【MLBドラフト】2022ドラフトレビューOAK編
上位10人の簡易レポと総括になります。
凡例
ラウンド(全体指名順位) 名前(Name):ポジション:投打:身長/体重:出身校:契約金額(ボーナススロット)
簡易レポ
1(19) ダニエル・スサック(Daniel Susac):C:右投右打:6-4/218:Arizona:$3.53M($3.53M)
打撃ではパワーポテンシャルの高さが魅力。見た目通りのパワフルながらもコンパクトなスイングで長打を量産する。ヒッティングツールは悪くはないが、何でも手を出す拙いピッチセレクションが足を引っ張っている。守備では大柄なサイズを感じさせない運動量とアームの強さが持ち味。送球も正確で相手を塁上に釘付けにする。
2(56) ヘンリー・ボルト(Henry Bolte):OF:右投右打:6-3/195:Palo Alto HS:$2M($1.34M)
パワーポテンシャルが光る打撃が魅力。逆方向にも大きな打球を飛ばすことができる。一方で、簡単にブレーキングボールに空振りすることが多くコンタクトスキルに難を抱える。スピードは平均以上で隙あらば次の塁を積極的に狙う。守備では広いレンジをカバーすることができる。
CBB(69) クラーク・エリオット(Clarke Eliott):OF:右投左打:6/183:Michigan:$900K($977.5K)
優れたピッチセレクションで高出塁率をマーク。スムーズなスイングで広角に打球を飛ばすことができる。ノーパワーというわけではないが、平均より劣る。優秀なスピードを有しているが、チーム方針で盗塁はそれほど多くない。そのスピードを守備でも活かしているが、アームの弱さがネックとなってCFに留まることは難しそう。
3(95) コルビー・トーマス(Colby Thomas):OF:右投右打:6/195:Mercer:$750K($642.1K)
強烈なアッパースイングでHRを量産。遠回りするスイングの軌道と変化球に脆い点が気になるところ。アプローチが昨年から大幅に改善され注目を集めた。プラスのスピードとアームが光るソリッドなRF。CF転向も有り得る。
4(124) ジェイコブ・ワッターズ(Jacob Wartters):RHP:右投右打:6-4/230:West Virginia:$491.75K($483.5K)
90マイル中盤の速球とカーブ、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で99マイルをマーク。空振りを奪えるボールでアウトピッチとしても使う。縦に割れるカーブも相手のスイングを誘発しやすい球種。奪三振能力はずば抜けているが、コントロールの悪さもかなりのもの。大学最終年にスターターに挑戦したが、結果はイマイチだった。
5(154) ジャック・パーキンス(Jack Perkins):RHP:右投右打:6-1/220:Indiana:$270.5K($361K)
90マイル前半の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。高校時代は注目のトッププロスペクトだったが、大学では度重なる故障もあって伸び悩んでいた。それでも、キレのあるスライダーを武器にイニングと同じ数ほどの三振数を奪っており、ポテンシャルの高さは感じさせている。トミー・ジョン手術以降コントロール難に悩んでいる。
6(184) ブレナン・ミローン(Brennan Milone):3B:右投右打:6-1/198:Oregon:$200K($277.3K)
打撃ではパワフルなスイングが魅力。強く引っ張った打球をコンスタントに打つことができる。一方で、プルハッピーになりがちで、打率を落とす原因となっている。守備ではアームの強さを買う声もあるが、全体としては平均以下か。
7(214) イェニエル・ラボイ(Yeniel Laboy):3B:右投左打:6-3/196:Carlos Beltran Baseball Academy:$175K($217.2K)
パワーポテンシャルの高さを感じさせる、ハイシーリングなタレント。フレームは十分で、今後の成長を考えるとパワーツールがより伸びるだろうと予測できる。ハイレベルな投手との対戦が少なく、経験を積む必要がある。守備の動きは悪くはないが、荒っぽさが目立つ。
8(244) マイカ・ダラス(Micah Dallas):RHP:右投右打:6-2/215:Texas A&M:$125K($177.1K)
90マイル前半の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速でも93マイル程度。スライダーアウトピッチとして使っている。コントロールはいいが、ムービングとスピードに乏しい速球をゾーンに投げ込んでしまうため痛打されることが多い。
9(274) ケイデン・トレンクル(Caeden Trenkle):OF:左投左打:5-10/179:Oklahoma State:$130K($160.1K)
打撃では慎重なアプローチで四球を多く選び出塁率を稼ぐことができる。パワーツールは平均以下だが、当てるだけのスイングはしない。そのためか、空振りが多くなりこの手のタイプにしては三振も多め。スピードツールは優秀だが、走塁は消極的。一方で、守備では活かされている。難しいルートランをこなし、ダイビングやジャンプの判断も正確で広いレンジをカバーする。
総括
1巡目のダニエル・スサックは全体15位以内に指名されるとの予想も多かったためスチールといえばスチールですが、スリップしてきたのにもそれなりの理由があるので手放しでは喜べないでしょう。やはり何といっても打撃がネック。打撃が1巡目レベルにあるかは微妙なところで、兄のようになかなかメジャーに定着できずキャリアを終える可能性も十分あるでしょう。
その後も野手を中心に指名。高校生野手では地元っ子のヘンリー・ボルトに期待がかかりますが、身体能力先行の高校生を上手く育成できたためしがないので不安がつきまといます。大学生の野手ではクラーク・エリオット、コルビー・トーマスが気になる存在。昨年指名した大学生野手が派手に跳ねているだけについつい今年もと期待がかかってしまいます。
投手はもちろん大学生のみですが、めずらしくスタッツの見栄えがよくないタレントばかりを指名。K/BBがいいだけではAAあたりが関の山だと気づいたのでしょうか。