#21 W杯が教えてくれたこと
上手くいかない時期というのはあります。
何をやっても上手くいかない時期。
そんな時はどうするか。
違う手を打つか、それとも開き直ってしまうのか。
そんな時は我慢です。
今はそういう時。と割り切って、
とにかく今より酷くならないように我慢する。
我慢して、我慢して、
ただ目の前のことを愚直にこなし続け、
来たる時を待つ。信じる。
ダメな時ばかりが永遠に続くなんてありえないんだから。
そう言い聞かせて。ポジティブに。
やがてやってくる「自分のターン」を待つのです。
これは、人生の話のようですが、
W杯カタール大会ドイツ戦の話でもあります。
前半、あれほどに上手くいかない時間が続き、
失点までしてしまった日本。
それでも我慢して、我慢して、後半へとこぎつけました。
そして後半、日本にどんな時間が待っていたか。
それはみなさんご承知の通りです。
(2-1の逆転勝ち)
上手くいかない時、どうしたらいいのか。
こうしたらいいんじゃないの?ということを教えてくれた試合でした。
最高の結果を得た日本。
それでも、いい時期は続かず、
コスタリカに負けて予選突破に黄色信号が灯りました。
ドイツ戦、あんなに我慢して我慢して得た勝ち点が霞んでしまうような敗戦。
人生にも似たようなことありますよね。
すごい絶好調!とおもった矢先に起きるバッドな事象。
「なんだよ〜」と今までの好調も無かった話のように感じる、
感情のコントラスト。
それでもサムライブルーはポジティブにいることの大切さを教えてくれました。
そして、次のスペイン戦。
ドイツ戦のデジャヴかと思うような試合展開で、
彼らはまたしても我慢して我慢して、最後は三笘の諦めない気持ちが
勝利を呼び込みました。
全くもってジェットコースターのようなグループリーグ。
まさかの1位通過に日本列島は総じてビックリ(いい意味で)していたんですが、当事者たちは思いのほか冷静に見えました。
なぜか。
彼らの目標はあくまでもベスト8だからです。
と、いうか我々の目標もベスト8だったはずなのです。
なのに、グループリーグの組合せが判明した時点で、「突破は無理」と思い込んでしまった我々は、グループリーグを突破したことで
当初の目標をすっかり忘れ、「快挙!」と騒ぎ立ててしまったわけです。
でも監督・選手たちだけはブレていなかった。
どんな状況におかれても目標はブレない。
こんな単純で、でも相当難しい事が、一番大事なのだと、
またしても教えてくれました。
そんな彼らの、我々の最大の目標に挑んだノックアウトステージ。
クロアチアはこれまでのドイツやスペインとは違い、
相当研究してきたな、という感じでした。
ここで、今までにはないストーリーがまっていました。
日本が先制したのです。
上手くいかなくても我慢、というストーリーを経験してきた私たちには
未知の世界。
上手くいってしまった場合の過ごし方。
これもまた難しいのだな、と。
結果的には、もっと、もっとと攻め立てて一気に試合を決めてしまえば、
PKまで行かなかったのかもしれないし、
もっと、もっとと攻め立てたら、逆にやられていたのかもしれない。
スポーツにはタラレバはありません。
人生も同じです。
だからこそ、一瞬一瞬にかける儚さがある。
勇敢に我慢強く、そして情熱的に闘ったサムライブルーでしたが
結果はベスト16敗退。
選手たちは「感動をありがとう」で済ませたくはない、と思っているはずです。
悔しい時は素直に悔しいと思えばいいし、
こんなに悔しいのは、そこまで思える闘いであったという証拠。
今は存分に悔しがりましょう。心底悔しがれる事を喜びましょう。
ちくしょーーー!!!!!と。
こんなにも頑張っても届かないベスト8。
夢は想えばかなう、わけではない。
どんなに頑張っても、報われない努力はある。
今度こそ行ける、という流れがあったとしても、
それでも乗り越えられない壁が、実際にはある。
そして、この悔しさを取り返すためには、
また4年待たなければならない。
今大事なのは、4年後をイメージしながらも、
日常を大事にする事。
一日一日を大事に進む。
その先に、もう一度チャレンジするチャンスが待っている。
W杯。それはサッカーであって、サッカーにあらず。
これはもう私たちの人生のストーリー。
前半、後半、1試合目、2試合目、3試合目。
ノックアウトステージ、そしてPK。
やはりスポーツは奥が深い。
教えてくれるものが多いのがスポーツなのだ。