北京五輪を楽しく見る!一足早い注目ポイント紹介【①カーリング編】
東京五輪の感動と興奮もまだ冷めやらぬ中ですが、実は北京五輪の開幕が2月4日に迫っています。
スキーやスケートなどウインタースポーツ全15種目が、20日までの15日間にわたって開催されます。また、それに向けて日本代表選出のための選手権大会などもこれから続々と行われます。
例えばフィギュアスケートは、五輪以外でも毎年頻繁に大会が開催され、テレビ中継もあるのでどんな選手がいるのか、を知っている人も多いでしょう。ですがそれ以外の競技はあまりなじみのない方も多いのでは。
そこで、五輪開催前にチェックしておきたい、競技のルールや注目ポイントを紹介します。今回は「カーリング編」です。
五輪前にいち早く知っておけば五輪も、そして代表決定戦も楽しめること間違いなし!
カーリングの種目とルールは?
■男女チームと混合ダブルスの3種目
平昌五輪での銅メダルで一躍人気になったカーリング。
それ以前にも映画「シムソンズ」やチーム青森など、注目を集めたこともありましたが、何といっても流行語にも選ばれた「そだねー」や「もぐもぐタイム」など、平昌五輪の女子代表だったロコ・ソラーレのメンバーの存在が大きかったでしょう。
彼女たちの等身大の姿が、世間の人たちに親しみを持って受け止められました。あれでカーリングに興味を持った方も多いのではと思います。
カーリングには4人のチーム制で行われるものと、男女2人による混合ダブルスがあります。それぞれで若干ルールが異なりますが、ここではまず先にチーム制の方をご紹介します。
〜チーム制〜
■「1エンド4×2投」を計10エンド
ルールはシンプルで、約40メートル先に描かれたハウスと呼ばれる円の中に、ストーンを投げ入れて点数を競います。
4人が2回ずつ計8回、対戦チームと交互にストーンを投げ、最後にハウスの中心に1番近いストーンがあるチームに、まず1点が与えられる仕組み。
さらに、相手チームのストーンで中心に一番近いもの、の内側にさらにストーンがあればそれも得点として加えられます。
ストーンは、もちろん中心に近いところに置くために投げますが、相手のストーンをはじき出したり、相手が投げたいコース上を塞ぐために置くこともあります。この様にカーリングは駆け引きが中心の競技であるため、別名「氷上のチェス」と呼ばれています。
またストーンは投げておしまい、でなく、ブラシを使って氷を掃くことでコースやスピードを変えることができます。いわば微調整、ですね。
当然ブラシの強弱によって変わってくるので、スキップと呼ばれる、ハウスから指示を送る人などが大声で指示します。
4人が2回ずつ8回投げるたびに得点がカウントされますが、これの区切りをエンドと呼びます。これを10エンド行い、この合計得点で競われます。10エンドで同点の場合はエキストラエンド(延長戦)に突入します。
ちなみに先攻・後攻は、前のエンドで得点した方が先攻に回ります(両チーム無得点のブランクエンドの場合はそのまま)。
なので接戦の場合は、例えば最後の第10エンドに入る前のエンドではわざと負けて、有利な後攻に回るという駆け引きもあります。
■最後を締める「スキップ」
なお、ストーンを投げる順番は決まっていて、リード、セカンド、サード、スキップが2回ずつ投げます。最後に投げるスキップがいわば司令塔。試合中はハウスからどこに投げるか指示をして、最後は自ら投げます。
当然競った場面になるので正確なコントロールが求められますし、試合を左右する重要な場面で投げる、非常に重要な役です。野球でいえば9回に登板する抑えの切り札、でしょうか。
持ち時間は各チーム38分。折り返し地点の5エンド終了時に5分間の休憩があり、ここで選手やコーチたちが、ときには軽食を取りながら作戦会議を開きます(いわゆる「もぐもぐタイム」もここです)。
体もさることながら頭も使う競技なので、基本的にお菓子など糖分を補給することが多いようです。平昌五輪でロコ・ソラーレのメンバーが食べていたのも地元の銘菓「赤いサイロ」でした。
また、試合中に一度だけ時計を止めて、コーチと話し合うことができます。試合時間の目安は2時間半です。
〜混合ダブルス〜
■混合ダブルスはここが違う
そして混合ダブルスは、以下が異なります。
・ストーンを投げるのは1エンドで5回。
・投げるのは交互ではなく、1、5投目と2~4投目(エンドごとに交代可能)
・両チームが、エンドの前にあらかじめセンターライン上にストーンを置いた状態からスタート
・得点できなかったチームは、次のエンドの先攻・後攻を選べる。
・両チーム無得点のブランクエンドの場合は、先攻だったチームが次のエンドの先攻・後攻を選べる。
・一試合に一回、パワープレーを利用可。なおパワープレーとは、最初に置くストーンの位置を中心からずらせるというものです。これにより中心が空くので多くのストーンを置きやすい=大量得点が生まれやすくなります。
野球に詳しい方ならタイブレークに近いといえばわかりやすいかと思います。
なお混合ダブルスの違いについては下記のサイトが参考になりますので、ぜひご覧ください。
日本代表が決まるのは?
北京五輪においてカーリングは男子、女子両チーム、そして混合ダブルスの3つで行われます。
野球やサッカーなどチームスポーツは、各チームから選ばれた選手によって代表チームが構成されますが、カーリングのチームは、特定のチームがそのまま代表になる仕組みです。
そして実はカーリングの北京五輪日本代表は、既に決定しています。
男子は北海道コンサドーレ札幌、そして女子は9月に行われた日本代表決定戦で北海道フォルティウスを下したロコ・ソラーレが、二大会連続で五輪日本代表の座をつかみました。
また混合ダブルスの代表は同じく9月の日本代表決定戦で優勝した、松村千秋選手(中部電力)と谷田康真選手(北海道コンサドーレ札幌)のペアに決定しています。
ただこれで北京五輪出場が決定したわけではなく、12月にオランダ・レーワルデンで行われる五輪最終予選があります。
混合ダブルスの予選は12月5~9日に行われ14チーム中2位以内、男女の予選は11~18日に行われ、9チーム中3位以内に入る必要があります。
五輪に出場する選手は?
北海道コンサドーレ札幌から構成される男子は阿部晋也、谷田康真、清水徹郎、松村雄太、相田晃輔の各選手(並びはリード、セカンド、サード、スキップ、リザーブの順。以下同)。
ロコ・ソラーレから構成される女子は吉田夕梨花、鈴木夕湖、吉田知那美、藤澤五月、石崎琴美の各選手です。ちなみにロコ・ソラーレはリザーブの石崎選手以外は平昌五輪と同じメンバーなので、見覚えのある選手も多いのではと思います。
ダブルスは既出の通り松村千秋選手(中部電力)と谷田康真選手(北海道コンサドーレ札幌)です。
男子代表の注目選手は、スキップの松村雄太選手。というのもダブルスで出場する松村千秋選手のお兄さんで、しかも奥さんはロコ・ソラーレの吉田夕梨花、吉田知那美選手のお姉さんと、今回の代表メンバーのいわばパイプ役のような存在です。
ちなみに松村雄太選手は吉田夕梨花選手とダブルスを組んで代表決定戦に挑みましたが、妹に敗れています。
女子代表の注目選手は、各選手というよりはロコ・ソラーレそのものと言っていいでしょう。
平昌五輪のメンバーそのままですし、「そだねー」をはじめとした、日常生活が垣間見られるような試合中の会話は相変わらず。
平昌五輪のときは、もぐもぐタイムで食べていた地元・北見市のお菓子「赤いサイロ」が長期間完売し今も品薄になっているほど、社会現象を巻き起こしました。
4年ぶりの五輪の舞台で、再び彼女たちが脚光を浴びるかもしれませんね。
まとめ
ということで北京五輪の競技からカーリングをご紹介しました。カーリングは試合時間が長い分、ゆっくり観戦できますし、駆け引きを楽しむこともできます。
日本はまだまだ成長過程にあります。ですが、Jリーグのサッカーチームが2018年に立ち上げた北海道コンサドーレ札幌や、人口12万人の北見市を拠点に活動し、育成チームも有するロコ・ソラーレなど、これからが楽しみなチームがいくつもあります。
地元の人たちの期待と街の誇りを背に世界の舞台で戦う彼らに、ぜひ目を向けてみてください!
▼北海道コンサドーレ札幌カーリングチーム
▼ロコ・ソラーレ
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