【MLBドラフト】2021ドラフトレビューLAD編
上位10人の簡易レポと総括になります。
凡例
ラウンド(全体指名順位) 名前(Name):ポジション:投打:身長/体重:出身校:契約金額(ボーナススロット)
簡易レポ
1(29) マダックス・ブランズ(Maddux Bruns):LHP:左投左打:6-2/205:UMS Wright Prep School:$2.2M($2.42M)
90マイル中盤の速球とカーブ、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で99マイルをマーク。2年前にデリバリーをよりシンプルにしたことで球速はその時から10マイル以上上昇した。その速球と双璧を成すのが大きく縦に曲がり落ちるスローカーブ。80マイルに届かないカーブをしっかりとストライクに投げ込めるコントロールが持ち味。発展途上のチェンジアップのクオリティが上がれば手がつけられなくなるだろう。
3(101) ピーター・ヒューベック(Peter Heubeck):RHP:右投右打:6-3/170:Gilman School:$1.27M($577K)
90マイル前半の速球とカーブ、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で95マイルをマーク。縦に割れるカーブと組み合わせて空振りを奪う。チェンジアップのクオリティは平均レベル。元々Cだったこともあり球速よりもコマンドを気にかけ、高校生ながら冷静なピッチングを心がけている。デリバリーも安定しており、スターターとしての資質はあるが、20ポンド増やしてやっとこの体重になった細身さが気になるところ。
4(131) ニック・ナストリーニ(Nick Nastrini):RHP:右投右打:6-3/215:UCLA:$500K($430.8K)
90マイル前半の速球とスライダー、カーブ、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で95マイルをマーク。ノビのある4シームを高めに投げ込んで空振りを誘うのが常套手段。ベストピッチはチェンジアップ。速球と全く同じアームスピードでブレーキのきいたチェンジアップを投げることができるので、容易に空振りを奪える。一方で、その他のブレーキングボールのクオリティは平凡。コントロールが定まらないことも多いが、フレッシュマンの時に発症した胸郭出口症候群の影響が薄まれば改善される可能性も。
5(162) ベン・キャスパリウス(Ben Casparius):RHP:右投右打:6/208:Connecticut:$247.5K($318.2K)
90マイル前半の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で95マイルをマーク。コンスタントにマークできるわけではない。ベストピッチはチェンジアップ。左右関係なく投じ、空振りも奪えてゴロアウトも狙えるという便利な球種。コントロールは日によってばらつきがあり、ダメな日は打ち込まれて試合を作れないことも。
6(192) エメット・シーハン(Emmet Sheehan):RHP:右投右打:6-5/215:Boston College:$244.5K($247K)
90マイル中盤の速球とカーブ、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で97マイルをマーク。驚異的なのは球速ではなくノビで、特に高めに投げた時のそれは重力に逆らうかのように浮き上がる軌道を見せる。カーブは見せ球程度のクオリティだが、チェンジアップは落差が大きく空振りを狙える球種。コントロールが悪く、スターターよりもリリーフ向き。
7(222) ライアン・サブレット(Ryan Sublette):RHP:6-2/190:Texas Tech:$150K($194.4K)
90マイル中盤の速球とスライダーのコンビネーション。速球は最速で98マイルをマーク。アウトピッチのスライダーはキレがよく、空振りを狙えるボール。デセプションに優れたデリバリーは打者に的を絞らせないという点では役に立っているが、フルエフォートなためコントロールはアバウトになっている。
8(252) ベン・ハリス(Ben Harris):LHP:左投左打:6-1/195:Georgia:$197.5K($162.7K)
90マイル前半の速球とカーブのコンビネーション。速球は最速で95マイルをマーク。飛びぬけて速いわけではないが、スピンのきいたノビのある4シームを多投し空振りを奪う。ほぼこの4シームでピッチングを組み立てている。コントロールはアバウト。
9(282) ラエル・ロックハート(Lael Lockhart):LHP:左投両打:6-3/220:Arkansas:$2.5K($149.8K)
90マイル前半の速球とスライダー、カーブのコンビネーション。速球は最速でも94マイル程度。80マイル後半しか出ない時もあり球威不足は明らか。それでも優秀なコマンドを駆使し、低めにボールを集めて打ち取る投球術を有している。
10(312) マイケル・ホブス(Michael Hobbs):RHP:右投右打:6-3/220:St. Mary's College:$2.5K($142.2K)
11(342) ジャスティン・ウロブレスキ(Justin Wrobleski):LHP:左投左打:6-1/194:Oklahoma:$197.5K
90マイル前半の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で95マイルをマーク。ベストピッチは縦に曲がり落ちるスライダー。キレがよく左右関係なく空振りを奪える球種。チェンジアップの扱いも上手く、右打者にも苦労しない。今年はトミー・ジョン手術明けということもあってコントロールにバラつきがあった。
総括
1巡目で高校生Pのバダックス・ブランズを指名。球速とともに評価も急上昇させておりポテンシャルは大。個人的には今年のドラフトクラスのパワーP高校生の中では1、2を争うほど気に入ってる選手です。
その後も全てPを指名。ブランズ以外では1人だけとなった高校生のピーテー・ヒューベックはブランズとは異なる技巧派ですが、それにしても線が細すぎてまず1年間投げ切れるのかが不安になります。大学生Pは昨今流行りの4シーマーを多く指名。中でもエメット・シーハンの4シームはメジャーリーガーでもそうそうお目にかかることができないノビを見せており、クローザーポテンシャルを有していると考えています。