MBA取得中の医師が持つ価値観
8/18のキャリアセミナーのゲストは、医師として働きながらMBAを取得中の森徳郎さんです。多忙な森さんがどのような思考で時間を使っているのか、そしてなぜMBAで学ぶのか。多様なゲストの価値観に触れることができるキャリアセミナーならではのお話を聞くことができました。「時間がなくてやりたいことができない」と日々思っている方々におすすめの内容です!
ゲスト紹介
今回のゲストは、NPO法人ジャパンハート海外医療統括としてミャンマー・カンボジア・ラオスなどの地域に医療を届ける活動をしている森徳郎さん。マネージメントの立場で事業計画を考え自治体に営業などをしており、現在は、コロナウイルスの国内の対策事業(クラスターが発生した病院の支援など)を行っています。
ジャパンハートのミッション:医療の届かないところに医療を届ける
世界には、医療が届きにくいところが4つあります。
1つは、貧困や医師不足に喘ぐ海外。
1つは、日本国内の僻地や離島。
1つは、病気と闘う子どもたちのこころ。
1つは、大規模災害被害を受けた被災地。
この4つの場所に医療を届けること。
それがジャパンハートの仕事です。
なぜ医師でありながらMBAで学ぶのか?
医者でありながらMBAを取り始めた理由は、NGOで働き始めたことで様々な業務に携わり経営判断に関わることも増えた時、現場の仕事だけをやっていると分からないマネージメントや経営の基礎的な知識を学びたいと思ったからだそうです。MBAで学ぶことで現在の自分自身が導き出せない答えを示してくれる可能性があるためNPOでのパフォーマンスは短期的には落ちるかもしれないが、長期的に見て自分の価値を最大化できると考えたそうです。
現場を経験したことで自分の中での課題や問題意識を持ってMBAで学でいるため、多忙な中でもモチベーションが維持できるそうです。
タイムマネージメント:ルーチンワークを作る
「仕事に追われてMBAの勉強ができなというジレンマがあるが、そこは割り切るしかない」と言う森さんが、時間を有効活用するために心がけていることは以下の通り。
-優先順位をつける
-時間を作る
-隙間時間を活用
-ルーチンワークをできる限り作る
人間は無駄な時間をいっぱい消費している。その時間全てが無駄というわけではないが、自分のためにいかにその時間を削るかを日々考えて生活する。
特に重要なのはルーチンワークを作ること。
通信制の大学でMBAをとっているため授業の動画を移動時間に見ているそうです。「ここに座ってこの時間に〇〇をする!」ということをルーティンワークとして定着させてしまえば集中するまでの無駄な時間が減るそうです。
ファシリテーターの方は、ルーチンワークにすることの利点として「考えなくていいこと」を挙げていました。習慣化することで、その行為に対して「嫌だな」と考える時間がなくなるとおっしゃっていました。
人生のビジョン
海外での勤務経験も豊富な森さんですが、海外で働きたかったというわけではないそうです。キャリアを考えた時一番魅力的だったのが海外で働くことだっただけで、実際に海外で医療が行き届かずに苦しんでいる子供を見て、子ども達が理不尽に死なず子どもらしく成長できる世の中を実現させたいと思ったそうです。そして、医者という切り口で自分の能力を高めて貢献したいと考えたそうです。
世界を変えるのではなく、いい方向に「押していく」
「私は、自分の力で困っている人を助けたい!と思ってあるボランティアに参加したのですが自分の力のなさを痛感し、私1人が頑張っても変えられないのではないか、と思うようになってしましました。森さんは自分の無力さを感じることはありますか?またその時はどのようなモチベーションを持って立ち直っていますか?」という質問が参加した学生から出ました。それに対して森さんは、
同感です。人間1人で世界を変えられるわけがない。変えられるなら今の世界はもっといいはず。でも、100年前や500年前に比べたらいい世の中になってるのは確実。それは、みんながちょっとずつ良い方向に持っていこうとした結果なのでは?世界を変えようと思うのではなく、自分の力でいい方向に押していく意識を持ってみる。周りを巻き込んだり協力したりしていくことで押す力を増やせば、どのかのタイミングで世界が変わるかもしれない。
とおっしゃっていました。
動くか動かないかで判断すると辛くなるから「押し続けること」を大切にする
他者からの評価を気にすると、称賛されなくなったときにパフォーマンスが落ちてしまいますが、自分がその行為をやっているという自己満足があればモチベーションを下げずにいることができるそうです。
5年後に死んでも後悔がないように意思決定をする
自分で自分の病気をたまたま見つけた経験によって、もし癌のような深刻な病気だったら5年くらいで死ぬ可能性があるなと思い、それ以降、5年後に自分が死ぬと思って行動するようにしているそうです。
車が好きな森さんは学生時代に、将来はランボルギーニが欲しいと思っていたそうです。しかし、5年後に死ぬと想像した時、「ランボルギーニを買うために働いてもし買えたとして、自分は幸せになるのか?たかが車のために働くのはつまらない。」と思ったそうです。そして、他の目的のために自分の時間を使おうと思うようになりました。
【学生へのメッセージ】
死ぬ時は自分が何を選択してきたかでしか自分を評価できないため、その時に悪くない人生だったと思えるように、あまり人のことを気にせずに自分のやりたいことを突き詰めていこう!
ファシリテーターの方は、『毎日ベストを尽くして生きると良くいうが、1日でできることは限られている。5年と決めると「やりたいことやり切ろう」と思いやすい』とまとめられていました。
確かに、明日死ぬとなったら将来のための努力ではなくその瞬間の幸せのために行動してしまいそうになりますが、5年と考えると死ぬ時に後悔がないように努力しよう!という思考が生まれますよね。
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