第二章 日本人にはよくわからない?Spliceの音楽ジャンルについて調べてみる Trap / Dancehall / Future Bass 編
こんにちは!Hello! Splice編集部のDTMおじさん、3104(サトシ)です。
【第一章】 Reggaeton / Moombahton / Glitch Hopの紹介につづき、「Hip Hop / R&B」の日本人にあまりなじみのないジャンルから、
Trap
Dancehall
Future Bass
3ジャンルについて成り立ちや代表的なアーティストを調べてみます。
Trap(トラップ)
日本語のWikipediaがありますね。
とのことです。うーん。イマイチよくわからんです。Wikipediaから分かることをまとめました。
・トラップとは「コカイン密売所」を意味するスラング
・南部のアトランタが発祥
・ハイハットの連続音とシンセ音が特徴的
ちょっと目が醒めるような音なんですかね。では、代表的なアーティストを聴いてみましょう。
・Based on a T.R.U. Story / 2 Chainz (トゥー・チェインズ)
ちょうど10年前の2012年にリリースされ、全米で50万枚を売り上げたトラックだそうです。特徴的なハイハットというのは16分音符の連打みたいなチキチキチキって音でしょうか?スネアも連打してますね。荘厳なストリングスとオーケストラヒットも含めた騒がしいリズムが特徴的です。
・Rick Ross / Trap Trap Trap
まさにTrapという曲がありました。大事なことなんで、3回言ってますね。音像としては、やはり荘厳なピアノ・ストリングスと時折連打されるハイハットが特徴的です。
・24’s / T.I.
0:21あたりでTrap Musicって自分でいってますね。T.I.は「俺がトラップミュージックを作った」と豪語しているらしいです。3曲目にして、なんとなくジャンルのかんじがつかめてきました!
SpliceのTrap(トラップ)を紹介
では、Spliceの音を聴いてみましょう。Browse機能でトラップで絞り込んでみます。Packがたくさん出てきますが、そのなかから、Production Masterの「Diamonds – Trap Vibes」というPackを聴いてみましょう。
・ハイハットの連打のループ
・シンセでつくったストリングスのような上モノ
ハイハット単独って、ミックスされた完成品でははっきり聴けないですよね。どうやって作ってるのか、よく分かりました。上手く組み合わせたらすぐにでもTrapができそうです。あとはラップを練習するのみ!
Dancehall(ダンスホール)
Dancehall Reggae(ダンスホール・レゲエ)、略してダンスホールのようですね。「レゲエ」は、どこいったの?やっぱり、汗とホコリと眩しい光につつまれた夜のダンスフロアで掛かっているかんじなのでしょうか。
YouTubeで検索してみると、日本のレゲエDJでダンスホール・レゲエを掛けている方がいました。
ボブ・マーリーとかのロックっぽいレゲエじゃなくて、フロア仕様というか、ディレイ掛けたりしながらトラックをつないでいくのを前提に作られたレゲエですね。この間にしゃべるのはダンスホールの基本なんでしょうか。
ビヨンセ、ドレイク、ジャスティン・ビーバーといった超ビッグネームもダンスホールのリズムを取り入れているとのことです。たしかにこんな感じのよく流れてますよね。80年代からつづく古いダンスホールと区別するために、FUTURE DANCEHALLと呼ばれているみたいですね。
・Work (Explicit) ft. Drake / Rihanna(リアーナ ft. ドレイク)
ジャマイカのダンスフロアをR&Bと融合しておしゃれになってますね。レゲエの能天気なかんじはなくなって、クールでかっこいい。だから「レゲエ」がとれて「ダンスホール」になったんでしょうか。かなり幅広い定義のジャンルのようです。そして、なんとこの動画の再生回数、1億超え!
SpliceのDancehall(ダンスホール)を紹介
さて、Spliceでは、どんなダンスホールが聴ける・作れるのでしょうか?
SpliceでもやはりDancehallの定義は広いようです。
まずは、Disaporaの「Classic Riddims 90’s Dancehall」というダンスホールのPackを紹介します。Previewというトラックメーカー本人がつくったミックスのお手本トラックで聴いてみてください。これは90年代の古のダンスホール・レゲエですね。ブンチャ・ブンチャっていうレゲエの特徴的なバックビートも入ってます。
DIASPORA_classicriddimsvol2_melodic_loop_8_full_dancehall_100_bpm_Gbmaj
つぎに、Splice Originals(そんなんあったんだ)の「Tropica Noir」というPackを聴いてみましょう。こちらは、ドレイクとかリアーナみたいなR&Bテイストがはいった、新しいダンスホールのPackです。
SO_TN_112_pad_reflection_filtered_pump_Amin
レゲエって何でもレゲエアレンジできるジャンルだったりして、やはり、取り込みやすいというか、奥が深いですね。1億再生めざして頑張りましょう!
Future Bass(フューチャー・ベース)
フューチャーベースは「ベースミュージック」とよばれる音楽ジャンルの一種で、力強く重厚な低音に特徴があるそうです。ベースミュージックの他のジャンルとしては、「ドラムンベース」「ダブステップ」などがあり、たしかに重低音な印象です。 最初に紹介した「トラップ」の影響をうけて生まれた新しいジャンル(といっても2010年代)だそうです。 曲の構成が特徴のひとつで、始まりはアンビエントなシンセで静かにはじまって、サビの部分で一転してきらびやかなシンセサウンドになるとのことです。ちょっと様式美はいってますよね。
・FUSE / Hudson Mohawke(ハドソン・モホーク)
フューチャーベースに影響を与えたというハドソン・モホークの楽曲。きらびやかなシンセの音色はたしかにそのとおりですね。テクノの名門、Warp Recordから2009年にリリースされました。
・Trust Nobody ft. Selena Gomez & Tory Lanez / Cashmere Cat(カシミア・キャット)
カシミア・キャットは、ノルウェーの出身ですが、アリアナ・グランデ(Ariana Grande)、カニエ・ウエスト(Kanye West)などのトラックも手掛ける超売れっ子トラックメーカーです。 ただ、この人、「Trap, Trap ヤクだぜ!」的な要素がまったくないみたいで、こんなビデオクリップもあります。
・FOR YOUR EYES ONLY / Cashmere Cat(カシミア・キャット)
1:00あたりから低音がはいってきてぐーっと盛り上がりますね。ビデオクリップもかわいいです。
SpliceのFutureBass(フューチャー・ベース)を紹介
Spliceにアップされているフューチャー・ベースはどんなかんじでしょうか?FurureBassというジャンルを指定するだけで100,000を超える音ネタがあるのはビックリです。その中から、Zenhiserの「Majestic」というPackをセレクトしてみました。
■ Zenhiser「Majestic」
・静かにスタート
001_Pluck_135bpm_F_-_MAJESTIC_Zenhiser
018_Piano_130bpm_B_-_MAJESTIC_Zenhiser
・途中からもりあがる!
019_Full_Mix_130bpm_C_-_MAJESTIC_Zenhiser
001_Full_Mix_135bpm_F_-_MAJESTIC_Zenhiser
・再生環境によっては聴きとれないレベルの重低音
003_Bassline_140bpm_Dm_-_MAJESTIC_Zenhiser
うーむ。別れたものを聴くと、低域・中域・高域とそれぞれのパートの役割がきっちりわかれて、1つの箱に収まっているかんじですね。 ちなみにこのジャンル。かわいいボイスが入ってたりして、ゲーム・アニメカルチャーとの相性がいい(トラックメーカーがゲーム・アニメオタク)みたいですね。ビデオクリップの可愛さといい、今回紹介した、他の2ジャンルよりはっきりと喧嘩が弱そうな雰囲気があります。
いかがでしたか?自分なりに調べてみただけなので、すこしズレているかもしれないですが、世界の音楽の「今」にアップデートしていきましょー!