第88話・2009年 『日韓代表定期戦始まる』
日本にハンドボールが伝来して100年になるのを記念した1話1年、連続100日間にわたってお送りする企画も終盤です。21世紀に入っての20年間は“あすの課題”でもあります。大会の足跡やチームの栄光ストーリーは少なくなります。ご了承ください。取材と執筆は本誌編集部。
(文中敬称略。国名、機関・組織名、チーム名、会場名などは当時)
バックナンバーはこちらから→マガジン「ハンドボール伝来100年」
日本ハンドボール界の願いをかけた「東京オリンピック2016」がなるか。ほかの3都市と選出を争う第121次国際オリンピック委員会(IOC)総会が10月21日コペンハーゲン(デンマーク)で開かれた。
東京は1回目の投票でシカゴ(アメリカ)を上回り2回目へ進んだが、リオデジャネイロ(リオ。ブラジル)、マドリード(スペイン)に及ばず、開催都市はリオが決選投票でマドリードを66-32と引き離し、南アメリカに初めてオリンピックを迎える。
東京都が次の「2020年」に立候補するかはこの時点ではわからず、「1964年」に削除の苦汁をのんだハンドボール関係者の落胆は大きかった。“再挑戦”が東京都知事の表明によって明らかになるのは12月の東京都議会だ。
代表チームは女子が12月、第19回世界選手権(中国・常州)で16位(参加24ヵ国)。「東京オリンピック」が遠のいたことで頂点強化(男女)対策は「プロジェクト21」(第81話参照)の掲げた目標をさらに10年後に期待される「東京オリンピック2020」へ向けて据え直し、新たな方針を打ち出すとした。
「北京オリンピック再予選」を契機として日本、韓国両協会の連携が強まり、代表チームによる「定期戦」が前年の準備大会を経て5月、スタートする。第1回は川崎とどろきアリーナ(神奈川)を会場に日本は女子が32-27で快勝、男子は27-36で敗れた。第2回以降は日韓交互で毎年開催と決まった。
IOCによる新イベント、14~18歳による「ユース・オリンピックゲームズ(夏季大会)」につながる「第1回アジア・ユースゲームズ」がシンガポールで開かれたが、ハンドボールは行なわれず、本大会へアジア・ハンドボール連盟(AHF)に男子代表1ヵ国の推薦が委ねられ韓国に決まる。シンガポールは急きょ国際ハンドボール連盟(IHF)に加盟した。
7月、ベオグラード(セルビア)での第25回夏季ユニバーシアードは当初ハンドボール(男女)が初めて加えられる計画で進んでいたが、同国の金融危機で規模縮小となり、ハンドボールなど6競技が実施を見送られた。
第89回は10月20日公開です。