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チャレンジして知ること

チャレンジしなけりゃ失敗もしない。
失敗するから成長する。つまり成長には失敗がつきもので、失敗にはチャレンジが必要だから、結局、失敗もただの失敗ではなく、、、
自分で言ってても、わけがわからなくなってきた。
「チャレンジ無くして成長あらずだよね」という話は色々な場面で聞く話。
もう何万回も聞いたこの言葉だけど、改めて確かにそうだよなって思う。
失敗ってさ、するからわかる事って多いんだよね。
で、それを改善したりして、はじめて次のステップへいける。つまり成長。
失敗しないってのは、ずっと平行線を辿ってるともいえるよね。
それから成長、成長って言うけど、その基準も人それぞれだよな。
大人、こども、目指すものでも違うし、求めるレベルにもよる。
その人のその人における成長でいいんだよな。

だから、おじさんだって、チャレンジすれば、
まだまだ成長できるはず。

だけど、今回はおじさんの話ではない。
小学二年生の、ちょっとしたチャレンジの話。

チャレンジしたその先に、彼は何を見たのか。
ちょっと気になるって人は、少しだけお付き合いを。

——


とある日の午後。

家で仕事をしている俺のスマホが鳴りだした。

息子の友達のパパさんからだった。

「●●くんが、学校帰りに落とし物を拾ったそうなんですけどね、
それを交番に届けるって言って1人で行っちゃったらしいんですよ」

ん?
なるほど。

なかなかな冒険野郎だな。

そのパパさん以外にも、
「●●くんが一人で交番に行った情報」は寄せられてくる。

みんな、学校からの帰りを待っているであろう
俺を心配して送ってきてくれる。

なんともありがたい地域連携プレー。

ちなみにですね、我が家から交番までは、
約350メートル。大人があるけば4、5分の距離。
道もひたすら真っ直ぐという、
途中、信号が一箇所出てくるが、まぁそこまで難しくない道
しかも駅前なので、息子も今まで何回も通っている道。


電話をくれたパパさんにありがとう!と伝え、
俺は少し悩んだ。

●このまま家でまつ
●交番に様子見に行く

この二択。

仕事中の俺は5分後にミーティングを控えていた。

そして交番くらいなら、行けんじゃね?みたいな気持ちもあった。
いやむしろ一人で行ってきてみろ、と。

それでも俺が選択したのは、
●交番に様子見に行く

なぜか。
今回は距離の問題ではなく、雲行きの問題。

今にも、やばめな雨が降りそうなアルマゲドン的な雲行き。
いくらなんでも、これはヤバいな。
そう思い、打ち合わせを少し遅らせてもらい(感謝)、
俺は冒険野郎が待つであろう交番へ向かった。



交番へは、あっと言う間に到着した。

入り口のカウンターに見慣れたランドセル。
カウンターから出てきたお巡りさんと、何やら話しているのが聞こえる。

息子「そう、●●公園です」

お巡りさん「そうか、●●公園か。君の名前は?」

息子「●●」

お巡りさん「●●くんだね、住所わかる?」

息子「わかりません」

お巡りさん「そっか。じゃお父さんかお母さんの電話番号は?」

息子「しりません」

お巡りさん「なるほど。そうか〜」

なにやら、困らせてる様子。
そろそろ、登場しないとまずいか。

「おい!何やってんの」

息子「あ!パパ」

お巡りさん「あ〜お父さんですか?」

「はい、なんかすいませんねぇ」

お巡りさん「いやいや!今ちょうど連絡先をどうしようかと」

「そうですよね、すみません」


対応してくれたお巡りさんは、
本当にやさしくて丁寧だった。

お巡りさんって、こんなだったっけ。。

で、形式上、期限までに落とし主が現れなければ自分のものになる
ということを息子に説明している。
で、そのためには住所・電話番号が必要だと。

お巡りさん「どうする?」

息子「ん〜いや。いいです。」

「え、いいの?」

息子「うん、いいや、届けようと思っただけだし」

お巡りさん「いやぁでも偉いぞ。しかも一人でこれるなんて凄いぞ。」

確かに。まぁ小2なら普通に来ちゃう子もいるんだろうけど。
とはいえ俺もその行動力は褒めたいポイント。

お巡りさん「じゃ、今日はこれで大丈夫ですよ」

「あ、そうですか。ありがとうございます」

お巡りさん「いやぁ、良い事したな!」

そう声をかけられ、交番をあとにした。

次の瞬間、アルマゲドンが発動し、
信じられないくらいの濡れっぷり。

二人でビチョビチョになりながら帰宅したのだった。




俺はその後、すぐに仕事に戻り、
1日のスケジュールが終わったあと、
ゆっくり息子と話す。

「おまえ、すげーな」

息子「そう?」

「いやぁ落し物届けるってもの凄いけど、
1人で行けたのも凄いし、1人でお巡りさんと普通に話してたじゃん」

息子「まぁね」

まぁね。

ほう、調子乗ってるな。完全に。
調子というボードの上で腰をフリフリしておる。

「ただね、ダメだったポイントがあるわ。反省ポイント」

息子「え!まじか」

「とにかく、学校帰りにそのまま行っちゃったのがマズかったね」

息子「えーそうなの?」

「そうだよ!お前が1人で行っちゃったってみんな心配してたんだよ。」

息子「そうかぁ。パパも?」

「お?あ、う、あーもちんだよ。もちろん」

息子「あやしい」

「は!あやしくないよ!」

息子「じゃ、どうすればよかった?」

「そうだね、とにかく一回、家に帰ってくることだね。
 落し物拾った時だけじゃなくね。どんな事があっても一回、家に帰る」

息子「はぁ」

「で、パパに報告してから、行くならいけばいいよ。
1人で行くのがダメって言ってるんじゃないよ。
一回、パパに教えてほしい」

息子「そうすれば心配しないってこと?」

「そう。だって今回もみんなが教えてくれたからよかったけど、
 知らなかったらさ、なんでこんなに帰りが遅いんだろうって心配するだろ?」

息子「そうか、、そうだね」

「だろ?だから、次からは、ちゃんと一回、家に帰ってくるんだ」

息子「わかった」



あったりまえの事かもしれないけど、
まっずぐ家に帰る、という事の意味や大事さを
この件で身をもって知る事ができた。

それは、1人で交番行っちゃう、という彼なりのチャレンジの結果が
生み出した経験からの学び。

まわりはそりゃ心配した(実は俺が心配なのは雨だけだった)けど、
まぁ良い経験だったよな、と思う。

今回の件、息子の行動は失敗ではない。

でも大成功かといえば、そうでもない。

だからこそ、わかる事もある。
そしてそれを次にいかす。

おお、まさしく成長。

小さな成長を積み重ね、
大きな成長に繋げていってほしい。

そう願いながら、
やみかけの雨をながめる夕方だった。






あ、落し物ですが、何だったかというと、





「鬼滅の刃   キーホルダー(竈門禰豆子ver)」



同じ鬼滅ファンとしては、
見過ごすわけにいかねぇよな!



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