【MLBドラフト】2023MLBドラフトカテゴリー別プレビュー CLMIF編

 来たる7月に開催される2023年のMLBドラフト。それに先立ちカテゴリー別のトッププロスペクトの紹介をしていきます。

 今回はCLMIF(SS/2B)編です。


2人のJacob


 上位指名が予想されるOle MissのJacob Gonzalez(SS)は昨年の低打率からの脱却に成功しつつあります。相変わらずアプローチは上々で、3シーズン連続でのBB>Kも達成できそうです。SSに残れなさそうなスペックと打球が上がりにくい点が指名順位を押し下げてしまうかもしれません。


 GCUのJacob Wilson(SS)も元々ヒッティングに高い評価を得ていましたが、今年はさらに進化を見せており、シーズン打率.400超えも視野に入っています。早打ち気味なアプローチですが、ゾーン内のボールをファールで打ち損じていない結果そうなっているだけで、決してやみくもにスイングをしているわけではありません。Gonzalez同様スペック不足が指摘されていますが、ハッスルプレーを度々見せており、2B/3Bに移ったとしてもプラスの数字を出せるでしょう。



ミニミニ大作戦


 スポーツ選手として身長が高いことはアドバンテージですが、アジリティがものを言うMIFに関して言えば大は小を兼ねるとはいきません。

 大きければよいというわけではないSSというポジションでひときわ小柄なのがMarylandのMatt Shaw(SS)です。5-11ながらも内外角関係なくスタンドインさせるパワーが持ち味。飛距離もかなりの数字をたたき出しており、プロレベルで長打数が急に減るといったこともなさそうです。


 Shawと同じく5-11ながらもパワフルなスイングを見せているのがStanfordのTommy Troy(SS)です。HR数はShawと比べると伸びていませんが、二塁打/三塁打をハイペースで打っています。昨年はBB/K=9/38とアプローチの粗さが目立っていましたが、今年はここまでBB>Kの数字を保っており成長を見せています。


 上記2人よりもさらに小柄なのがLouisvilleのChristian Knapczyk(SS)です。5-9とかなりのアンダーサイズで、さすがに上記2人のようなパワーはありませんが、徹底したゾーン管理とコンタクトスキルで高出塁率を残しています。


飛ぶが当たらず、当たるが飛ばず


 あちらが立てばこちらが立たず。Michigan StateのMitch Jebb(SS)は柔軟なスイングでヒットを量産するスプレーヒッターですが、あまりにもパワーレスな点は気がかりなところ。今年はまだHRがなく、二塁打/三塁打も少ないので少し当たりが止まると全体の数字がガタ落ちしてしまうところはマイナスポイント。

 高校時代もトッププロスペクトとして注目されていたDukeのAlex Mooney(SS)は昨年フレッシュマンから好成績を残すと、今年に入っても好調を維持。HR数は伸びていませんが、二塁打は既に去年の数字と並んでおりいずれはシーズン2桁HRをクリアできるかもしれません。


 一方でバットに当たりさえすればボールが飛ぶのに、コンタクトスキルに難を抱えているのがPepperdineのJohn Peck(SS)です。パワーポテンシャルの高さは誰もが認めるところですが、拙いコンタクトスキルに阻まれ試合でアウトプットすることができず、結果として長打数も伸びないという悪循環に陥っています。

 Kansas StateのNick Goodwin(SS)もコンタクトスキルはいまひとつですが、内角のボールに上手く対応し長打を飛ばすことができます。未だに打率が.300には届いていませんが、徐々に打率を伸ばしてきており順当にレベルアップしている様子。セレクティブな姿勢で出塁率を稼げる点も長所です。



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