうサッカーと向き合っていたか
「ずっとサッカーが好きで、ずっとJリーグとか日本代表の試合を見ていました。
必ずこの舞台に行ってやると思っていましたし、実際にJリーグの試合見に行って絶対この国立競技場でプレーしてやると思っていたので。
覚悟決めましたし、そこの想いは強かったですね。
プロになのは当たり前で、そこから自分がどういう風に活躍して、日本代表になってという。そこまで考えながらプレーしていました」

 
―ご自身を振り返ってもっとやっておけばよかったと感じる事
「確実に技術練習です。トラップ、パス、止めて蹴る、ドリブル、フェイントとか。
技術的なことは本当に小さい時にもっともっとやっておけばよかったなっていうのは感じます」

 
―日本代表にもなった森本さんでもそう感じるのか
「僕がもっと技術の練習して、技術がもっと高かったらもっともっと出来たかなっていう想いはある。自分で言うのもあれですけど。
でもそこの技術的なものっていうのは徹底的にずっとやっていいくらいやった方が幼少期はいいと思います」

 
―ご自身が育成年代の時と今の違いをどう感じるか
「確実に今の子たちの方がうまいですね。
技術的なところはすごく高いと思います。でも自分の時の方がメンタリティー、精神的に負けず嫌いとか、勝ち気なやつというか。そういう子は多かった気はします」

 
―これまでのご自身の経験をどう指導に生かしていくか
「プロで20年やったので、その経験というのは多分あまり他のプロ選手でもできるような経験ではないと思う。
あと海外でプレーしてっていう経験もなかなか他の選手はない強みだと思っていて。
そこら辺の経験した事からいい練習を子供たちに提供してあげたいって想い。
でもその反面、今の子供たちにその練習は響くかどうかというのは必ずジャッジしてメニューは組んでいる。
自分で言うのはあれですけど、僕が経験した経験っていうのはちょっと特殊なものだと思っていて。
そこは本当に自分の強みとして指導に活かしていきたいと思います」

 

―プロを目指す選手にメッセージ

ず~っと続ける事

「途中で辞めたらプロになれない。僕のジュニアやジュニアユースのチームメイトでも途中で辞めちゃう子が本当多かった。自分よりうまい子なんかたくさんいたので。
高校入って辞めちゃったり、大学行って辞めちゃったりとか。そういう子がたくさんいたので。
やっぱり続けて夢を掴むまでは絶対やり続けた方が必ず叶うと思う。
逆にそれを思えている子はそこからプロになってどう活躍するべきかっというのを考えた方がいい。
まずは絶対辞めずに続けて、苦しくても楽しくても続けて一喜一憂せず努力し続けるというのが1番大事だと思います」

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