【MLBドラフトレビュー】3年後...2020ドラフトレビューBOS編

目ぼしい選手を5人ピックアップして、ドラフトから3年経った選手達の活躍を見ていきます。

凡例
ラウンド(全体指名順位) 名前(Name):ポジション:投打:身長/体重:出身校:契約金額(ボーナススロット)
簡易レポ
成績
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1(17).ニック・ヨーク(Nick Yorke):2B:右投右打:6/200:Archbihop Mitty HS:$2.7M:$3.61M

ヒッティングスキルの高さと非凡なパワーポテンシャルを有する。無駄の少ないシンプルなスイングでラインドライブの打球を飛ばすピュアヒッター。アプローチも高校生にしては成熟している。小柄ながらも筋肉質な体躯をしており、パンチ力がある。肩の手術を受けたためか、送球に不安を抱えておりSSでのプレーは厳しいか。フットワーク等の評価は元から悪くなかったため2Bならそつなくこなせるか。

成績

 ドラフト当時は故障もしていたこともあって1巡目指名はサプライズでしたが、プロ1年目から目覚ましい成績を残します。
 21年はA/A+で97試合に出場し、OPS.900以上&2桁HRをクリア。打率も悠々と.300超えをマークし、BB/Kも高校生からプロ入りしたとは思えない離れした数字となりました。
 このままスター街道を突き進むかと思われましたが、22年は故障もあって不振に悩まされます。主要な打撃項目を含め軒並み数字を落としてしまい、何とか健康に過ごしたAFLで好成績を残した以外はいいところがありませんでした。
 キャリアハイの出場試合数となった23年は22年と比較すると幾分かは改善されましたが、強烈なインパクトを残した21年と比べると消化不良に終わりました。
 A+以上のクラスで三振数が大幅に増加している点が成績悪化の最大の要因しょう。ヒッティングがベストツールなのですが、このタイプにしては空振りが多くなかなか打率が伸びない原因になっています。スイングが遠回りしており速球にタイミングが合っていないとも指摘されています。
 いい面に目を向けるとパワーツールは通用しており、3年連続で2桁HRをマーク。フルシーズン出場すれば20HRも達成できる可能性もあるでしょう。
 来年はおそらくAAAスタートとなり、どこかのタイミングでメジャー昇格もあり得ますが昇格後もしばらくは苦戦するのではないでしょうか。


3(89).ブレイズ・ジョーダン(Blaze Jordan):1B:右投右打:6-2/218:DeSoto Central HS:-:$667.9K

規格外のパワーを引っさげて本来の2021ドラフトからアーリーエントリー。その天井知らずのパワーポテンシャルは疑う余地がないが、一方で、ハイレベルな投手と対戦すると空振りが急激に増える点は懸念材料。また、パワーポテンシャル以外にプラスのツールがない点も気になるところ。

成績

 ドラフト時はパワーツールばかりが目立っていましたが、プロではより洗練された打者としての一面を見せています。
 22年から連続してフルシーズンの出場を続けていますが、いずれも試合数以下の三振数に抑え打率も.300に近い数字を残しています。投球に対する理解が高く、辛抱強いアプローチで深いカウントになっても三振を回避することができています。
 この2年でAからAAに昇格していますが、数字を落とすことなく改善されておりアマチュア時代に評価されていなかったヒッティングツールの高さが目立っています。
 一方でベストツールと評されていたパワーツールはまだ全貌を見せていません。ただ、HRを含め長打数は年々増加しており、24年はついにシーズン20HRの大台に乗る可能性が高そうです。
 打撃では明るい要素が多いのですが、メジャー昇格に当たってはポジションが問題となりそうです。本職の3Bから徐々に1Bへとシフトしていますが、メジャーチームは1B/DHに保有期間の長い選手を有しています。仮に3Bに残れたとしても長期契約したラファエル・デバースが待ち構えています。
 メジャー昇格は目前に迫っていますが、どこで起用されるかは不透明です。


5(148).シェーン・ドロハン(Shane Drohan):LHP:左投左打:6-3/195:Florida State:-:$364.4K

90マイル前半の速球とカーブ、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で95マイルをマーク。ベストピッチはカーブ。スピン量が多く、キレよく曲がるため空振りが奪いやすい。チェンジアップは発展途上。高校時代からコントロールが悪く、先発として使うには厳しい。それでも身体能力の高さからいずれデリバリーを安定させて、コントロールも改善されるとする声もある。

成績

 プロ入り後3シーズン続けて20先発以上をクリア。この2年は連続して120イニング以上を消化しています。アマチュア時代はコントロールの悪さが目立っていましたが、プロでは改善傾向にあるようです。
 無駄の多かったデリバリーを見直して、シンプルにしたことで安定してストライクを稼げるようになっています。また、デリバリー改造の効果なのかチェンジアップがムービング、コマンド共に改善されており今ではベストピッチとなっています。
 今年はAAAでスランプに陥り、四球も増えてしまいましたがイニング以上の三振を奪うなど全く通用していないわけではありませんでした。
 オフのルール5ドラフトではCHWに指名されており、来年はスターターとしてメジャーで見ることになりそうです。


総括

 ドラフト当時サプライズ指名だったニック・ヨークも好不調の波がありながらも、フューチャーズゲームに選出されるなど1巡目指名の名に恥じぬキャリアを送っています。1年目のインパクトが強すぎるため物足りなく感じてしまいますが、派手さはないもののレギュラークラスとしては十分な打力を持つ選手に成長するのではないでしょうか。
 一方のブレイズ・ジョーダンはニック・ヨークに求められていたことを体現しており、コツコツと実績を積み重ねています。今のアプローチを維持したままローパワーを発揮できるようになれば、オールスターの常連となることは間違いないでしょう。ポジションの問題をどう解決するか、ジョーダンのトレードも含めてフロントの腕の見せ所となりそうです。


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