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バンカラマッチとガチマッチの仕組みとウデマエの違いを解説します[スプラトゥーン3]
こんにちは。
スプラトゥーン3発売から約2週間、多様なプレイヤーがS+に到達し、喜びと悲しみの賛否両論となっているウデマエの仕様変更について、スプラ3のバンカラマッチ、スプラ2のガチマッチとの違いを解説しつつ、イカの点について書きました。
スプラ2のガチマッチはグリコ2(Glicko-2)を基にしたガチのレーティングが採用されています
レーティングってなに?なんで必要なの?
スプラ2のウデマエはレーティングによるグループ分けを区別する名称でした
スプラ3のバンカラマッチはポイント制が採用されています
スプラ3のウデマエは獲得したポイントの多さを示す名称になりました
優しい世界
どうしてこうなった?Xマッチはどうなるの?
任天堂さんは仕組みの詳細(アルゴリズム)を公開していませんので、私が実際にゲームをプレイした体験から推測した内容となります(スプラ2/4300時間、スプラ3/120時間)。読む方は、スプラ2をプレイしていなくても大丈夫です。
なお、全文を無料でお読みいただけますが、お礼と毒にも薬にもならない一言コメントを有料部分としています。
もしこの記事が良かったよ!またはスプラチューブ頑張ってね!
というお気持ちがあればご購入をお願い致します。それでは参りましょう
てんてけてけてけー…
ぽん!
ガチマッチの仕組み
![Splatoon 2](https://assets.st-note.com/img/1663809156024-lDBCM8M3hI.jpg?width=1200)
スプラ2では、ウデマエCからウデマエS+9までは「ガチパワー」ウデマエXからは「Xパワー」という数値でプレイヤーの強さが表されていました。数値の範囲は、だいたいですがイカの通りです。
C帯 1000~1200
B帯 1200~1400
A帯 1400~1600
S帯 1600~1800
S+帯 1800~2000
X帯 2000~
さて、さきほど"プレイヤーの強さを数値化"と簡単に書きましたが、どうしたらそんなことができるのでしょうか?
実はこれには、チェスなどの対戦ゲームの長い歴史の中で、賢い人が考え出した特別な仕組み(レーティング手法)があります。
スプラ2では、グリコ2(Glicko-2)と呼ばれるレーティング手法を改造したものが使われているといわれています。
このレーティングの仕組みは数学的で難しいので、ここでは、レーティングとはプレイヤーの強さの「かなり信頼できる数値化」とご理解いただければと思います。
より詳しく知りたい方は、イカの記事でとても丁寧に説明されているのでご参照ください。
このスプラ2のレーティングの仕組みを要約するとイカになります。
ガチパワー(Xパワー)は試合に勝つと増えて 負けると減る
勝ったときは 相手のパワーが自分より高いと増えやすく 低いと増えにくい
負けたときは 相手のパワーが自分より高いと減りにくく 低いと減りやすい
ガチパワー(Xパワー)はプレイヤーの強さを「かなり信頼できる数値化」していますので、パワーを基にしたスプラ2のウデマエは、プレイヤーの強さを表しているといえます。
スプラ3との違いとして大事なのは、スプラ2では勝ったり負けたりを繰り返して勝率5割くらいだとパワーが停滞するという点です。
この"勝ったり負けたりを繰り返して勝率5割くらい"という状況は、マッチングする敵も味方も自分と同じくらいの強さ、といえそうなので、パワーが停滞するのは妥当なように感じます。
なぜレーティングが必要なの?
理由の一つとして、
対戦において、弱い者いじめをできるだけ少なくするためです。
例えば、同じ時間スプラ2をプレイしている人同士でも、他の対戦ゲームの経験者と、対戦ゲーム初心者では、上達のスピードが違うので強さに違いがありそうです。この二人が戦ったら、初心者の方がボコボコにされてしまうかも知れません。これからどんどん強くなれるのに、ボコボコにされる試合が続いたらスプラをやめてしまうかも知れません。
可能性に満ち溢れた若い芽を摘んでしまってはいけない。
この解決策として、「強さが同じくらいの人たちを戦わせる」ためにレーティングという仕組みがあります。ガチパワーがだいたい同じくらいの人たちをグループに分けて、その中で対戦(マッチング)となります。
ただ、スプラトゥーンは4vs4のチーム戦なので、チーム間の平均パワーを同じくらいにしても、編成(ブキの組み合わせ)など試合の内外で発生するあらゆる状況において同じくらいになるとは限りません。ここが難しいところですが、レーティングの仕組みが無い場合と比べれば、すごく良い、といえるのではないでしょうか。
ガチマッチの問題点
レーティングはプレイヤーの強さを「かなり信頼できる数値化」します。これは裏を返すと、「どれだけ練習して頑張っても、スプラ2における上手さや強さが上がらないとウデマエが上がらない」という、厳しい世界でもあります。
実は厳しい世界だよ、という説明はゲーム内に皆無ですし、SNSや動画サイトなどでウデマエXの人が多くいることを知れば、"自分もいつかXになれる"と思うのは自然なことです。
しかしこれは、極端にいうと"フルマラソン42.195kmを4時間くらいで走れる人がいるから私もそうなれる"と思ってしまうようなものなのです。その可能性は否定できませんが、それに費やす時間や労力に見合うことなのか、考えなければいけません。
(ちなみに42.195kmを4時間で走破するためには、平均で時速10.5km、50mを17秒ほどで走り続ける計算になります)
そもそも対戦ゲームは、レート(ガチパワー)を上げることだけでなく、試合そのものを楽しむものだと思います。よく耳にする「結果はあとからついてくるものだ」というやつです。
草野球も楽しいし、高校野球も楽しいし、プロ野球も楽しい。
C帯の人も、Aの人もXの人も、同じくらいの強さの人たちと戦うから楽しい。
そしてその戦いの中で成長し、上のウデマエに行けたのならもっと楽しい。
これに気付いた人は少なくないと思いますが、ウデマエを特に気にする人が多いこともまた事実でしょう。
ガチマッチ(レーティング)の問題点というか功罪として、プレイヤーに恩恵がある強さの「かなり信頼できる数値化」によって、やればやるほどウデマエが上がるだろうという多くのプレイヤーの自然な期待に応えられない、という点があると思います。
バンカラマッチの仕組み
![Splatoon 3](https://assets.st-note.com/img/1663811040095-ZrJvuN1r5K.jpg?width=1200)
スプラ3のバンカラマッチでは、シンプルなポイント制によってウデマエが決まるようになりました。
ポイントの増減は、バンカラマッチ[オープン]ですとイカの通りです。
勝ち +8pt
負け -4pt(ウデマエSの場合)
上記の場合でいうと、3勝3敗の勝率5割で 12ptプラス、となります。稼いだポイントが規定に達すると、ウデマエがアップします。なお、ポイントがマイナスになっても、ウデマエが下がることはありません。
バンカラマッチ[チャレンジ]は、挑戦するときにポイントを消費し、5勝するか3敗するまでの勝利数に応じてポイントがもらえます。
例えば3勝3敗の勝率5割の場合、挑戦するときに消費したポイントを差し引いても、トータルでポイントがまあまあ増えます。バトルでゲットした表彰も影響し、勝率5割以上ならオープンよりチャレンジの方が効率が良いです。
ウデマエ帯の変わり目には昇格戦があり、3敗するまでに3勝すると昇格できます。昇格ラインの5戦3勝は、勝率にすると6割ですが、100戦60勝の勝率6割とはまったく違うため、普段の勝率が5割くらいの人にとってもだいぶ優しいです。
(期待値という考え方をここで簡潔に説明するのは難しいので割愛しますが、勝率5割くらいの人でも昇格できそうな雰囲気は感じていただけると思います)
なお、昇格戦は昇格後のウデマエ帯でマッチングされるようです(例えばBからAへの昇格戦ではA帯の中に入って対戦するようです)。
スプラ2との違いとして大事なのは、スプラ3では勝ったり負けたりを繰り返す勝率5割くらいでもポイントが増えていくという点です。
この"勝ったり負けたりを繰り返して勝率5割くらい"という状況は、マッチングする敵チームも味方チームも平均的には自分と同じくらいの強さ、なのかも知れませんが、スプラ3ではそのまま試合を重ねることでウデマエがアップします。
バンカラマッチの問題点
下のウデマエ帯で勝率5割の人が上のウデマエ帯に入ったら、勝率5割をキープするのは難しいので、それ以上ウデマエが上がることはありません…? いいえ、ちょっと待ってください。
一人だけが勝率5割くらいで上がってきたのならその通りですが、同じようなプレイヤーが続々と上がってきたらどうでしょう。また、すでに同じようなプレイヤーがたくさんいたらどうでしょう。そのプレイヤーの皆さんは、勝率5割をキープできそうに思えます。
C帯からS+帯までこの状況が連鎖していくと、それなりに長い時間 試合を重ねれば、例えばC帯で勝率5割のプレイヤーは全員、いずれS+に上がれることになりそうです。
バンカラマッチの問題点として、やればやるほどウデマエが上がるだろう、というプレイヤーの自然な期待に応えやすい反面、自分の強さが変わっていてもいなくても勝率5割くらいならウデマエが上がっていくため、ウデマエがプレイヤーの強さの目安にならないという点があると思います。
バンカラマッチの裏側
(2022.9.27 追記)
公式の説明によると、バンカラマッチの裏側にはガチパワーによるレーティング(内部レートといわれています)があるようですが、ウデマエには直接関係ないため引用のみしておきます。
![ガチパワー](https://assets.st-note.com/img/1664241676104-bwVgXygUR3.png?width=1200)
優しい世界
Twitterでも話題になりましたが、私の身の回りでも、スプラ2ではどれだけやっても○帯だったのにSになれた、S+になれた、という喜びの声を聞きます。一生懸命プレイしている人、自分と同じゲームを長い時間プレイしてくれる人が報われるのは良いことです。その嬉しそうな笑顔を見ると、任天堂さんありがとう、という気持ちしかありません。
唯一、スプラ2のウデマエ(=レート)とスプラ3のウデマエ(=獲得ポイント)は中身が全く異なるのに、同じ名称にしてしまったことは、個人的には良くないと思いますが、これは表裏一体なので致し方なしといったところです。スプラトゥーンといえばウデマエ、ですしね。スプラ2であんなに腕を磨いてS+やXになったのに…という悲しみや落胆がありそうですが、誰かが何かを失ったわけではありません。
スプラ2のウデマエとスプラ3のウデマエは同じ名称ですが、いわば別次元。比べられないし、比べなくて良いと思います。
スプラ2のガチマッチは過酷すぎた、という反省が、開発者の中にあるのかも知れません。そこで、ガチマッチ(ガチマ)という定着しきった名称を敢えて捨てて、バンカラマッチとして生まれ変わらせたのだと、私は推測しています。
ちなみに、ガチマッチは英語版ですとRanked Battle(いわゆるランクマ)でしたが、バンカラマッチはAnarchy Battle(アナーキーバトル)となっていて、ランクマから変わったことが示唆されています。Anarchy(無秩序)という単語も、なにかと色んな意味を深読みしてしまいそうです。
Xマッチとは?
今後、スプラトゥーン3に実装が予定されている対戦モードの一つです。
こちらは公式に「ルールごとにXパワーをかけてバトルする」とアナウンスされていますので、スプラ2のガチマッチと同等、または改良されたレーティングとマッチングシステムが導入されるものと思われます。この点、対戦ゲームファンは安心して良いのではと思います。
![発売後のアップデートで、さらなる高みを目指すモード「Xマッチ」が追加されます。](https://assets.st-note.com/img/1663810902747-THbcRcngo6.png?width=1200)
スプラ3で初めてS+になったイカ/タコちゃんも、ぜひXマッチに参戦して欲しいと思います。
Xパワーは1200から始まるのでしょうか?シーズン毎のパワーリセットはどの程度?計測戦はあるの?編成はどれくらい考慮される?
今後の続報を待ちましょう。
スプラトゥーン3は、スプラ2のすべての要素を進化させるであろう本当に素晴らしいゲームになりそうですね。
最後に、もしこの記事を読んで"毒にも薬にもならないね!"と思われましたら、ぜひ有料部分のご購入をお願い致します。
お礼と、毒にも薬にもならない一言コメントがあります。
ほな カイサン!
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