【MLBドラフト】2023ドラフトレビューHOU編

上位10人の簡易レポと総括になります。

凡例
ラウンド(全体指名順位) 名前(Name):ポジション:投打:身長/体重:出身校:契約金額(ボーナススロット)
簡易レポ




1(28) ブライス・マシューズ(Brice Matthews):SS:右投右打:6/190:Nebraska:$2.48M($2.88M)

元々はアメフトのクォーターバックだったこともあり、身体能力は高く、IFを所狭しと駆け回る。打撃では前捌きが上手く、どの方向にもラインドライブの打球を飛ばす。タイミングが合わず三振を喫することも多い。


2(61) アロンゾ・トレッドウェル(Alonzo Tredwell):RHP:右投左打:6-8/230:UCLA:$1.5M($1.3M)

90マイル前半の速球とスライダー、カーブ、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で96マイルをマーク。ノビのある4シームを自在にコマンドすることができる。スライダー、チェンジアップのクオリティも高くスターターとしてのブレークが待たれる。


3(99) ジェイク・ブロス(Jake Bloss):RHP:右投右打:6-3/205:Georgetown:$497.5K($678.5K)

90マイル前半の速球とスライダー、カーブ、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で98マイルをマーク。オーバーハンドながらも低いリリースポイントからノビのある4シームでコンスタントに空振りを奪う。スライダー、カーブともにアウトピッチに足る球種。チェンジアップとコマンドの改善が今後の課題。


4(131) キャム・フィッシャー(Cam Fisher):OF:右投左打:6-2/210:UNC Charlotte:$497.5K($497.6K)

極端なアッパースイングでHRを量産する長距離砲。今年は大学が所属するリーグのシーズンHR記録を塗り替える活躍で注目を集めた。欠点は空振りが多すぎること。守備は壊滅的ではないもののプラスに転じることはなさそう。


5(164) チェイス・ジャウォスキー(Chase Jaworsky):SS:右投左打:6-1/170:Rock Canyon HS:$847.5K($360.8K)

打撃では小柄ながらも鋭いスイングでハードヒットを飛ばす。下半身の使い方が堅い点とトップレベルの投手との対戦の少なさが懸念材料。守備ではスペックが足りずSSには留まれないとの声も。


8(194) イーサン・ペコ(Ethan Pecko):RHP:右投右打:6-2/195:Towson:$247.5K($280.7K)

90マイル前半の速球とスライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球は最速で94マイル程度だが、ノビのある4シームで空振りを奪うことができる。横に曲がるタイプのスライダーと縦に落ちるスライダーの2種類をアウトピッチとして使う。チェンジアップは落差がなくプロレベルで使うには怖い球種。コントロールに難有り。


7(224) ジョーイ・ディクソン(Joey Dixon):RHP:右投右打:6-2/204:Stanford:$218.8K($221.3K)


8(254) ライアン・ジョンソン(Ryan Johnson):C:右投右打:6/175:Pepperdine:$97.5K($186.5K)

今年はアプローチを見直して打撃で進歩を見せた。細身ながらもパワフルなスイングを見せる。Cの他にもIFを複数ポジションこなす。


9(284) ジェロン・ウィリアムズ(Jeron Williams):SS:右投右打:6-1/180:Toledo:$147.5K(172.5K)

広角にハードヒットを飛ばすパワフルな打撃が魅力。悪球打ちな面があり、プロでは打率が伸び悩んでいる。SSではプラスのスピードを活かし、広いレンジをカバーする。


12(314) オースティン・デミング(Austin Deming):3B:右投右打:6/200:Brigham Young:$7.5K(164.4K)



総括

 昨年に引き続き打撃が優秀な大学生野手の1巡目指名となりました。希少なパワフルなMIFの大学生をこの順位で指名できたのは御の字でしょう。ブライス・マシューズがSSに留まれるかは微妙なところですが、逆に複数ポジションを守れるスーパーユーティリティーになれると考えるべきでしょう。
 以降の野手指名もパワーツールに秀でるタレントを複数指名。指名方針としてはやはり強い打球を飛ばせることにありそうです。上位10人の中で唯一の高校生となったチェイス・ジャウォスキーに大金をはたきましたが、個人的にはどうしても下半身の固さが気になり戦力となるには時間がかかるのではないかと思います。
 投手は故障で登板が少なかったアロンゾ・トレッドウェルに注目。故障なくフルシーズンを投げれていれば1巡目で消えていてもおかしくはなかった逸材で、完治後の投球が楽しみです。

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