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5月見聞録 【ライブ編】 -2019-

5月。生き急いだ5月。
体力が追いつかなくて毎日しんどかったけれど、振り返るとアクが強くておもしろい月だったなぁ(ライブに関してはね)。

5/3 空きっ腹に酒 爆音フロアライブ(昼の部)、泥酔へべれけライブ(夜の部)@東心斎橋CONPASS

 『泥(でい)e.p.』リリースツアーのファイナルで、唯一のワンマンだった3月の東京公演がソールドアウトした記念に、大阪でもワンマン、しかも2部制(!)を開催してくれるという太っ腹っぷり。彼らはいつでも「おもろいこと」を追求して私たちに提案してくれる。そりゃもう、乗るっきゃないっしょ。

 昼の部である「爆音フロアライブ」は本当にすさまじかった! 久しぶりにTシャツ絞れるほどの汗をかいた。ふつうフロアライブってあんまりお客さんが入らなかった時にやるもん(だと私は勝手に思っているん)だけど、この日はチケットはソールドしているし、スピーカー10個も設置されているし、メンバーはフロアにいるしでハコのクーラーも効かないほど熱気が半端じゃなかった! 我々観客はというと、本当に好きなところに好きにいてOK。メンバーの真横でも、ふだんは登れないステージの上でも。すごい。

 爆音に配慮して開場の時に耳栓も配られたけど、私は結局自己責任で外しちゃいました。1曲目の1音目から音圧が尋常ではなくて、身体中隅から隅まで、産毛が逆立つくらいまで音でビリビリして。これを生で体感しないのはもったいない!とうずうずしてしまった結果。耳栓外しても私はなんともなかった。よかった。

 アンコールではスペシャルゲストSundayカミデが登場! “夜のベイビー"をコラボしてくれました。もともとはサンデーさん率いるワンダフルボーイズの曲だけれど、空きっ腹に酒がカバー(しかもラップの部分はオリジナル)しているのです。「夜のベイビー」とはライブハウスに集まった私たちのこと。この曲を繰り出す時「お前らのことやで!」って言ってくれるボーカルゆきてるくん、大好きです。

 夜の部は打って変わって(?)メンバー全員が泥酔状態でライブを披露するという初の試み。MCでの「シンディは真面目に見えて考えることえぐいわ」の話ぶりで判明したけれどこれはベースのシンディさん発案だったよう。ステージに缶ビール持ち込んでメンバーが互いに飲ませ合いをしていて、ふだん見ることのできない姿に笑っちゃいましたね。でもちゃんと演奏できていてすごかった! 夜の部は久しぶりにやる初期曲が多かった印象で、中でも特に“”はぶち上がったなぁ。連打されるベース、ずっと叫んでいるようなギター。爆弾みたいな曲。ヒリヒリしていてとても気持ちよかった。

バーカンにメンバーからの差し入れが置かれるって初めて見た(笑)

 さっきからリンクを貼っているのでお気づきだと思うのだけれど、この日を境に空きっ腹に酒はサブスク解禁になりました! 廃盤になった“ハロージャパン”といくつかの会場限定シングル以外は(と、レコード会社が他のアルバムと違う1stも、、、)。それから、「この日を境に」がもうひとつ。ボーカルのゆきてるくんの禁酒がはじまりました。いつまで禁酒なのか本人にもわからないそうなのだけれど、泥酔の夜を最後に本当にお酒を絶っているよう。「空きっ腹に酒」とはこれいかに、と思うかもしれないけれど、お酒なくても音楽に酔えちゃうんだからすごいやない(ちなみに彼はラーメンも禁止中なんですが、ラー禁中にSUSURU TV観るのは拷問じゃないの?笑)


5/25 DENIMS presents ODD SAFARI vol.2 @味園ユニバース

 濃ゆすぎる1日。味園ユニバースで開催という事実だけでもう酔える。みなさんご存知でしょうか? 大阪は千日前にあるキャバレーを改装してつくられたライブハウスで、その中は宇宙が広がっているということを。

 渋谷すばる主演映画のタイトルで実際撮影地として使われていたり、あと記憶に新しいのは映画『銀魂2』でのキャバクラのシーンはここで撮っている。女装の万屋(とヅラ)が真選組にバレないように必死でシャクってるあのシーンね。ごめん、話がずれました。そう、ユニバースで開催っていうだけでもアツいのに、メンツも本当にすばらしかった。こんなにすてきなアーティストが集まれるのも、ひとえに主催のDENIMSの人徳だと思います。

ほら、やばくない?
全組やばかったけれど、私のこの日の大賞はやっぱりDENIMSでした。これだけのアーティストが全力でライブしていたのに、最後に堂々とした貫禄を見せつけてきたのは相当すごいと思いました。どんどん心地よく、どんどんかっこよく、どんどんロックバンドになっていて、ますます目が離せない。新曲もすごく良い。おかゆちゃんのギターが本当に本当に好きだ。小気味良くておしゃれで、人懐こくて。太陽の匂いみたいなあったかい音がする。しかもこの音をレスポールで出しているなんてさ。まじで胸キュンだ。

“fools”も大好き

 この日のトップバッター・ナードマグネットがしょっぱなからホームラン打っちゃって胸に火がついてしまったし、空きっ腹に酒が自由に愉快に、それでいてかっこよく大勢のお客さんを盛り上げていたのもうれしかったし、念願のドミコのプレイが職人すぎて鳥肌総立ちだったし(ライブも2人だった、、、かっこよすぎる)、chelmicoはいつ観てもキュートでハッピーで(一見かわいらしい真海子が実はクールで、ビューティー系レイチェルが無邪気にはしゃぐタイプという最高のバランス)、ジャケットやアー写からは想像できないレベルで東郷清丸がポップでおどろいたし、1日中立ちっぱなしで最後の方は脚の痛みとの格闘だったけれど、本当に収穫の多いイベントでした。DENIMS、来年もどうぞよろしくです。

コミカルな曲なのに歌っていることが真理をつきすぎてもはやこわい1曲。
「死ぬ事忘れて遊びまくり それ死んだも同然 地獄」
「これさえあればもう安心なんて この世にないから地獄」


5/31 あいみょん vs My Hair is Bad “ラブコール” @Zepp Osaka Bayside


 あいみょんとマイヘアの対バンなんて、もう私はせつなさで粉々になってしまうんじゃないかと思ったけれど、ツアータイトルが「ラブコール」なだけにどちらもそれぞれの形の愛に溢れたライブだったので、予想外にしあわせ満タンで終わりを迎えた。

 マイヘアはいつぶりだろうと遡ってみたところ、去年のGWに大阪城野音で行われた「オーガニックホームランツアー」ぶりだった。お久しぶりだね。本当はスピッツの夏フェスで再会する予定だったのに、台風で飛んじゃったもんね(今年リベンジ公演をやってくれるとのことで、チケット絶対当てたい)。

 マイヘアのライブほど純度の高い「ライブ感」っていうのはあんまり体感したことのないように思える。その場その場で溢れ出る言葉を椎木くんは声とギターに乗せて発している。身体全身で伝えている。この日も、溢れんばかりの、あいみょんと音楽へのラブがほとばしっていた。

「初めて会ったのは去年の年始。そこから紅白にMステ。魅力的だ。でも、あいつは実際に会ったほうが魅力的だ。あいみょんに愛をこめて」からの“ドラマみたいだ"は膝から崩れ落ちそうになった。

「それでも、結局君がしあわせならそれでいい」と究極の未練ソング・“元彼氏として”のアウトロで叫ぶなんてずるい。

「俺は男でも女でもない。興味深いだろう? あいつの男らしさ。俺の女々しさ。あいつの女性らしさ。俺の男らしさ。俺らは男でも女でもない。アーティストだ」。あまりのかっこよさに震えた。

 そして新曲がめちゃくちゃ良い。“舞台をおりて”。椎木くんにはどんな景色が見ているんだろう。どうやったらこんな歌詞、書けるんだ。

今夜この舞台をおりたら
恋人役を終えたら
二人はまた別の劇場へ向かい
また誰かと愛し合う役をするから
(舞台をおりて/My Hair is Bad)


 マイヘアのあまりの愛の迫力に、あいみょんったらどうなっちゃっているのかしら、とちょっと思ったけれど、ステージに出てきたのはいつもの、肩の力の抜けた彼女で拍子抜けした。もちろんいい意味で。あいみょんの曲がどうしてこんなに沁みて、どうしてこんなに「良い」と感じるのか、私は音楽的なことがぜんぜんわからないので、説明ができないのがもどかしいけれど、圧倒的に「良かった」。名曲揃い、強い曲揃い。

 ツアー終わってないから、セトリをバラすのはアレかなぁ。まぁでも、あれだ、マイヘアの“いつか結婚しても"の「大好きで大切で大事な君には 愛してるなんて言わないぜ」の一節を歌ってからの、“愛を伝えたいだとか”は本当にお互いのリスペクトを感じられて鳥肌でした(バラすんかい、許して)

「マイヘアが出てきた瞬間、みんなきゃあきゃあ言うてたやろ? 黄色い歓声がすごくてすごくて。私嫉妬したわ。だから言わせて。マイヘアファンのみんな嫉妬すると思う。今日の椎木さん、めっちゃ良い匂いやから!」なんていうあいみょんが本当にキュートでますますファンになっちゃいましたとさ。


 来月も、どうぞよろしく。6月こそは自分をいたわる月にするんだ。

最後まで読んでくれて、ありがとうございます!