【MLBドラフト】2024ドラフトレビューWSH編

上位10人の簡易レポと総括になります。

凡例
ラウンド(全体指名順位) 名前(Name):ポジション:投打:身長/体重:出身校:契約金額(ボーナススロット)
簡易レポ




1(10) シーバー・キング(Seaver King):SS:右投右打:6/195:Wake Forest:$5.15M($5.95M)

ノーステップのスイングで打球をヒットゾーンへと飛ばすヒッティングがベストツール。大学入学時から徐々に体重を増やし、パワーをつけてきており以前よりもハードヒットが増えてきている。ゾーンを広くしすぎてしまう点が短所。スピードはあるがアームは弱く、2BかOFに収まることになりそう。


CBPA(39) ケイレブ・ロマビタ(Caleb Lomavita):C:右投右打:5-11/200:California:$2.33M($2.4M)

コンタクトスキルに長けており、広角に打球を飛ばすヒッティングがベストツール。下半身を使って低めのボールをすくい上げ長打にすることもできる。守備ではアームの強さが光るが、フットワークに難有りで十分にいかせていない。Cにしてはスピードがあるので、OF/3Bへの転向もささやかれる。


2(44) ルーク・ディッカーソン(Luke Dickerson):SS:右投右打:5-11/197:Morris Knolls HS:$3.8M($2.12M)

打撃能力の高さが光るタレント。バレルフィーリングが高く、フィールド全体を使ったアプローチも見せる。多少詰まっても外野のギャップに飛ばせるパワーも魅力。スピードは優秀だがアームが足りずSSに留まるのは厳しいか。


3(79) ケビン・バゼル(Kevin Bazzell):C:右投右打:6-1/205:Texas Tech:$980.3K($980.3K)

無駄のないレベルスイングでヒットを量産するコンタクトヒッター。滅多に空振りせず、ピッチセレクションも優秀。打球に角度がつかず、長打は期待できない。3Bから移ったCの守備ではスローイングに高評価を得るが、その他は平均レベル。


4(108) ジャクソン・ケント(Jackson Kent):LHP:左投左打:6-3/219:Arizona:$625K($676K)

90マイル前半の速球とスライダー、カーブ、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で96マイルをマーク。4シームとカットボールを状況によって使い分ける。ベストピッチはチェンジアップ。落差があり、スピードも殺されているため空振りを奪いやすい球種。コントロールがまとまっており、スターターとして計算が立ちやすい。


5(141) ランドール・ディアズ(Randal Diaz):SS:右投右打:6/205:Indiana State:$420K($490.5K)

打撃ではソリッドなアプローチとパンチ力が魅力。無理に大きな当たりを狙わず、フィールド全体に打球を散らすことができる。小柄ながらもシーズン2桁HRを狙えるローパワーも兼ね備えている。守備ではアグレッシブに動くが、アームの弱さから2Bに転向することになりそう。


6(170) ダビアン・ガルシア(Davian Garcia):RHP:右投右打:6-2/190:Florida Gulf Coast University:$425K($372.3K)

90マイル中盤の速球とスライダーのコンビネーション。速球は最速で98マイルをマーク。ノビのある4シームを高めに投げ込み空振りを奪う。大学時代に先発の経験もあるが、プロではリリーフとして起用されるだろう。


7(200) ロバート・クランツ(Robert Cranz):RHP:右投右打:6-3/207:Oklahoma State:$190K($290.3K)

90マイル前半の速球とスライダーのコンビネーション。速球は最速で94マイルをマーク。低めに投げても垂れずに一直線に進む軌道を見せる4シームでポップフライを量産する。スライダーもアウトピッチに足る球種。ストライクスロワーでゾーン内で勝負を決めることができ、四球でランナーをためることは少ない。


8(230) サム・ピーターセン(Sam Petersen):OF:右投右打:6/200:Iowa:$230.9K($230.9K)

小柄ながらもローパワーがあり、ツボに入った時には目の覚めるような打球を飛ばすことができる。プルハッピーな点があり、プロでは打率を残すのに苦労するかも。スピードは平均以上で走塁も積極的。今年はむこう脛を疲労骨折しており、出場機会が限られていた。


9(260) ジャクソン・ロス(Jackson Ross):3B:右投右打:6-2/210:Ole Miss:$2K($198.6K)



総括

 全体15位近辺で指名されると予想されていたシーバー・キングをオーバーピックして1巡目で指名。ハイシーリングな高校生のブライス・ライナーやアンダースロットを狙うならうってつけのブレイデン・モンゴメリーをスルーしてのサプライズ指名となりました。
 ドラフトイヤーに成績を落とした点は気がかりですが、ヒッティングのセンスは光るものがあるので、そこを高く評価されたのかもしれません。
 その後の指名で目を引くのはやはり高校生のルーク・ディッカーソンでしょう。ボーナスプール制度導入以降1巡目より後に指名を受けた選手の中では最高額の契約金を手にすることになりました。ドラフト直前にかけて評価を急激に上げており、この成長曲線がさらに上向くと踏んだのでしょう。
 大学生の野手に関してはキング以降もアマチュアではセンターラインを守れて、実績も十分なソリッドなタレントを集めました。
 上位指名をほとんど野手に費やしたため、投手の層は薄くなってしまいました。リリーフプロスペクトですが、平凡な球速で打者を手玉にとるロバート・クランツは気になる存在です。


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