【MLBドラフト】2022ドラフトレビューNYY編
上位10人の簡易レポと総括になります。
凡例
ラウンド(全体指名順位) 名前(Name):ポジション:投打:身長/体重:出身校:契約金額(ボーナススロット)
簡易レポ
1(25) スペンサー・ジョーンズ(Spencer Jones):OF:左投左打:6-7/225:Vanderbilt:$2.88M($2.88M)
高校時代は二刀流も肘の故障で大学では野手に専念。懐の深いスタンスから、鋭いスイングでハードヒットを飛ばす。変化球に脆く三振も多い。体格の割にスピードがあり、盗塁にも積極的。1Bでの起用も有り得る。
2(61) ドリュー・ソープ(Drew Thorpe):RHP:右投左打:6-4/190:Cal Poly:$1.19M($1.19M)
90マイル前半の速球とチェンジアップ、スライダーのコンビネーション。速球は最速で94マイル程度だがコマンドは優秀。ムービングに乏しい点が懸念材料。ベストピッチはチェンジアップ。アームスピードを落とさずに投じることができ、落差もある優秀な球種。これに続くスライダーの改善が期待される。
3(100) トリスタン・ブリエリング(Trystan Vrieling):RHP:右投右打:6-4/200:Gonzaga:$611.4K($611.4K)
90マイル前半の速球とスライダー、カーブ、チェンジップのコンビネーション。速球は最速で97マイルをマーク。ノビのある4シームを投じる。いずれの変化球もプラスの評価を得ており、スライダーを中心に組み立てる。今年はコントロールが定まらず四球が激増した。
4(130) アンソニー・ホール(Anthony Hall):OF:左投左打:6-2/200:Oregon:$456.5K($456.5K)
コンスタントにハードヒットを飛ばすスラッガー候補。強烈なスイングでボールを巻き込み、プルサイドに強い打球を飛ばすことができる。スイングが大きくなりがちで、三振が多い点は懸念材料。アプローチの粗さが弱点だったが、徐々に改善されつつある。スピードは優秀だが、走塁でも守備でもそれを活かすことができていない。
5(160) エリック・レイゼルマン(Eric Reyzelman):RHP:右投右打:6-2/188:LSU:$340.7K($340.7K)
90マイル中盤の速球とスライダーのコンビネーション。速球は最速で99マイルをマーク。ノビのある4シームを高めに投じて空振りを狙う。大きく曲がるスライダーと小さく早く曲がるカットボールを使い分ける。大学時代はほぼリリーフとして投げており、プロ入り後も同様か。
6(190) チェイス・ハンプトン(Chase Hampton):RHP:右投右打:6-2/225:Texas Tech:$497.5K($264K)
90マイル前半の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で99マイルをマーク。高評価なのは球速よりも浮き上がるようなムービングで、92マイル程度でも高めに投じて空振りを狙える。速球のコマンドは優秀だが変化球はバラつきがある。他の大学生よりも若くアップサイドは大きい。
RHP Chase Hampton (So.) battled during his three innings of work. Overpowered hitters at times w/ riding FB at 90-92 mph. Quick arm speed allows it to jump on hitters. Gets a fair share of whiffs. SL at 80-82 mph w/ tight, short action when spun well @TTU_Baseball @PGCollegeBall pic.twitter.com/LMM8bvvUSF
— Perfect Game Four Corners (@PG_FourCorners) April 6, 2022
7(220) キャム・シュリットラー(Cam Schlittler):RHP:右投右打:6-6/210:Northeastern:$205K($207.5K)
90マイル前半の速球とスライダー、カーブ、チェンジアップのコンビネーション。ベストピッチはスライダーで、ゾーンを幅広く使って空振りを誘う。いずれの球種もゾーン内に投じることができるコントロールを有しているが、コマンドはアバウト。
Seven strong. Nine Ks.
— Colonial Athletic Association (@CAASports) May 26, 2022
Cam Schlittler delivering for @GoNUBaseball.
📺 @FloBaseball
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📈 https://t.co/i6Fe3ltoG9 pic.twitter.com/qS83efDeFB
8(250) ブレット・バレーラ(Brett Barrera):SS:右投右打:6-1/217:Stanford:$135K($172.3K)
がっしりとしたフレーム通りのパンチ力のある打撃が魅力。コンスタントにハードヒットを飛ばすことができる。一方で、アプロ―チは粗くコンタクトスキルも拙いため、高打率は見込めない。守備でも動きが悪くSSには残れないだろう。
Brett Barrera (@StanfordBSB)stays hot & smokes this one into the gap to knock in a pair. Strong & physical & rlly gets into it. ‘22 elig pic.twitter.com/0lX3Ljxc7T
— PG College Baseball (@PGCollegeBall) February 27, 2022
9(280) マット・キーティング(Matt Keating):RHP:右投右打:6-1/215:USC:$122.5K($158K)
90マイル前半の速球とスライダーのコンビネーション。速球は最速でも93マイル程度だが、落差の大きいスライダーを多投して大量の三振を奪うことができる。コントロールは平均レベル。
10(310) ウィル・ブライアン(Will Brian):LHP:左投左打:5-11/220:Eastern Kentucky:$57.5K($149.8K)
総括
1巡目の指名はドラフトコンバインで注目を集めたスペンサー・ジョーンズとなりました。INFAでハイリスクハイリターンなプロスペクトをかき集めている反動なのか、ドラフトではソリッドなタレントを指名する傾向にあり、今回のコンタクトスキルに難有りなジョーンズの指名は意外とも言えるでしょう。打球速度だけではトップクラスであることには間違いなく、プロのレベルに対応できれば20HRは堅いのではないでしょうか。
その他の大学生野手もハードヒットを飛ばせるかが指名の基準となっているようです。
投手ではあまり話題にならなかったもののスタッツや実力では他に引けを取らないドリュー・ソープが筆頭。トリスタン・ブリエリングやチェイス・ハンプトンといったスリーパーが多い印象です。