【MLBドラフト】2024ドラフトレビューCHW編

上位10人の簡易レポと総括になります。

凡例
ラウンド(全体指名順位) 名前(Name):ポジション:投打:身長/体重:出身校:契約金額(ボーナススロット)
簡易レポ




1(5) ヘイゲン・スミス(Hagen Smith):LHP:左投左打:6-3/225:Arkansas:$8M($7.76M)

90マイル中盤の速球とスライダー、スプリッターのコンビネーション。速球は最速で98マイルをマーク。ブルペンでは100マイルをマークすることもあり、今後実戦でも計測するかもしれない。アウトピッチはスライダーでキレがあり、エッジへのコマンドも優秀。スプリットにポテンシャルを見出す声も。無駄な動きの多いデリバリーのためか4シームのコントロールに欠けている。


2(43) ケイレブ・ボンマー(Caleb Bonemer):SS:右投右打:6-1/195:Okemos HS:$3M($2.17M)

ほとんど予備動作がないスイングながらもバットスピードの速さで強烈な当たりを飛ばすことができる。無駄な動作が少なく、変化球の対応にも長けている。コンタクトスキルが高いためかゾーン外のボールにも手を出してしまう悪癖がある。スピードは優秀だがアジリティに欠けており、将来は3B転向が現実的。


CBPB(68) ブレイク・ラーソン(Blake Larson):LHP:左投左打:6-2/180:IMG Academy:$1.4M($1.2M)

90マイル前半の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で96マイルをマーク。低いアングルから垂れずに進む4シームを投じる。スピン量の多いスライダーをアウトピッチとして使う。チェンジアップは要改善。コントロールは改善傾向にある。


3(78) ニック・マクレイン(Nick McLain):OF:左投両打:5-10/190:Arizona State:$800K($996.1K)

プロ野球選手の兄を2人持つ野球一家の末っ子。打撃ではバレルフィーリングの高さを見せており、ハイアベレージに期待がかかる。小柄ながらもパワーツールは低くなく、シーズン2桁HRはクリアできるだろう。スピードは平凡だがアームは強くRF向き。この3年で腰と左右の有鈎骨を痛めており、故障歴の多さが気がかり。


4(107) ケイシー・ソウク(Casey Saucke):OF:右投右打:6-3/210:Virginia:$847.5K($682.8K)

打撃ではパワーポテンシャルの高さが光るタレント。バットスピードが非常に早く、コンスタントにハードヒットを飛ばすことができる。打球角度が付きにくいスイングのため、長打数はそれほど多くない。コンタクトスキルに難があり、三振数が多い。アームは非常に強く深い位置で捕球しても走者を刺すことがある。


5(137) サム・アントナッチ(Sam Antonacci):IF:右投左打:6/193:Coastal Carolina:$575.5K($495.4K)

コンタクトスキルと卓越したピッチセレクションで高出塁率を残すことができる。打球速度自体は悪くないが、上から被せるようなスイングの軌道とコンタクト重視のアプローチのため長打は少ない。スピードは平均レベルだが塁上では積極的。守備ではミスの多さが目立つ。


6(169) ジャクソン・アッペル(Jackson Appel):C:右投両打:6/200:Texas A&M:$122.5K($375.7K)

22歳にしてTexas A&Mにトランスファーし、好成績を残して注目を集めた。打撃では内角に入ってきたボールを容赦なく引っ張って長打に仕留めることができる。守備ではプレート周りでのアジリティの高さが売り。


7(199) フィル・フォックス(Phil Fox):RHP:右投右打:5-9/183:Pittsburgh:197.5K($292.7K)

90マイル前半の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で95マイルをマーク。球速は平凡だがノビのある4シームで容易に空振りを奪いほぼこの1球種でリリーフとしてシーズンを全うした。ゾーン内に投げても空振りを奪えるため、今年は四球をほとんどだしていない。


8(229) アーロン・コンブス(Aaron Combs):RHP:右投右打:6-3/190:Tennessee:$247.5K($232.2K)

90マイル前半の速球とカーブ、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で96マイルをマーク。利き手側に食い込みながら浮き上がる軌道を見せる速球を要所で出力を上げて投じることができる。ベストピッチは縦横ともに大きく曲がるカーブ。スピン量、変化量ともに多いカーブはゾーン内に投じても空振りを奪うことができる。大学ではリリーフとしての登板がほとんどだが、ロングリリーフもこなしておりスポットでの先発もあり得る。


9(259) ジャック・ヤング(Jack Young):RHP:右投右打:6-3/190:Iowa:$7.5K($199.2K)


総括

 1巡目で今年の大学生投手では1、2を争う実力を持つヘイゲ・スミスを指名。どの媒体のランキングでもチェイス・バーンズの後塵を拝してますが、能力にそれほど大きな差があるわけではなく、全体5位での指名は妥当な順位でしょう。すでに高校時代にトミー・ジョン手術を受けているため、チームの戦力としてみるのであればマイナーで遊ばせて消耗させるよりかは早期昇格をさせた方がいいかもしれません。
 他の大学生投手はアンダースロットを狙ってリリーフ中心の指名となりましたが、ほぼ速球の1球種でレベルの高いリーグをくぐりぬけたッフィル・フォックスと昨年のテネシー大学のカレッジワールドチャンピオンにも貢献したアーロン・コンブスといった実績と実力を兼ね備えている2人は面白い存在。
 野手では大幅なオーバースロットとなったケイレブ・ボンマーはもちろんのこと、大学生の3人も楽しみな顔ぶれ。いずれもヒッティングツールに優れており、下位指名からメジャーでレギュラークラスにまで成長してもおかしくはないでしょう。


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