【MLBドラフト】2024ドラフトレビューOAK編
上位10人の簡易レポと総括になります。
凡例
ラウンド(全体指名順位) 名前(Name):ポジション:投打:身長/体重:出身校:契約金額(ボーナススロット)
簡易レポ
1(4) ニック・カーツ(Nick Kurtz):1B:左投左打:6-5/235:Wake Forest:-($8.37M)
ベストツールはボールが消え飛ぶようなHRを生み出すパワー。打った瞬間に柵越えが分かるような強烈な打球が特徴。慎重にアプローチを仕掛け、深いカウントでは軽打でシングルヒットを狙う姿勢も見せる。守備では平均的な1B。
2(40) トミー・ホワイト(Tommy White):1B:右投右打:6-1/228:LSU:-($2.33M)
フレッシュマンからHRを量産しまくるスラッガー。どのゾーンのボールでもスタンドインさせるパワーがベストツール。アグレッシブになりすぎて悪球打ちになる場面が多い。スピード・アーム共に平均を大きく下回り打席以外では活躍の場はない。
CBPB(73) ゲイジ・ジャンプ(Gage Jump):LHP:左投左打:6/197:LSU:-($1.08M)
90マイル前半の速球とスライダー、カーブ、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速でも95マイルだが、低いアングルから投じられるノビのある4シームで容易に空振りを奪うことができる。高校時代からカーブの評価が高かったが、真横に曲がるスライダーのクオリティも上々。コントロールも悪くなく、スターターとしての素質は十分。
3(75) ジョシュ・クロダ・グロアー(Josh Kuroda-Grauer):SS:右投右打:6/190:Rutgers:-($1.04M)
コンタクトスキルとバレルフィーリングの高さが抜きんでており、野手のギャップを抜く打球を量産できる。体に巻き付かせるようにバットをボールに対して最短距離で出しており、滅多に空振りしない。スピード、アームは平均レベルだが、アジリティは高くグラブさばきも上々
4(104) ロドニー・グリーン(Rodney Green):OF:左投左打:6-3/190:California:-($703.4K)
打撃ではパワーポテンシャルの高さが光るものの、空振りの多さがあだとなって試合では十分に発揮できていない。パワー以上に評価されているスピードは塁上でもフィールド上でも活かされている。ただ、アームが弱すぎてCFは難しいとも。
5(137) サム・スター(Sam Stuhr):RHP:右投右打:6-1/195:University of Portland:-($510K)
90マイル中盤の速球とスライダー、カーブ、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で97マイルをマーク。ノビのある4シームを投じる。ベストピッチはスライダー。大きく曲がるタイプと小さく鋭く曲がるカットボール気味のものを使い分けて大量の三振を奪う。コントロールの悪さはスターターとしては致命的だが、再現性に欠けるデリバリーを矯正できればブルペンに回らずすむかも。
6(166) ジョサイア・ロメロ(Josiah Romero):RHP:右投右打:6-3/195:Mayfield SS:-($385.5K)
90マイル前半の速球とスライダーとチェンジアップのコンビネーション。速球は最速で94マイルをマーク。まだ線が細いため、これからさらに球速が上がる可能性は高い。スライダーをアウトピッチとして使うが、高校生にしてはチェンジアップの扱いにも長けており投球の幅は広い。コントロールと同じく、シンプルでクリーンなデリバリーも安定している。
7(196) ディラン・フィエン(Dylan Fien):C:右投両打:6-3/210:Great Oak HS:-($300.2K)
打席の左右を問わずなめらかなスイングで確実にハードヒットに仕留める打撃が持ち味。下半身を上手く使い低いコースのボールも苦にしない。守備ではアームの強さが光るが、それ以外は発展途上。フィジカルはすでに完成しつつあるが、身体能力は高く他のポジションに移ってもプラスの数字を出せるとも。
8(226) デービス・ディアズ(Davis Diaz):C:右投右打:5-11/188:Vanderbilt:-($237.4K)
パワーツールにポテンシャルを見出す声があるものの、大学3年間の成績は低調に終始。大学では1度もCを守ったことがないのになぜかCとして指名された。
9(256) ジャレド・スプラグ・ロット(Jared Sprague-Lott):3B:右投右打:6/195:Arkansas:-($201.3K)
IFならC以外どこでも守れる汎用性の高さとどこを守ってもプラスの数字を出せるスキルを兼ね備えるディフェンシブなタレント。打撃では出塁能力の高さが光る。
総括
センターラインを守れるJJウェザーホルト、打撃のポテンシャルの高さならトラビス・バザーナ/チャーリー・コンドンクラスのジャック・カグリオンを差し置いて1巡目でニック・カーツを指名。
カーツは1月からずっと1巡目指名のファーストオプションだったとのことで、OAKのアマチュアスカウト担当は全員ドラフトの日まで冬眠していたのかと疑わざるを得ません。
カーツに飽き足らず2巡目でフリースインガーのDH専門野手のトミー・ホワイトを指名したことで私の心の中の猟友会がドラフト日に冬眠から目覚めて人里に降りてきた獣を駆除せんと出動していきました。
冗談はさておき、1~2巡目の指名は散々でしたが、下位指名は上々の結果に終わった言っていいでしょう。投手ではドラフトイヤーに好成績を残したゲイジ・ジャンプを確保。安定したコントロールがベストツールで、早期昇格も見込めるタレントです。
野手ではジョシュ・クロダ・グロアーを3巡目で指名できたのは運に恵まれました。現在メジャーで活躍しているマックス・シューマンのような打撃指標でプラスの数字を残せるユーティリティとなりそうです。
高校生のディラン・フィエンは契約が成立すれば大きな収穫となりそうなタレントです。
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