【MLBドラフト】2023ドラフトレビューDET編

凡例
ラウンド(全体指名順位) 名前(Name):ポジション:投打:身長/体重:出身校:契約金額(ボーナススロット)
簡易レポ


1(3) マックス・クラーク(Max Clark):OF:左投左打:6-1/190:Franklin Community HS:-($8.34M)

打撃ではパワーポテンシャルの高さとそれを十二分に活かしきるヒッティングスキルを併せ持つ。無理に長打を狙わずとも、どの方向にもハードヒットを打つことができる。他のツールも平均以上で5ツールプレイヤー候補。


CBPA(37) ケビン・マクゴニル(Kevin McGonigle):SS:右投左打:5-10/187:Monsignor Bonner HS:-($2.31M)

無駄を排除したコンパクトなスイングでアンダーサイズを感じさせないハードヒットを量産する。追い込まれる前に積極的にスイングをしかけ、甘い球を確実に仕留める。守備ではスピードもスキルもSSに残れるレベルだが、アームの弱さがネック。


2(45) マックス・アンダーソン(Max Anderson):2B:右投右打:6/215:Nebraska:-($1.91M)

パワー&アベレージを両立させる打撃が魅力。どのゾーンのボールにも上手く対応できるが、なまじ打てるコースが広いためゾーンを広げすぎてしまうところが欠点。空振りはしないが、凡打に終わることもしばしば。オフにはアプローチの改善に取り組んだ。守備ではスキルが足らず高校時代のSSから3Bへと転向。プロレベルでは2B/1Bへの転向も有り得る。


3(76) ポール・ウィルソン(Paul Wilson):LHP:左投右打:6-3/205:Lakeridge HS:-($945.1K)

90マイル中盤の速球とカーブ、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で97マイルをマーク。ノビのある4シームを投じる。カーブ、チェンジアップ共に不安定で日によってクオリティに差が出やすい。デリバリーが不安定でそれに伴いコントロールも乱しがち。


4(107) カーソン・ルカー(Carson Rucker):3B:右投右打:6-2/195:Goodpasture Christian School:-($627.9K)

がっしりとした下半身主動のスイングでハードヒットを飛ばす。パワーがベストツールだが、今後のサイズアップも考えるとさらに伸びる可能性を秘めている。守備では目立った動きを見せていないが、最低でもIFには留まれるだろう。


5(143) ジェイデン・ハム(Jaden Hamm):RHP:右投右打:6-1/190:Middle Tennessee State:-($442.2K)

90マイル前半の速球とカーブ、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で96マイルをマーク。球速が出なくとも高めに投じて空振りを奪うノビのあるムービングを見せる。ベストピッチは大きく緩やかに曲がるカーブ。チェンジアップのクオリティと全体的なコマンドはイマイチで将来はリリーフに回る可能性も高い。


6(170) ベネット・リー(Bennett Lee):C:右投右打:6/215:Wake Forest:-($342.4K)

今年のWake Forestの躍進を支えた守備型C。フレーミング、ブロッキングは優秀でプレート周りの動きも俊敏にこなす。アームは平均的だが、送球は正確。打撃ではアプローチの良さが光るが、パワーとヒッティングはアップサイドに欠ける。


7(200) ジョン・ペック(John Peck):SS:右投右打:6/185:Pepperdine:-($267K)

大きく足を上げてタメをつくり、痛烈な当たりを飛ばす。スイングが遠回りになりがちで、空振りやウィークヒットを続けることも。スピードは特筆すべきほどではないが、アジリティは高くボディバランスも優秀でSSに留まれるだろう。


8(230) ジャンク・ディアズ(Jatnk Diaz):RHP:右投右打:6-4/215:Hazleton Area HS:-($212.3K)

90マイル中盤の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で98マイルをマーク。シュート気味に食い込みながら浮かび上がるムービングで空振りを誘う。鋭く曲がるスライダーもハイクオリティ。今夏は大学生に混じってプレーしたドラフトリーグで好投を見せた。コントロールの悪さを強制できれば化ける可能性も。


9(260) ヘイデン・ミントン(Hayden Minton):RHP:右投左打:6-3/210:Missouri State:-($182.6K)

90マイル前半の速球とスライダー、カーブ、チェンジアップのコンビネーション。速球は4シームとシンカーを状況によって使い分けている。ベストピッチはスライダー。奪三振能力は高く、コントロールの悪さを考えるとリリーフ転向が無難か。


総括

 1巡目は大方の予想に反し高校生のマックス・クラークを指名。アップサイドの高さは今ドラフトでも屈指なのは確かで、フロアーよりもシーリングを狙った指名となりました。ただ、身体能力が高いだけではないクレバーな選手なので、将来が楽しみです。
 2巡目以降はメインを野手で固めていきました。高校生からはいずれも打撃で高い評価を得るケビン・マクゴニルとカーソン・ルカーを指名。前者はローパワーの弱さが不安材料ですが、ヒッティングスキルの高さは今ドラフトでも随一でサイズアップに成功すればハイアベレージにも期待できそうです。
 大学生野手はドラフトイヤーに好成績を残したマックス・アンダーソンが筆頭。ポジションの不安はありますが、SS以外のIF各ポジションの空いているところ埋めていく立ち回りをすることになりそうです。ポテンシャルだけならジョン・ペックは面白いタレントですが、そのポテンシャルをアウトプットするのに苦労しそうです。
 投手はスタッツよりスペックを優先した指名となりました。3巡目指名のポール・ウィルソンはもちろんのこと、8巡目のジャンク・ディアズも上手く行けばリリーフエースとなり得る素材です。


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