【MLBドラフト】2024ドラフトレビューMIL編

上位10人の簡易レポと総括になります。

凡例
ラウンド(全体指名順位) 名前(Name):ポジション:投打:身長/体重:出身校:契約金額(ボーナススロット)
簡易レポ




1(17) ブレイロン・ペイン(Braylon Payne):OF:左投左打:6-2/186:Elkins HS:$3.44M($4.53M)

ベストツールのスピードを活かすために打撃はコンタクト重視。パワーは皆無ではないが、2桁HRは難しいだろう。守備・走塁ともに派手なプレーが多いが荒っぽく洗練の余地はあり。


CBPA(34) ブレイク・バーク(Blake Burke):1B:左投左打:6-3/236:Tennessee:$2.1M($2.7M)

ローパワーの高さでは今ドラフトでもトップクラスのスラッガー。持前のパワーもさることながら、ポイントをかなり前に置くスタイルのためハードヒットが出やすくなっている。一方でこのスタイルのためゾーン外へのボールを追いかけやすくもなっている。打席以外に活躍の場はなく、1Bをまともに守れるかも怪しいところ。


2(57) ブライス・メッケイジ(Bryce Meccage):RHP:右投右打:6-4/210:The Pennington School:$2.5M($1.56M)

90マイル前半の速球とスライダー、カーブ、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で96マイルをマーク。ノビのある4シームで大量に空振りを奪う。スピン量の多いキレのいいスライダーもアウトピッチとしてつかう。カーブ、チェンジアップは要改善。コントロールはまとまっており、スターターに向いている。


CBPB(59) クリス・レボナス(Chris Levonas):RHP:右投右打:6-2/170:Christian Brothers Academy:-($1.23M)

90マイル前半の速球とスライダー、カーブ、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で97マイルをマーク。コンスタントに最速をマークできるが、複数回投げると露骨に球速が落ちる。垂れずにミットに進む4シームを投じる。スライダー、カーブともにキレがよく空振りを狙える球種。コントロールに若干難あり。


3(93) ジャロン・デベリー(Jaron DeBerry):RHP:右投右打:6-3/178:Dallas Baptist:$25K($788.7K)

90マイル前半の速球とスライダー、カーブ、チェンジアップのコンビネーション。速球のスピードが90マイルに満たない時もあるが、4シーム系とシンカー系の2種類のムービングをコマンドよく投げ分ける。スイーパーにも分類される横に曲がるスライダーはムービング、コマンドともに優れていてアウトピッチに足る球種。大学生にしてはかなり細見で、まだ球速を上げる余地があるかも。


4(123) マルコ・ディンジェス(Marco Dinges):C:右投右打:6/190:Florida State:$500K($583.4K)

どの方向にも長打が打てるパワーツールが最大の魅力。大振りせずともハードヒットを飛ばすことができるためコンタクトスキルも優秀。守備/走塁は平均以下。Cとして指名されたものの経験は浅く、1B/OFが収まりどころか。


5(156) ジョン・ホロベッツ(John Holobetz):RHP:右投右打:6-3/190:Old Dominion:$322.5K($422.9K)

90マイル前半の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で95マイルをマーク。小さいテークバックから倒れこむようなデリバリーでノビのある4シームを投げる。大学ではロングリリーフとして投げていたが、下位をまたぐと露骨に球速が落ちるためプロでは普通のリリーフとしての起用が見込まれる。


6(185) チャンドラー・ウェルチ(Chandler Welch):RHP:右投右打:6/200:Tulane:$237.5K($328.7K)



7(215) メイソン・モリーナ(Mason Molina):LHP:左投右打:6-2/230:Arkansas:$254.9K($257.4K)

90マイル前半の速球とスライダー、カーブ、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で95マイルをマークするが、コンスタントに投げることができない。球速が出なくともノビのある4シームで空振りを奪うことができる。ベストピッチはチェンジアップ。速球と同じアームスピードから10マイル近くスピードを殺して投じることができる。コントロールが悪くプロでもスターターとして投げ続けるのは厳しいか。


8(245) サム・ガルシア(Sam Garcia):LHP:左投左打:6-4/218:Oklahoma State:$55K($210.7K)



総括

 2巡目での指名でも当落線上だったブレイロン・ペインを1巡目で指名。今のところスピードの1ツールのみが目立っていますが、コンタクト重視のスイングからよりローパワーを発揮できるスイングへと改造できれば面白いタレントであることは確かです。
 1巡目でペインとアンダースロットで契約し、高額契約になりそうな高校生投手を2人獲得する戦略を立てていたようですが、クリス・レボナスとの契約は失敗に終わってしまいアンダースロット狙いの1巡目指名の意味が薄れてしまったのは痛い点です。
 ペイン以降の野手はいずれも大学生を指名。ブレイク・バークもマルコ・ディンジェスもポジションがどこに落ち着くのかは不透明ですが、持ち前のパワーポテンシャルの高さはピカイチ。個人的には指名巡が後になったディンジェスの方が早く出世しそうな気もします。
 投手は大枚をはたいてドラフト直前に急激に評価を上げたブライス・メッケイジの獲得に成功したものの、レボナスのためにアンダースロットを捻出するため、小粒そろいとなってしまった印象。下位指名からフロントスターターやエリートリリーバーを輩出することもあるMILですが、今回ばかりはメッケイジ1人に頑張ってもらうことになりそうです。

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