カヌー01

前回の快挙をさらに超えるか!”スポカレ流”カヌー観戦ガイド

今回取り上げる五輪競技は「カヌー」です。が、冒頭から「カヌーとボートの違いってなに?」というハナタカさんのような疑問が湧いてきました。まずはこの難題を解決しましょう!

公園の池でのんびり漕ぐのは「ボート」と呼んでいて、激しい川を下るようなものは「カヌー」と呼んでいる気がする…。でも、ディズニーランドの「ビーバーブラザーズのカヌーの探検」ものんびり漕いでいるのに、こっちは「カヌー」と呼んでいる…。

「ボート」も「カヌー」も同じく水上で舟を操るスポーツですが、実は舟の漕ぎ方、ひいては舟を進める方向が異なります。

<ボート>
漕ぎ手の背中方向に向かって進む

<カヌー>
漕ぎ手の正面方向に向かって進む


ボートはオリンピックでも歴史が古い競技のひとつですが、カヌーも1936年から採用されている伝統ある競技。カヌーのオリンピック種目は、「スラローム」と「スプリント」に大別。そこから細かく枝分かれし、その数は16種目にもなります。

【スラローム】
<カヤックシングル>(男子/女子)※
<カナディアンシングル>(男子/女子)※

【スプリント】
<カヤックシングル>
200m(男子/女子)
500m(女子)※
1000m(男子)※

<カヤックペア>
500m(女子)
1000m(男子)

<カヤックフォア>
500m(男子/女子)
500m(男子/女子)

<カナディアンシングル>
200m(女子)※
1000m(男子)※

<カナディアンペア>
500m(女子)
1000m(男子)

過去には10000mやリレーといった種目もありましたが、五輪では廃止されています。

※のついた種目は、開催国枠を獲得しているものです。スラロームは2種目とも男女1つずつ、スプリントはシングルの種目の男女1つずつに与えられています。

スポカレ

激流を下るスラローム、平面でスピードを競うスプリント

「短距離を全力で力走する」という意味のあるスプリントは、穏やかな水面で純粋にスピードを競いますが、スラロームはアルペンスキーのように規定のポイントを通過しながら厳しいコースを攻めていきます。

【スラローム】
上流から下る、変化に富み流れが速い水流がコース。途中にぶら下がった2本のポールがいくつか設置されており、これに触れないようにしながらゲートを通過していくタイムレースです。
ゲートを通過できない場合は50秒もペナルティが加算されます。そのため、可能であれば戻って通過する判断も必要。スムーズにゲートを通過するには、時には流れに乗り、時には逆らわなければなりません。パワー、技術、瞬時の判断力など総合的な能力が求められます。

【スプリント】
ボート同様、穏やかな水面で複数の舟が一斉にスタートし、直線コースの着順を競うレース。ボートのコースが2000mなのに対し、それより短い200~1000mが種目として設定されています。短距離の場合はいかにスタートダッシュを決めるかが大きなポイントとなります。
ペアやフォアといったチーム対抗の種目は、息の合ったラストスパートも見どころです。

カナディアンとカヤックの違い

種目(スラロームとスプリント)の次は、カヌーのタイプ(カナディアンとカヤック)の違いを確認しましょう!

カヌーでは、パドルと呼ばれる道具を使って舟を漕ぎますが、カナディアンとカヤックはそのパドルの形が異なります。パドルの片方だけに水かきがついているのがカナディアン、両方に水かきがついているのがカヤックとなります。漕ぎ方で言えば、カナディアンは舟の片側だけで漕ぎ、カヤックは両側を使って漕ぐ方法をとります。
ディズニーの「ビーバーブラザーズのカヌーの探検」に話を戻すと、このアトラクションは「カナディアン」のスタイルで漕いでいることになりますね。

片側だけで漕ぐカナディアンは舟の向きが傾きやすいため、方向をコントロールする技術が必要。一方、両側で漕ぐカヤックはダイナミックな動きやスピードが見どころになります。

スラローム、スプリントの代表選考の対象大会は?

【スラローム】
スラロームはすでに開催国枠を1つずつ(計4枠)獲得済み。選考対象となる国際レース4試合の成績を換算し、各種目で最もポイントが高い選手が五輪代表に内定します。
世界選手権までの3大会はすでに終了。NHK杯は代表選出のためには出場が必須条件となります。

ワールドカップ第2戦(スロバキア)
ワールドカップ第3戦(スロベニア)
世界選手権大会(スペイン)
第42回NHK杯 国際カヌースラローム競技大会(東京)10/18~20


【スプリント】
開催国枠をもっていない種目については、以下の大会でオリンピック出場枠を獲得した選手が代表に内定します。

世界選手権 2019/8/21~25(ハンガリー)
アジア大陸予選 2020/3/25~29(タイ)

すでに終了している世界選手権では、カヤックフォア500m(男子)がアジア最上位の3着に入り、4名が五輪出場枠と代表権を獲得。

開催国枠を獲得している4種目の代表については、2020年に開催されるワールドカップ第2戦(ドイツ)の成績をもとに代表を決める方針となっています。

NHK杯でスラローム4名の代表が決定!

10月に開催された、スラロームの最終選考大会となるNHK杯。東京五輪のために新設されたばかりのカヌー・スラロームセンターで、最有力の羽根田卓也ら4名が日本代表に内定しました!スラローム・カナディアン(男子)
羽根田 卓也
出身地:愛知県
2016年リオ五輪で銅メダルを獲得し、カヌー競技を通じてアジア初のメダルをもたらす偉業を成し遂げた。
高校卒業時から単身スロバキアに留学し、競技人口の少ない日本を飛び出して腕を磨いてきた。2019年NHK杯で3位に入り、4大会連続のオリンピック出場が決定。

スラローム・カナディアン(女子)
佐藤 彩乃
出身地:秋田県
NHK杯では上位10名が残る決勝に進めなかったものの、秋田県勢第一号となるオリンピック代表内定を決めた。

スラローム・カヤック(男子)
足立 和也
出身地:山口県
日本選手権で過去に5度優勝するなど国内ではトップレベルの存在だったが、今回初めてのオリンピック代表入りを果たす。

スラローム・カヤック(女子)
矢澤 亜季
生年月日:1991年11月5日
出身地:長野県
2016年のリオでオリンピック初出場。2018年のアジア大会では優勝。
NHK杯では自身初めてとなる国際大会の決勝進出を果たし、代表入りが内定した。


カヌーの放送や大会の情報を管理するなら、スマホアプリ「スポカレ」が便利!主要な大会や、東京五輪の予定もスケジュール管理が可能です。

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スポカレ2

前回リオ五輪でメダル獲得の瞬間を見逃した皆さん!カヌー日本勢の活躍をチェックして、本番のリアルタイム観戦に備えましょう!

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