【MLBドラフト】2024ドラフトレビューMIA編

上位10人の簡易レポと総括になります。

凡例
ラウンド(全体指名順位) 名前(Name):ポジション:投打:身長/体重:出身校:契約金額(ボーナススロット)
簡易レポ




1(14) PJモランド(PJ Morland):OF:右投左打:6-3/198:Summerville HS:$3.4M($4.7M)

べったりと両足を着けるスタンスながらも強烈なバットスピードでハードヒットを飛ばすことができる。アプローチも成熟しており、不用意にはスイングを仕掛けない。スピード/アーム共に平凡なため、LF/1Bに収まりそうなのがマイナスポイント。


2(56) カーター・ジョンソン(Carter Johnson):SS:右投左打:6-2/180:Oxford HS:$2.8M($1.6M)

スムーズなスイングで広角に打球を飛ばすことができる。一方で、変化球にもろく空振りが多い。バットスピードが速く、パワーも上々。サイズアップするにつれさらに伸びていくだろう。守備ではスキルは十分にあるが、SSに残るにはアジリティが足りないか。


CBPB(70) エイデン・メイ(Aiden May):RHP:右投右打:6-2/195:Oregon State:$900K($1.14M)

90マイル中盤の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で97マイルをマーク。フラットな軌道になりやすく、空振りを狙って投げることは少ない。ベストピッチは小さく鋭く曲がるスライダー。このスライダーを軸にピッチングを組み立てており、カウント球にもアウトピッチにも使う。チェンジアップはめったに投げない。ストライクスロワーだが、コマンドはアバウト。


3(192) ゲイジ・ミラー(Gage Miller):2B:右投右打:6/200:Alabama:$800.8K($800.8K)

ドラフトイヤーに短大からトランスファー。レベルの上がった環境でも打ち続けることに成功している。プルハッピーなアプローチながらも甘く浮いたボールを見逃さずに反応して長打にすることができる。内角への対応にもろさを見せることも。スピード、アームともに平均以下で将来は1B/LFが既定路線か。


4(122) フェンウィク・トリンブル(Fenwick Trimble):SS:右投右打:6-3/200:James Madison University:$550K($589K)

コンパクトなスイングで広角に長打を飛ばせるヒッティングが魅力。年々あプローチを改善してきており、深いカウントに持ち込んでも勝負できる点も魅力。スピードはあるがスキルは足りずSSに留まるのは厳しいか。


5(155) グラント・シェパードソン(Grant Shepardson):RHP:右投右打:6-1/195:Mountain Vista HS:$897.5K($427K)

90マイル前半の速球とスライダー、カーブ、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で98マイルをマーク。ノビのある4シーム系を好んで投じる。オフの間のハードワークが功を奏し、球速アップに成功したが今後は安定して90マイル中盤のスピードが出るように出力を維持する点が課題。アウトピッチのスライダーは横変化が鋭く空振りを奪える球種。筋肉がついたことでコントロールは安定したがコマンドは発展途上。


6(184) ペイトン・グリーン(Payton Green):SS:右投右打:6-3/192:Georgia Tech:$328.8K($331.3K)

打撃では2桁HRは軽くクリアできるパワーがベストツール。打球に角度をつけるのが上手く、最低でも外野に打球を飛ばすことができる。一方で、長打を狙いすぎてスイングが大振りになり、空振りしやすくなっている。ゾーンを広げすぎてしまうところも難点。守備ではミスは少ないが、SSに留まるにはスペックが足りず3B転向が既定路線。


8(214) ニック・ブリンク(Nick Brink):RHP:右投右打:6-2/210:University of Portland:$195K($259.6K)

90マイル前半の速球とスライダー、カーブ、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で95マイルをマーク。コマンドに優れゾーンの内外を問わず好きなところに投げられる。ベストピッチはチェンジアップ。落差が大きく、ブレーキもきいているため容易に空振りを奪える。スライダーもアウトピッチとして優秀でレパートリーは豊富。2年前にトミー・ジョン手術を受けている。


9(244) ジェイコブ・ジェンキンス・カワート(Jacob Jenkins-Cowart):1B:右投左打:6-6/212:East Carolina:$211.6K($211.6K)

大柄なサイズに似合わずラインドライブの打球を広角に飛ばすギャップヒッター。ゾーン内に来たボールであればコースを問わずにスイングを仕掛けるため、難しいボールにも手を出してしまい長打が少なくなっている。守備/走塁では目立たず、プラスに転じることはなさそう。


10(274) ダブ・グリード(Dub Gleed):3B:右投右打:6-1/200:University of California - Irvine:$188.8K($191.3K)

コンパクトなスイングで内野手の頭を越す打球を量産するミドルヒッター。徹底したゾーン管理と秀逸なコンタクトスキルを有しており、三振数は少ない。パワーツールは皆無ではないが平均を下回り、シーズン2桁HRをクリアできるかは微妙なところ。身体能力に欠けており、IFに留まれないかもしれない。


総括

 1巡目のPJモランドの指名はサプライズ指名となりましたが、ドラフトコンバインでの数字を見れば悪手ではないでしょう。ポジションが限定的な点とヒッティングスキルに難有りな点は気になるところですが、ありあまるパワーポテンシャルと高校生ながらアンダースロットで契約できる点を考えると全体16位で指名する価値はあったと見えます。
 1巡目で大幅なアンダースロットを作れたこともあって、2巡目のカーター・ジョンソンとオーバースロットで契約してもその後も極端なアンダースロットを作る必要がなくバリューピックに徹することができました。
 高校生では上述のジョンソンに加え、ハイシーリングなグラント・シェパードソンの確保にも成功。ジョンソンは1巡目での指名もあり得たタレントなだけにかかる期待は大きくなりそうです。
 大学生は野手、投手ともに実績十分なタレントがそろいました。残した数字は素晴らしいものの身体能力に欠ける選手が多く、下位指名からレギュラークラスに這い上がる可能性は低そうです。


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