【MLBドラフト】2022ドラフトレビューMIL編

上位10人の簡易レポと総括になります。

凡例
ラウンド(全体指名順位) 名前(Name):ポジション:投打:身長/体重:出身校:契約金額(ボーナススロット)
簡易レポ


1(27) エリック・ブラウンJr(Eric Brown Jr):SS:右投右打:5-10/190:Coastal Carolina:$2.05M($2.7M)
王貞治の一本足打法に近いスタンスが特徴。大きく足を上げるがタイミングを取るのは上手く、コンタクトスキルも高いため三振は少ない。小柄ながらも上手く体を使い、ボールを遠くに飛ばす術を心得ている。スピード、アーム共に平均レベルだが、球際の強さやIQの高さでカバー。


2(63) ジェイコブ・ミシオロウスキー(Jacob Misiorowski):RHP:右投右打:Crowder College:$2.35M($1.13M)
90マイル中盤の速球とスライダーのコンビネーション。速球は最速で100マイルをマーク。球持ちが長く、スピン量も多いため非常にノビがある。90マイルに迫るスライダーの評価も高い。線が細くデリバリーが安定せず、コントロールも不安定。サードピッチに欠ける点も不安要素。


CBB(72) ロバート・ムーア(Robert Moore):2B:右投両打:5-9/170:Arkansas:$800K($915.3)
KCのGMであるデイトン・ムーアの息子。打撃では小柄なサイズに見合わぬパンチ力を見せる。慎重なアプローチとフルスイングが相まって三振が多く、アベレージが伸び悩む原因に。エネルギッシュなプレースタイルで球場を沸かせるスター性を持つ。今年は絶不調で評価を落とした。


3(102) ディラン・オレイ(Dylan O'Rae):SS:右投左打:5-9/160:Northern Collegiate:$597.5K($600.7K)
野手の間を狙って打球を飛ばせるギャップヒッター。どのゾーンのボールにも上手く対応し、ヒットゾーンにボールを運ぶことができる。ハードヒットをコンスタントに飛ばせるほどのパワーはない。スピードは平均以上。


4(132) マシュー・ウッド(Matthew Wood):C:右投左打:5-10:190:Penn State:$347.5K($448.4K)
出塁能力の高さとパンチ力のある打撃が魅力。大学時代の成績は優秀だったが、マイナーカンファレンスのためそこまで当てにならないか。守備は平均レベルで転向する必要はないだろう。


5(162) ウィル・ルディ(Will Rudy):RHP:右投右打:6-1/170:Cal Poly Pomona:$150K($334.5K)


6(192) タイラー・ワセナー(Tyler Woessner):RHP:右投右打:6-4/230:Central Arizona College:$100K($259.7K)
90マイル前半の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で97マイルをマーク。ノビのある4シームをゾーン内に果敢に投げ込む。ベストピッチはチェンジアップ。ブレーキがきいているうえに落差もあり、容易に空振りを奪える球種。コントロールも悪くなく、プロ入り後もスターターとして投げられるだろう。


7(222) ベン・メッチンジャー(Ben Metzinger):3B:右投右打:6/195:Louisville:$97.5K($204.5K)
強烈なバットスピードのスイングで長打を量産するスラッガー。ヒッティング自体もそれほど粗くなく、四球も多く選ぶことができる。守備は平均レベルで内野に留まることはできるだろう。


8(252) ネイト・ピーターソン(Nate Peterson):LHP:左投左打:5-10/180:University of Illinois at Chicago:$167.5K($157.5K)
90マイル前半の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で94マイルをマーク。カット気味に動くボールで右打者の内角に果敢に攻め込んでいく。スライダー、チェンジアップ共にストライクを稼げる球種。今年トランスファーで入った大学のシーズン奪三振記録を樹立した。


9(282) タイデン・ホール(Tayden Hall):C:右投左打:6-4/215:State College of Florida Manatee-Sarasota:$157.5K($157.5K)
極端なオープンスタンスからクローズドに構え直す独特なスイングでヒットを量産する。まだ19歳と若いが、ストライクゾーンの理解は非常に深くゾーン外のボールには手を出さない。パワーツールも右肩上がり。守備ではCに留まることは難しく、1B転向が現実的。


総括
 1巡目のエリック・ブラウンJrは大学生SSではトップクラスのタレント。大学ではそれほど長打が多くはありませんでしたが、打球速度は非常に優秀でプロ入り後伸びる可能性は十分あるでしょう。仮に2Bに移ったとしてもプラスを出せる点も魅力。
 野手ではロベルト・ムーアの復活に期待がかかるところですが、ディラン・オレイやタイデン・ホールといった若いがゆえの粗さを感じさせないヒッティングツールを持つ2人に目が行ってしまいます。
 投手ではアップサイドの大きいジェイコブ・ミシオロウスキーが注目株。粗くて使い物にならないのではないかと見ていたアーロン・アシュビーもメジャーで戦力になっているだけに期待がかかります。タイラー・ワセナーやネイト・ピターソン両者ともチェンジアップの冴える好投手。
 低い指名順位ながらも見どころの多い指名ができたのではないでしょうか。





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