【MLBドラフト】2024ドラフトレビューSD編

上位10人の簡易レポと総括になります。

凡例
ラウンド(全体指名順位) 名前(Name):ポジション:投打:身長/体重:出身校:契約金額(ボーナススロット)
簡易レポ




1(25) キャッシュ・メイフィールド(Kash Mayfield):LHP:左投左打:6-4/200:Elk City HS:$3.44M($3.44M)

90マイル前半の速球とスライダー、カーブ、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で97マイルをマーク。昨春から10マイル近く速くなっており今後のスピードアップにも期待がかかる。変化球はいずれもコマンドに長けており、ムービングも改善傾向。大柄な体格にも関わらずデリバリーは安定している。


2(52) ボストン・ベイトマン(Boston Bateman):LHP:左投右打:6-8/240:Adolfo Camarillo HS:$2.5M($1.76M)

90マイル前半の速球とカーブ、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で97マイルをマーク。ムービングに欠けており、速球で空振りを奪うのに苦労している。ベストピッチはストライクゾーンを対角線上に曲がり落ちるカーブ。空振りを誘いやすくアウトピッチとしては優秀。全体的にコントロールできておらず粗削り。


3(88) カッブ・ハイタワー(Cobb Hightower):SS:右投右打:6/180:East Rowan HS:$852.3K($852.3K)

独特なタイミングの取り方ながらもバットスピードの速いスイングでハードヒットを飛ばすことができる。高校では華々しい成績を残したが、ハイレベルな投手との対戦経験は少ない点は気がかり。スピードは優秀だが、IFに残るにはスキル不足とも。


4(118) タイソン・ナイバーズ(Tyson Neighbors):RHP:右投右打:6-2/220:Kansas State:$600K($612.9K)

90マイル中盤の速球とスライダーのコンビネーション。速球は最速で99マイルをマーク。カット気味に変化しながら浮き上がる軌道を見せる。ベストピッチはスライダー。縦横ともに大きくキレよく曲がるためバットに当てることさえ困難な球種。全体的にコマンドに欠ける。大学時代はすべてリリーフとして登板した。


4C(134) カバレス・ティアーズ(Kavares tears):OF:左投左打:6/200:Tennessee:$525.2K($525.2K)

力感のないスムーズなスイングながらもバットスピードの速さで強烈な打球を弾き飛ばすことができる。変化球へのもろさは克服しつつあるが、それでも三振は多め。スピードは主に守備で活かされており、広いレンジをカバーする。アームも強くCFに留まれるだろう。


4C(135) クラーク・キャンディオッティ(Clark Candiotti):RHP:右投右打:6-4/237:Arizona:$80K($520K)

大学や短大を転々とし今年ようやくブレークを果たした苦労人。90マイル前半の速球とスライダー、カーブ、チェンジエアップのコンビネーション。速球は最速で97マイルをマーク。ノビのある4シームは空振りを狙える球種。小さく鋭く曲がるスライダーがアウトピッチ。カーブ、チェンジアップのクオリティも高い。コントロールもまとまっており、スターター向き。



5(151) ケイル・ファウンテン(Kale Fountain):3B:右投右打:6-5/225:Norris HS:$1.7M($444.2K)

大柄なサイズでローパワーもさることながら、完璧なタイミングで上半身を回転させスイングにバットに力を乗せて打球を遠くに運ぶ。ゾーンを広げすぎてゾーン外のボールにも手を出す点は要改善。3Bに残るにはアジリティが足らず将来は1B転向も視野。


6(180) ダリエン・マクダウェウ(Darrien McDowell):OF:左投右打:6-4/220:University of West Florida:$50K($342.3K)


7(210) カイ・ロバーツ(Kai Roberts):OF:右投左打:6-5/200:Utah:$10K($268K)


8(240) ニック・ウィッスマン(Nick Wissman):RHP:右投右打:6-1/195:U Dayton:$10K($216.2K)


総括

 上位指名を高校生で固めることが多いSDですが、今年は例年に増して高校生偏重の指名となりました。契約金の額を見ても高校生にフルスロットないし大幅なオーバースロットを費やすため、大学生はアンダースロット要員での指名ばかりなっています。
 1巡目のキャッシュ・メイフィールドは春先からめきめきと実力をつけ始め、高校生投手のトップ帯に躍り出たタレント。高校生投手をメジャーレベルにまで育成する成功例の多い球団なので、今後の成長が楽しみです。
 その他の高校生はハイスペックなタレントを指名。いずれも現時点では粗の方が目立つため、育成には時間がかかるでしょう。
 大学生はボーナスプールの浮きを作るための指名が多くなりましたが、カバレス・ティアーズやクラーク・キャンディオッティといった実力者の確保に成功しており、悪くない指名になったと思います。

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