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【スポGOMIアーカイブスVol.5】 国外初開催の地、ロシア!第1章(2016年6月)

記念すべき国外初開催のきっかけとは

 おかげ様で日本以外でもスポGOMIを数カ国で展開していますが、今回は海外での最初の大会についレポートしたいと思います。

 スポGOMI初の国外開催の国は、なんとロシア!しかもトムスク州トムスク市というシベリアのド真ん中の地でした。ロシア人でもなかなか訪れる事のない街のひとつ。1830年ごろ金の発掘で人口が急激に増え、一時期はシベリア最大の都市となったものの、シベリア鉄道建設の際、湿地帯という土壌の問題で幹線から外れてしまい東西の交通の利を得ることが出来なかった街です。そして後に、ノヴォシビルスクなどシベリア鉄道沿線の街にシベリア最大の都市の座を明け渡してしまいました。

そのためトムスクの街は栄えていた100年以上前の姿をそのままを残している建物が多く、中でも白樺の木を使った木造建築には見惚れるほど細かで美しい彫刻がほどこされていて、それらを眺めながら散策するだけでも十分楽しめる魅力的な場所。しかし観光客はほとんど訪れず住んでいる日本人は2人、そんな場所でした。

木造建築01

 また、第二次世界大戦の頃からロシアには軍事研究所などが集められた「閉鎖都市」という、地図にも記載されず暗号で呼ばれる都市がいくつかあり、トムスクもそのひとつだったそうです。その様な背景から今では「研究と学問の町」とも呼ばれ住民の5分の1が学生で、100年以上前の建物や住居に若い学生たちが暮らすという何とも不思議な光景が見れます。6月~8月上旬までの温かい季節は30℃近くまで気温の上がる日もありますが、真冬はマイナス20℃まで下がります。気温差ナント50℃!

木造建築02

 そんなトムスク州の州知事が環境をテーマとした会議に出席するために来日したことがきっかけでした。当時の東京都知事との会談後の食事の席で、トムスク州知事から日本のボランティアについて質問があった際に「日本にはゴミ拾いをスポーツにして活動している団体があるんです。」との紹介を受け、州知事が「おもしろい!」と思って下さったのが始まりです。

トムスク州知事からの招待レター

 その後、州知事はロシアへ戻り関係各所に根回しをして下さり、約半年後に州知事からスポGOMI開催の決定と招待のレターが届きました。後から州政府のスタッフに聞いたのですが、よく分からない私みたいな人間を州政府として招待するなど過去にあまり例の無いことだったようで前代未聞だったとか。州知事に心から感謝です。

トムスク州政府の方々と

 トムスク州の州知事がスポGOMIに興味を持って下さった理由のひとつは、翌年に「ロシア全土で環境を考える1年」が計画されていたから。それに先駆けユニークな活動を仕掛け、ロシア全土に向けトムスク州をPRしようという想いもあったようです。その為、大会当日にはロシア全土のメディアに囲まれインタビューを受け、とても驚いたのを覚えています。

開催へ向けはじまった打合せ

 以降、トムスクでの開催に向け打合せが始まりました。基本、メールでのやり取りが中心でしたが一度だけ面会しての打合せがセッティングされました。打ち合わせの場所は新宿のおでん屋。この打合せをアレンジしてくれた方のチョイスでした。指定の場所へ伺い、店員にテーブルへ案内してもらうと、50過ぎくらいの男性がすでに座っていました。黒いスーツに黒いシャツ、赤いネクタイに銀髪オールバック。薄色のサングラスからのぞく眉間しわが怖さを増しています。

「これがロシア…。今後この人が窓口か…大丈夫か、俺。」

しかしこの方、実は州政府環境局の局長というとてもエラい方だったんです。しかもとても真面目で熱い方でした。話が盛り上がり最後はがっちり握手。大会の成功を互いに誓いその日の打合せを終了しました。

それから幾度かメールでの打合せを重ね、約半年後の2016年6月6日、私たちはロシアでの初開催に向け出発したのです。     

《第2章に続く》

スポGOMI運営団体 : 一般社団法人ソーシャルスポーツイニシアチブ

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