【計画支出、45度分析、ケインジアンの交差図】マクロ経済学part4
経済学にはどんなイメージをお持ちですか。ひとつのイメージとしてグラフを使うという点があると思います。この文を最後まで読むと、そのイメージを具体的に体感出来ると思います。
どうもこんにちは! こちらの続きです!
前回までのあらすじ
マクロ経済学はグラフを動かして、GDP(財・サービスの総量)を上げることを目標にする。
分配=生産=支出の関係を三面等価の原則という
財市場についての総需要と実際のGDPが均衡する関係式は$${Y=C+I+G}$$である。
均衡条件をグラフで表す
縦軸と横軸
グラフを使うときは軸が何を表しているのかに気を付けなければなりません。前回までのグラフは、縦軸が総需要、横軸がGDP$${(Y)}$$としました。
それに対して、均衡条件は$${Y=C+I+G}$$でした。
左辺の$${Y}$$について、そして等式をグラフで表現するにはどのようにすればよいでしょうか。
答えは連立方程式の交点を用います。
総需要の別の名称(計画支出)
と、その前に確認をしたいことがあります。それは総需要の名称についてです。経済学の教科書によっては縦軸を総需要とは言わないことが多々あります。たとえば計画支出とか(マンキューならたぶんこれ)。また、その文字についても多々あります。
以下の箇条書についてはほぼ意味が同じなので、「この人が言ってることと、私の教科書が言ってることが違うぞ」と思った人もご安心を。
総需要
計画支出
$${Y^d}$$
$${Y_d}$$
$${D}$$
dというのは需要($${demand}$$)の頭文字です。これからは表記のしやすい$${Y_d}$$と表記します。なので、縦軸は総需要ではなく$${Y_d}$$ではなくとします。
注意してほしいのですが、$${Y_d}$$と$${Y}$$は別物です。私も初めは混乱しました。$${Y_d}$$は財に対する需要量であり、$${Y}$$は実際の財に対する生産量です。欲しい量と、作られた量です。
連立方程式
連立方程式を立てるには$${Y_d}$$と$${Y}$$関係式が2つ必要です。
1つは総需要は消費・投資・政府支出の合計
2つは総需要はGDPと等しい時に均衡する
これら2つの関係を式にしてみましょう
$${Y_d=cY+C_0+I+G}$$
$${Y_d=Y}$$
このようになります。前節の注意点でも言いましたが、やはり初めて勉強すると2つ目の式をどうしても受け入れにくく感じます。($${Y_d=cY+C_0+I+G}$$を需要曲線と見立てて、供給曲線と考えると納得いくかも)ですが、この2つの式を代入すると
$${Y=cY+C_0+I+G}$$
となり前回作った、均衡条件($${Y=C+I+G}$$)を説明することができます。均衡条件の式を$${Y_d}$$を使って説明すると、先程の2つの式に分けられるということですね。高校数学に詳しい方は定数分離法を使っていると説明すると納得するでしょうか。
まあ、とにかく$${Y_d=Y}$$という式は連立方程式を組み立てるのに必要な式というわけです。
連立方程式をそれっぽい形にすると以下のようになります。ではさっそくグラフにしてみましょう。
$${\left\{ \begin{aligned} & Y_d=cY+C_0+I+G \\ & Y_d=Y \end{aligned} \right. }$$
グラフにしてみた、45度線分析、ケインジアンの交差図
この2つのグラフを1つにまとめると
表現できました!!!これで総需要と実際のGDPが一致する点を見つけることができました。
一つのグラフの傾きが45度なので45度線分析と呼ばれます。また、この交差図はケインジアンの交差図とも呼ばれます。
わかること、均衡とは
このグラフから分かることは、均衡するGDPを求めることができるということです。グラフの交点が理想的なGDPということです。
その点を均衡GDPといいます。$${Y^*}$$と表記されがちなので私もそうします。
交点より左側に実際のGDPが生産されると、需要が供給を上回っていますね。逆に交点より右側に実際のGDPが生産されると、需要が供給を下回っています。
ここでの均衡は、必ずしも「この年のGDPはこんぐらいだ!」という話ではなく、「この年のGDPは国民が満足できているな」という意味です。
ようは均衡というものは満足している状況なのです。なので毎年のGDPについて、交点にGDPがくるというわけではありません。
もしもグラフが動いたら。。。
次回のネタバレになりますが、もしも傾きが緩いほう($${Y_d=cY+C_0+I+G}$$)が上に動いたら、均衡点すなわち国民の満足具合はどうなるでしょう。
おっと、満足いくGDPが増えましたね。
まとめ
$${\left\{ \begin{aligned} & Y_d=cY+C_0+I+G \\ & Y_d=Y \end{aligned} \right. }$$という式で均衡するGDPは求められる。
均衡とは満足するということ
次回はこちらから!
最後まで見ていただきありがとうございました!!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?