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遠慮した意思決定に責任は取れるのか?【実践!スポーツビジネス道場#06】

←第5話

ポッドキャスト番組「実践!スポーツビジネス道場」の文字起こし記事です。
「実践!スポーツビジネス道場」は一般社団法人スポーツビジネスアカデミ(SBA)の公式オンラインサロン「THE BASE」が毎週木曜日に配信しているポッドキャスト番組です。
スポーツビジネス界で奮闘する若手ビジネスパーソン、酒井翼さん(東京都社会人リーグ2部所属のサッカークラブ「TOKYO.CITY.FC」でスポンサー営業を担当)が日ごろの業務での葛藤や悩み、アイディアをスポーツビジネス界の第一線で活躍し、SBA代表理事を務める荒木重雄さんに壁打ちし、成長していく様子をお届けしています。


荒木)例えば年下には物が言えて年上には物が言えないみたいなことは、経験が浅いからということもあるのかもしれないけど、少なくともリーダーというポジションをやっていく上で一番大事なのは英語で言うと「responsible for」、つまり何に対して責任があるかということ。
例えば自己紹介の時に日本語だと「私は○○会社の部長です」ということになるけど英語ではそういう表現が無い。なにに対して責任があるということを明らかにするのがリーダーの自己紹介だとするのであれば、リーダーの仕事って責任なんだよね。成功しても失敗しても責任を取るという立場の自覚・覚悟があるかっていうのがすべてで。例えば遠慮したり気を使ったり、つまりその行為って自分からすると100%の力が出しきれていないというか、妥協しているんだよね。本当はこうやりたいけどちょっと言いづらいからとか、気使ったりとか妥協したりして自分が思う通りに100%やっていないという行為をしてますよということ。そこでもし失敗した時に気持ちよく責任ってとれますかって話。

酒井)…取れないですね。

荒木)取れないよね、後悔しかないじゃない、やっておけばよかったって。「responsible for」の人は責任持っているので、責任を果たすのにベストな方法論は何かってところの覚悟、つまり責任を取れる意思決定ができるかどうかに尽きると思うんだよね。そこさえ乗り越えればそれから人がついてくるか来ないかって話で…。
順番が逆というか知り合ってからうまく関係値を築いてうまくいこうとする行為って相手に合わせる行為なので、どうしても気を使っちゃう可能性は多分あると思う。最初からこうなんだって言って付いてきた人は、100人が100人そうじゃないかもしれないけど、少なくとも翼の考えとかやりたいことを理解してきてくれている人たちなので。言い方変えれば「翼(あなた)についてきたんだから好きなようにやってよ」というファンをどう増やすか。
それが人間としての魅力につながってくると思うんだよね。

酒井)つまり遠慮とか云々というか、話を聞いていてはっと思ったのは
僕自身が相手に合わせようとしていたなと。
自分がどうしたいかというよりは、その人がどうやったら気持ちよく仕事を引き受けてくれるかなとか、その先の仕事、それ以外の事をお願いしやすくなる関係を築いたままやれるかなということを考えてしまって、そこで躊躇してしまっていると自覚しました。
おっしゃっていただいた通り、リーダーとして自分が責任を取る覚悟や、自分がリーダーとしてどうしたいかという意思表明が大事ってことですよね。

荒木)そうだね。どの組織でもそうだけど、きれいごとじゃないから、俺も大企業経験しているわけだけど2つに分かれるんだよね。そういう強烈なリーダーでもリーダーのファンがいるわけよ。会社とエンタメのファンはまた違うけど会社の中にファンがいてその上司について行って全面的にバックアップしながらその上司のやりたいことを一緒に歩みたいみたいな。俺も昔いたけどねそういう上司…。
そういうのもある意味ファンなんだよ。完全に巻き込まれているわけ、自分はね。

酒井)それは巻き込みたいという向こうから無理にお願いされたりというより荒木さんから自発的に巻き込まれてるってことですよね。

荒木)仕事でも同じだと思っていてそういう関係値ってあるんだよ。
それってマジョリティにはなかなかなり得なくてなのでお給料と評価システムというものがある。必ずしも上司、リーダーのやりたいことを、とてもじゃないけどついていけません、でも仕事としてやってますという人も当然いるわけで。会社ってやっぱりどちらかというとたぶんそっちがマジョリティなのかもしれない。それがだめじゃなくてそういう人たちに対しては意見をしっかり聞いてオペレーションできるようにはしていかなきゃいけないと。
肝心なところで妥協するとか、つまりそういう人たちの意見を聞く時に、自分の意思を変えて責任を取れなくなっちゃうような意思決定をするのは本末転倒だよね。
バランスをどうとるかは大企業になればなるほど人が増えるから難しくなるけど、今の話ってまだ5人とか10人とかでしょ?いわゆるベンチャー的な20人、30人規模の会社だったら全員が同じ船に乗らないととてもじゃないけど他のマーケットに出て戦えないと思うんだよね。

酒井)そうですね

荒木)強いベンチャーの特徴ってそこが最高に強いわけ。外みてても本当に成長しているベンチャーの特徴ってものすごい強いオーナーシップのリーダーと、それを支える信者。誤解を恐れずに言うと、一枚岩になって戦っているという会社は大企業のそれと比べると圧倒的に強いわけ。そこにパワーをかけてくるしそのパワーに人が寄ってくるという循環をするためには、小さい会社がダメなんじゃなくてそこが一番優位性が高いと思うのでそこに全力をかけて熱い熱量を持った人たちをいかに巻き込んでいくか、巻き込まれる人を増やすかというところができてくると気を使うどころかみんなが一体になっていけるようなこういうチームになっていくんじゃないかなって。言うは安く、なかなか難しいけど。

≪第6話 終わり≫

■登場人物
➤荒木 重雄 Shigeo ARAKI
一般社団法人スポーツビジネスアカデミー(SBA)代表理事。
株式会社SPOLABo、株式会社スポカレ代表取締役。2005年に千葉ロッテ球団の執行役員・事業本部長、パシフィックリーグマーケティングの取締役執行役員を歴任。日本サッカー協会(JFA)の広報委員をはじめ、官公庁のスポーツ関連プロジェクトなどにも多数参画。
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➤酒井 翼 Tsubasa SAKAI
J1から数えて8部に相当する、東京都社会人リーグ2部に所属するサッカークラブ「TOKYO CITY F.C.」にてスポンサー営業などを担当。
スポーツクラブで働きながら、1000万円プレイヤーになることを目指し、日々奮闘中。
TOKYO CITY F.C. 公式サイトはコチラ

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日米英に拠点を置き、スポーツビジネス界の第一線で活躍する理事4人が世界の最新スポーツビジネストピックスを発信する「理事会」や、スポーツビジネスの各専門分野に長けたゲストをお招きし、担当理事とのトークディスカッションをお届けする「サロン」など、スポビズパーソン注目のコンテンツを定期的に発信しています。昨今のコロナ禍を経て、オンラインでのコンテンツを強化し、直近のサロンはほぼアーカイブにて配信中!(いつでも何度でもご視聴可能!)
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