【MLBドラフト】2024ドラフトレビューPHI編
上位10人の簡易レポと総括になります。
凡例
ラウンド(全体指名順位) 名前(Name):ポジション:投打:身長/体重:出身校:契約金額(ボーナススロット)
簡易レポ
1(27) ダンテ・ノリ(Dante Nori):OF:左投左打:5-10/190:Northville HS:$2.5M($3.23M)
打席では冷静なピッチセレクションとギャップに打球を飛ばすヒッティングセンスが光る。ローパワーは悪くないが、試合でそれを見せようとはせずフェアゾーンに打球を飛ばすことに専念している。スピードは非常に優秀で走塁ではアグレッシブに次の塁を狙う。守備でもそれが活かされており、CFに留まることができるだろう。
2(63) グリフィン・バックホルダー(Griffin Buckholder):OF:右投右打:6-2/195:Freedom HS:$2.5M($1.35M)
打撃ではローパワーの高さが光るが、バレルフィーリングに疎くゴロの打球が多くなっている。ピッチセレクションは悪くないため、打球に角度が付き始めれば大化けする可能性も。ベストツールはスピードで塁上でも守備でもそれを活かすことができている。
3(100) ジョン・スパイカーマン(John Spikerman):OF:右投両打:6/190:Oklahoma:$672.5K($730.5K)
ベストツールはスピード。塁上に出れば積極的に次の塁を狙い、盗塁に限らず総合的な走塁に優れている。打撃ではコンタクト重視のスイングでとにかくバットに当てて出塁を狙うスタイル。ノーパワーではないが本人の長打を狙う意識が薄い。守備では広いレンジをカバーすることができる点が魅力。
4(130) カーソン・デマルティニ(Carson DeMartini):SS:右投左打:6/197:Virginia Tech:$545.4K($545.4K)
小柄ながらもローパワーは今ドラフトでも屈指のものを有している。バットスピードの速いスイングながらも、しっかりとコンタクトすることができ、さく越えの打球を連発する。空振りは多いが、ピッチセレクションは優秀で三振数を抑えることに成功している。守備ではアーム頼みだったが、肩を故障し唯一のプラスツールにも陰りが見える。
5(162) カーター・マシソン(Carter Mathison):OF:左投左打:6-2/215:Indiana:$447.5K($399.6K)
ローパワーの高さが魅力だが、慎重になりすぎて差し込まれる場面が多く試合では十分に活かせていない。アッパースイングになりすぎて凡フライに終わることも多く打率が伸びない原因となっている。スピードは平均程度だが、ルートランは優秀でOFどのポジションを守らせても大きなマイナスをたたき出すことはないだろう。
6(192) コデイ・ショウジナガ(Kodey Shojinaga):C:右投右打:5-10/190:Kansas:$257.5K($310.3K)
打撃ではコンタクトヒッターで滅多に空振りをしないが、ノーパワーで長打は望めない。スペックに欠けており、どこを守らせてもプラスにはならないだろう。
7(222) ジョエル・ドラグー(Joel Dragoo):OF:右投右打:6-2/200:Presbyterian College:$222.5K($244.3K)
マイナーカンファレンスでのプレーながらも大学ではシーズン打率.400以上をクリア。バレルフィーリングの高さとコンスタントにハードヒットを放つパワーを兼ね備えている。ゾーン管理も優秀。守備・走塁は平均レベル。
8(252) キャムロン・ヒル(Camron Hill):LHP:左投左打:6-6/215:Virginia Tech:$197.5K($204.4K)
90マイル前半の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で95マイルをマーク。ノビのある4シームは今後さらに速くなる可能性あり。ベストピッチはスライダーでプレートの端から端まで移動する変化量を誇る。チェンジアップは発展途上だが、徐々に投球割合を増やしている。デリバリーが安定せず、コントロールを乱す原因となっている。
9(282) マーカス・モーガン(Marcus Morgan):RHP:右投右打:6-3/210:Iowa:$185.7K($188.2K)
90マイル前半の速球とスライダー、カーブ、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で97マイルをマーク。ノビのある4シームを低いアングルから投じて空振りを狙う。スライダー、カーブともにスピン量が多く、キレよく大きく曲がる。投げているボールのクオリティは高いが、コントロールがままならない。
10(312) ブレディ・デイ(Brady Day):SS:右投左打:6/190:Kansas State:$176.3K($176.3K)
慎重にボールを見極め甘いボールを逃さず仕留めることができる。深いカウントになることが多いが、持ち前のコンタクトスキルで三振を避けることができる。SSに留まるにはスペックが足りず2B転向が既定路線。
総括
今年も高校生を1巡目で指名し、これで5年連続高校生の1巡目指名となりました。1巡目での指名はないと予想されていたダンテ・ノリとアンダースロットで契約し、2巡目のグリフィン・バックホルダーの指名に繋げました。いずれもスピード&パワータイプながらもまだパワーの部分を試合で発揮できていません。打撃で成長を見せれるかが鍵ですが、仮に打撃でこけてもつかいどころはあるでしょう。
大きなアンダー/オーバースロットを1~2巡目だけにしたことで以降はバリューピックに専念。ポジションやスペック等一部に難ありながらも優秀な打撃能力を有する大学生野手を多く指名。中でもジョエル・ドラグーはメジャーカンファレンスでプレーしていてもそれなりの成績を残せていいたであろう能力を有しており、下位指名からレギュラークラスを狙える選手です。
投手は下位で2人だけの指名となりましたが、いずれもハイスペックながらもコントロールがままならないタイプで、ゾーン近辺にボールを集められるようになりさえすればリリーフとして大化けする可能性を秘めています。