【MLBドラフト】2021ドラフトレビューDET編

上位10人の簡易レポと総括になります。

凡例
ラウンド(全体指名順位) 名前(Name):ポジション:投打:身長/体重:出身校:契約金額(ボーナススロット)
簡易レポ


1(3) ジャクソン・ジョービ(Jackson Jobe):RHP:右投右打:6-2/190:Heritage Hall School:-($7.22M)
90マイル中盤の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。元々SSとしてプレーしていたが、投手転向で才能が開花。速球は最速で96マイルだが、コンスタントにそれをマークできる馬力が魅力。キレのいいスライダーは今ドラフトの高校生投手ではトップクラスのクオリティを誇る。チェンジアップと投手としての経験値の浅さが今後の改善点。


CBPA(32) タイ・マッデン(Ty Madden):RHP:右投右打:6-3/215:Texas:-($2.26M)
90マイル中盤の速球とスライダー、カーブのコンビネーション。速球は最速で99マイルをマーク。瞬間的な出力ではなく、一定の球速を維持できる点が強み。ムービングに乏しいが、真上から投げ下ろし角度をつけて打ちづらくしている。アウトピッチはスライダー。鋭く曲がり空振りを奪える球種。コントロールも安定しており、フロアーの高さは今ドラフトでもトップクラス。


3(39) アイザック・パチェコ(Izaac Pacheco):SS:右投左打:6-4/225:Firendswood HS:-($1.91M)
豪快なアッパースイングで長打を量産するスラッガー候補。サイズはすでにメジャーリーガー並みで、その体躯から生み出されるパワーは一級品。ブレーキングボールにあっさりと空振りする点は懸念材料。体格の割には動けるタイプだが、現在守っているSSに残るのは厳しいだろう。アームは滅法強く、最低限のスキルも有しているため、3Bには残れるとのこと。


3(74) ディラン・スミス(Dylan Smith):RHP:右投右打:6-2/180:Alabama:-($844.2K)
90マイル前半の速球とカーブ、スライダー、チェンジアップのコンビネーション。過去2年はうだつが上がらないリリーバーだったが、今年躍進。キレのある縦に曲がるスライダーで三振を量産する。コントロールと球速が安定し、長いイニングを投げられるようになり、先発転向も難なくこなしている。力感のないデリバリーなため、リリーフ転向の心配はないだろう。


4(104) タイラー・マティソン(Tyler Mattison):RHP:右投右打:6-4/235:Bryant University:-($560K)
90マイル前半の速球とチェンジアップ、スライダー、カーブのコンビネーション。カッター気味に動く速球は最速で97マイルをマーク。コンスタントにたたき出せるわけではないが、球数がかさんでも最速をマークできる点は強み。ベストピッチはチェンジアップ、打者の左右を問わずに投じ、緩急をつけて空振りを奪う。コントロールもまとまっており、スターターとして計算が立つ。


5(135) タナー・コールヘップ(Tanner Kohlhepp):RHP:右投左打:6-4/210:Notre Dame:-($414K)
90マイル中盤の速球とスライダーのコンビネーション。速球は最速で99マイルをマーク。サイドに近いアングルからシンカー系の速球を多投し、ゴロアウトを狙うピッチングスタイル。カッターとも形容されるスライダーは小さく鋭く曲がり空振りを狙えるボール。球威やキレは文句なしだがアバウトすぎるコントロールが玉にきず。


6(165) オースティン・マー(Austin Murr):1B:左投左打:6-2/218:NC State:-($309.5K)
打撃ではヒッティングツールに高評価を得ている。1Bにしてはパワー不足感は否めないが、積極的にスイングをしかけヒットを狙う。守備では年間を通してノーエラーを続けるソリッドさが魅力。キャンバスに突っ立っているだけでなく、広いレンジをカバーできる点が他とは違うところ。OF転向も現実的な選択肢。


7(195) ブラント・ハーター(Brant Hurte):LHP:左投左打:6-6/250:Georgia Tech:-($241K)
90マイル前半の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で94マイルと平凡だが、優秀なコマンドでハードヒットを避けることができる。ベストピッチはスライダー。大きく横方向に滑るように曲がり、空振りを奪う。全体としてのコントロールもまとまっており、スターターとしての素質はある。19年にトミー・ジョン手術を受けている。


8(225) ジョーダン・マークス(Jordan Marks):RHP:右投左打:6-2/220:University of South Carolina Upstate:-(190.1K)
90マイル中盤の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。元々、遅い速球をひたすらストライクに投げ込むというピッチングスタイルだったが、球速が年々上昇し、今では最速98マイルをマークするほどに。スライダー、チェンジアップはいずれもプラスのクオリティではないが、持ち前のコントロールでカバー。


9(282) ギャレット・バーヘン(Garrett Burhenn):RHP:右投右打:6-3/215:Ohio State:-($160.8K)
90マイル前半の速球とスライダー、カーブ、チェンジアップのコンビネーション。シンカー系の速球は最速で96マイルをマーク。この速球とスライダーのコンビネーションで空振りを奪う。チェンジアップも上手く使えており、レパートリーはスターターとして十分だが、ブルペン転向を勧める声が多い。ファンキーかつデセプションに優れたデリバリー。


+1
11(315) ジョシュ・クラウチ(Josh Crouch):C:右投右打:6-1/200:Central Florida:-
パワフルなスイングが魅力の攻撃型捕手。引っ張った時の飛距離とコンスタントに打球を上げることでハイペースで長打をマークすることができる。大学進学後に3BからCに転向したため、経験は浅いが成長著しくプロでもCでスタートできるだろう。


総括
 1巡目の2人はそれぞれ高校生と大学生の中でもトップクラスのRHPと満点の出だし。高校生Pの1巡目指名はリスクがつきものですが、ジャクソン・ジョーブはそのリスクをとってもよいと思わせる選手であることは間違いないでしょう。トップ10以内で消えると思われていたタイ・マッデンが落ちてきたのは僥倖。現時点での実力はジョーブよりも間違いなく上のレベルにあり、ケイシー・マイズ並みの早期昇格も狙えるでしょう。
 ジョーブ以外の高校生は野手のアイザック・パチェコの1人で終了。パワーツールに評価を得ており、守備に不安があるという点ではライリー・グリーンとタイプが被りますが、グリーンほど確実性がないところが不安材料でしょう。クリスティン・スチュワートのようなキャリアを辿る可能性も多いにあり得ます。
 大学生は野手とPをバランスよく指名。野手はメジャーに到達するには厳しい選手が多いですが、Pはタナー・コールヘップとギャレット・バーヘンがブルペン要員としてコールアップもあり得るでしょう。特にコールヘップはハマれば勝ちパターンの一角を担うことができるかもしれません。





いいなと思ったら応援しよう!