【MLBドラフト】2022ドラフトレビューWSH編

上位10人の簡易レポと総括になります。

凡例
ラウンド(全体指名順位) 名前(Name):ポジション:投打:身長/体重:出身校:契約金額(ボーナススロット)
簡易レポ


1(5) イライジャ・グリーン(Elijah Green):OF:右投右打:6-3/225:IMG Academy:$6.5M($6.5M)
強烈なパワーポテンシャルを有するスラッガー候補。サイズは既にプロ顔負けレベル。強烈なスイングはほれぼれするが空振りが多くアベレージを残せるか疑問が残る。身体能力が高くスピード、アームともに非常に優秀。マイク・トラウト以来の逸材とも呼ばれるが、バイロン・バクストンのような選手に落ち着く可能性も。


2(45) ジェイク・ベネット(Jake Bennett):LHP:左投左打:6-6/234:Oklahoma:$1.73M($1.73M)
90マイル前半の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速でも94マイル程度だが、シュート気味に左打者の手元へと曲がりながら浮き上がるムービングとカッター系の速球をコマンドよく投げ分け的を絞らせない。横滑りするようなスライダーはキレがいいがコマンドに欠ける。チェンジアップは発展途上。安定感のあるデリバリーは再現性が高い。


3(84) トレイ・リプスカム(Trey Lipscomb):3B:右投右打:6-1/200:Tennessee:$758.9K($758.9K)
3年間ベンチを温めていたが、今年に入って大ブレーク。忍耐強く甘いゾーンに入ってきたボールを待つアプローチが最大の武器。パワーも平均以上で2桁HRはマークできるだろう。守備は平凡。


4(111) ブレナー・コックス(Brenner Cox):OF:右投左打:6-3/195:Rock Hill HS:$1M($549.3K)
身体能力の高さだけならトップクラス。高校ではアメリカンフットボールのQBとしても将来を有望視されていた。打撃ではパワーポテンシャルを見出す声も多いが、スイング時の下半身が固くコンタクトスキルに難有り。守備や走塁では身体能力の高さを上手く落とし込むことができており、現段階ではこちらの方が評価が高いか。


5(142) ジャレド・マッケンジー(Jared McKenzie):OF:左投左打:6/180:Baylor:$410.5K($410.5K)
常にハイアベレージをマークするピュアヒッター。滅多に空振りをしないコンタクトスキルをひっさげ、とにかく早めにスイングをしかけてヒットを量産。ギャップを狙い野手の間を抜く二塁打/三塁打が多い。パワーも徐々につけてきており、平均レベルには長打を狙える。スピードとアームは共に平凡でポジションはLFに収まりそう。大学最終年に不調に陥り、評価を下げた。


6(171) ナサニエル・オチョア・レイバ(Nathaniel Ochoa Leyva):SS:右投右打:6-4/215:Notre Dame Catholic SS:$375K($308.9K)
元々守備での評価が高かったが、サイズが大きくなりスイングが安定したことで打撃でも評価を上げた。ゆったりとした初動から鋭いスイングを見せ、コンスタントにハードヒットを飛ばす。状況に応じたヒッティングをする器用さも兼ね備える。


7(201) ライリー・コーネリオ(Riley Cornelio):RHP:右投右打:6-3/195:TCU:$241.6K($241.6K)
90マイル中盤の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で99マイルをマークするが、軌道がフラットで捉えられやすい。ベストピッチはスライダー。横滑りするようなものと縦に割れるようなものの2種類を投げ分ける。チェンジアップは左打者に有効な球種。コマンドが甘く、大学でのスタッツは平凡。


8(231) チャンス・ハフ(Chance Huff):RHP:右投右打:6-4/220:Georgia Tech:$191.7K($191.7K)
90マイル前半の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で97マイルをマークすることもある。シンカー系の速球を低めに集めてゴロアウトを狙う。このシンカーと対になるスライダーにも高い評価を得ている。大学では打高の環境と球威不足が相まって被本塁打が非常に多かった。


9(261) マクスウェル・ロメロJr(Maxwell Romero Jr):C:右投左打:6-1/218:Miami:$165.7K($165.7K)
打撃ではパワーポテンシャルの高さが魅力。コンタクト重視のようなスイングでも持ち前のパワーでコンスタントに長打が打てる。一方で、コンタクト重視のようなスイングにもかかわらずミスショットと空振りが多く三振数と打率は平凡。守備では動きの鈍さが目立ち、レギュラーとしてCに据えるには厳しいか。


10(291) マーフィー・ステリー(Murphy Stehly):3B:右投右打:5-10/205:Texas:$10K($154.8K)


+1
13(381) マーキス・グリッサムJr(Marquis Grissom Jr):RHP:右投右打:6-2/202:Georgia Tech:-
父親はオールスタープレイヤーのマーキス・グリッサム。90マイル前半の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で97マイルをマーク。スライダーは大きく鋭く曲がり、ゾーンから大きく外れてていても空振りを奪うことができる。チェンジアップ発展途上。ボールのクオリティは高くポテンシャルはあるが、それをコントロールすることができず大学でのスタッツは映えない。


総括
 1巡目は2年連続となる高校生野手のイライジャ・グリーンを指名。パワーポテンシャルの高さは今ドラフトでは屈指のものですが、不安材料も多め。レポートではバイロン・バクストンを引き合いに出しましたが、今のサイズを考えると将来像はジャスティン・アップトンかもしれません。
 その後指名した高校生はやはりいずれも野手。ブレナー・コックスもナサニエル・オチョア・レイバもハイシーリングハイリターンなタレント。オチョア・レイバは経験を積めばさらに評価を上げそうな気配が漂っています。
 大学生の指名はジェイク・ベネットが一番のビッグネーム。支配的なピッチングはできなくとも安定してイニングを稼いでくれるでしょう。まだまだ粗削りながらもマーキス・グリッサムJrも気になる存在。大学生野手はジャレド・マッケンジーの復調に期待。

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