【MLBドラフト】2023MLBドラフトカテゴリー別プレビュー HSMIF編

 来たる7月に開催される2023年のMLBドラフト。それに先立ちカテゴリー別のトッププロスペクトの紹介をしていきます。

 今回はHSMIF(SS/2B)編です。

本命不在から抜け出しそうなのは


 ドラフトの花形でもあるHSMIFですが、今年はトップ10以内での指名がないかもしれないといった顔ぶれです。現時点で飛びぬけたタレントがおらず本命不在という状況です。

 トップ10に食い込めそうな唯一のタレントがArjun Nimmala(SS)です。パワーツールが魅力ですが、細身のサイズを考えると今後さらに伸びる可能性は大。守備でもSSに留まれるスペックとスキルを有しており、課題のヒッティングに改善が見られればトップ10以内の指名も有り得るでしょう。


 Kevin McGonigle(SS)はコンタクトスキルの高さが光るタレント。レベルスイングになりがちで角度が上がらない点は懸念材料ですが、初見の相手でもハードヒットを飛ばすヒッティングセンスの高さは目に留まります。

 同じくヒッティングスキルの高さが光るのがColt Emerson(SS)です。ヒットコースが広く、野手のギャップを易々と抜く打球を放ちます。バレルフィーリングも高く、今後サイズアップに成功すれば長打数もおのずと伸びてくるでしょう。

 McGonigleとEmersonの最大の問題はSSに残れるかどうかという点。前者はアームが後者はスピードが足りず、長期的なSSとしては見ることがない点がバリューを下げてしまっています。


パワーは全てを解決する


 やはりパワー。

 パワーツールに優れたHSMIFが多く顔を並べる今ドラフトクラス。その中でもひときわ目立つ存在がWalker Martin(SS)です。アメフトで培われたしなやかながらも力強いスイングが何よりの強み。増え続ける体重がネックとなってSSに留まれないかもしれない点は懸念材料です。


 同じくアメフトでも活躍するRoch Cholowsky(SS)もコンスタントにハードヒットを飛ばすパワーポテンシャルに長けたタレント。打球角度が上がらずなかなかさく越えの打球を飛ばせない点がネックです。Martinと異なり、アジリティの高さからSSに残れそうな点はアドバンテージ。

 SSとしてはオーバーサイズ気味ながらも豪快なスイングを見せているのが、Cooper Pratt(SS)Braden Holcomb(SS)の2人。いずれも6-4とSSを守るには若干大きすぎるのですが、その分パワーポテンシャルの高さはHSMIF屈指。中でもPrattはただ振り回すだけでなく、空振りも少ない点も要注目です。

 父親にメジャーリーガーを持つGeorge Lombard Jr(SS)は典型的な長打も多ければ空振りも多いブンブン丸ですが、アップサイドの高さを感じさせるスケールの大きい選手。身体能力に欠けており、SSどころかIFにも留まれないかもしれないところはマイナス要素です。


小さなことからコツコツと


 選手の打撃を見る際にどうしてもどれほど打球を遠くに飛ばせるかとパワーに目が行ってしまうのですが、ヒッティングツールに優れたタレントを見逃してしまいそうになります。そうならないように、ここではヒッティングツールに高い評価を得るタレントを見ていきましょう。

 前述したEmersonやMcGonigleに負けず劣らずのハイセンスな打撃を見せているのがColin Houck(SS)です。パワーポテンシャルは発展途上ですが、バットスピードの速いスイングは将来性の高さを感じさせます。

  無駄を極力排除したスイングで確実に仕留めるバッティングを披露するCal Fisher(SS)も評価を上げています。小柄なサイズを感じさせないパンチ力を有していますが、アジリティが足らずSSから動くとなると物足りなさを感じてしまいます。

 確実にSSに残れるであろうタレントを挙げるとするのであればDylan Cupp(SS)が筆頭でしょう。スピードは平凡ですが、打球反応の早さやボディコントロールは一級品。長期にわたるSSとしてのキャリアを歩むことになると思われます。打撃ではパワーポテンシャルの高さを匂わせますが、コンタクト重視のスイングのため今は鳴りを潜めています。


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