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需要の価格弾力性を簡単に計算しよう!

 経済学を勉強すると、弾力性という言葉を目にします。これの計算がとてもややこしいので解説しようと思います。需要の価格弾力性についてはこちらで解説しています!


計算方法について

 需要の価格弾力性は$${\dfrac{需要の変化率}{価格の変化率}}$$で求まります。もっと難しくしたら、
$${基準の価格\,p_{0},\,変化後の価格 p_{1}\\需要関数\,Dとすると \\\,\\\dfrac{\dfrac{D_{1}-D_{0}}{D_{0}}}{\dfrac{p_{1}-p_{0}}{p_{0}}} }$$となります。

他には、
$${\dfrac{D_{1}-D_{0}}{p_{1}-p_{0}}・\dfrac{p_{0}}{D_{0}}}$$とも書かれます。

 これって順番とか、どっちが分母だみたいに悩みますよね。

 そして、これが1より大きかったら価格の弾力性が高く、これが1よりも小さかったら価格の弾力性が低いことになります。

 これはよく丸暗記をして乗り越えられがちですけど、今から書くことを使えば、めっちゃ楽に覚えられます。

楽な覚え方

 $${\dfrac{\dfrac{D_{1}-D_{0}}{D_{0}}}{\dfrac{p_{1}-p_{0}}{p_{0}}} }$$なんて丸暗記する必要はないと私は考えます。ポイントは移項変化率の2つを理解することです。

移項では、需要変化率と価格変化率ではどっちが分母、分子に来るかを押えます。
変化率では変化率の分数について押さえます。

移項とは

 前述したように、需要の価格弾力性が高い事は1より大きいことなので、次の式のようになります。

$${\dfrac{需要の変化率}{価格の変化率}>1}$$

 これを移項すると

$${需要の変化率>価格の変化率}$$

となります。

 では逆に、弾力性が低い事は次のようになります。

$${\dfrac{需要の変化率}{価格の変化率}<1}$$

 これを移項すると

$${需要の変化率<価格の変化率}$$

となります。

 つまり需要の価格弾力性は、需要の変化率と価格の変化率がどちらが大きいか比べてるって言うことになります。1より大きいか小さいかが大事だからですね。
 これを厳密にいうと、価格の変化に応じた需要の変化具合というのです。

 なので、$${\dfrac{需要の変化率}{価格の変化率}}$$

を覚えるよりも需要の変化率と価格の変化率 の不等号を調べるイメージを持って、価格の方が分母にくるんだと覚える方が簡単だと思います!!。

変化率とは

上記の説明で、変化だけで見るなら、引き算 $${p_{1}-p_{0}}$$ だけでよいのでは?と考えた方こそ見てください!まずは価格の変化率を見ていきます。

 価格の変化率は、価格がどれだけ変化したかを示す割合です。つまり、価格の変化量を、元の価格で割ったものが価格の変化率になります。

 例えば、価格が100円から120円に上がった場合を考えてみましょう。この場合、価格の変化量は20円です。そして、価格が上がった割合を求めるために、この20円を元の価格100円で割ります。

 20円 ÷ 100円 = 0.2

 つまり、価格が20%上がったことを意味します。このように、価格の変化率は、価格の変化量を元の価格で割ることによって求めることができます。

 変化率は120 - 100 での引き算(変化量)だけでは無く、元の100で割ってあげることで変化率を求めてあげるのです。

 このことを意識すると、$${\dfrac{p_{1}-p_{0}}{p_{0}}}$$や$${\dfrac{D_{1}-D_{0}}{D_{0}}}$$などの順がわかりやすいと思います。

 どちらも$${\dfrac{変化量(引き算)}{もとの量}}$$ですね。

 弾力性は変化具合を比べているので、単に変化量$${\dfrac{p_{1}-p_{0}}{D_{1}-D_{0}}}$$で計算するのとは違うのです。

まとめ

 ここまでいけば、弾力性といわれたら

  • 価格と需要の不等号 ($${<,>}$$)

  • 変化率は引き算じゃない (‪✕‬ $$ {p_{1}-p_{0}}$$)

という2点を押さえれば簡単に解けるんです!

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