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第84話・2005年 『女子学生界の歴史、分岐点に』

日本にハンドボールが伝来して100年になるのを記念した1話1年、連続100日間にわたってお送りする企画も終盤です。21世紀に入っての20年間は“あすの課題”でもあります。大会の足跡やチームの栄光ストーリーは少なくなります。ご了承ください。取材と執筆は本誌編集部。
(文中敬称略。国名、機関・組織名、チーム名、会場名などは当時)

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年明けに、日本男子代表が4大会ぶりに挑む第19回世界男子選手権がチュニジアで行なわれた。

ベスト8進出を目標に掲げての戦いだったが、予選リーグC組でスペインに22-41、クロアチアに25-34、アルゼンチンに27-25、スウェーデンに18-32、オーストラリアに29-19と、2勝をマークしたものの本場ヨーロッパ勢には通じず。C組4位で2次リーグには進めず、IHF規定で16位に終わった。新進メンバ―と1997年の熊本を経験したベテランをミックスさせての布陣だったが、8年間の空白が重くのしかかった。

5月20日、日本女子代表の新監督にベルト・バウワー氏(オランダ)が就任。日本女子初となる外国人監督のもと、新たな強化路線を進んでいくことになった。

11月、国内ではその後の女子トップゾーンの流れを変えるきっかけとなる、歴史的な出来事があった。

神奈川での第41回全日本学生選手権(全日本インカレ)女子で、関東勢を制し、武庫川女子大学(兵庫)と大阪教育大学(大阪)が決勝に進出したのだ。関西勢同士の決勝対決は史上初。

過去40回、日本体育大学(東京)、東京女子体育大学(東京)、筑波大学(茨城)の関東3大学がタイトルを独占してきた全日本学生選手権女子の歴史が塗り替えられたばかりでなく、日本リーグなどで関西学生界出身選手の活躍もめだつようになる。

初優勝を争う関西対決を制したのは武庫川女子大学(24-21大阪教育大学)。全日本学生選手権女子の優勝旗が初めて箱根の山を越え、関西へともたらされた。

武庫川女子大学は1969年創部。1975年の秋季リーグから81年の秋季リーグにかけての13連覇(75年秋季から82年春季にかけては81連勝)を記録するなど関西をリードし、全日本学生選手権でも81年、85年、95年と3度決勝に進出。厚い壁にはね返されても諦めず、打倒・関東勢を果たしての日本一という紡ぎ続けてきた執念を実らせた。

女子学生界の歴史に風穴を開けた武庫川女子大学に大阪教育大学(2010年初優勝)、大阪体育大学(2011年初優勝)が続き、2010年からは関西勢の優勝が続いている。

第85回は10月16日公開です。


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