ラブデリック moon エンディング考察(ネタバレあり)

番外編としてsplatoon関係の記事ではなく、1997年Playstationでアスキーよりリリースされたゲーム「moon」のエンディング考察記事です。

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2019年10月10日に22年ぶりにリマスターされ復活したゲームです。

噂は聞いていたものの遊ぶのは初めてです。

クリアしエンディングを見たが一部疑問点が残ったのでどういうことだろうと整理して考察しました。

エンディングの考察ですのでネタバレありです。ネタバレを見たくない人はここでページを閉じてください。

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はい、ここから先はmoonを知っているネタバレ大丈夫だよという人前提になったとして考察をまとめます。

moonのあらすじ

ゲームを遊んでいる少年がゲーステというハードで「moon」というRPGを遊ぶ

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この世界では月の扉が閉じてしまったため、元凶であるドラゴンを倒すというRPGになっている。オープニングの段階で実は開発からのメッセージとネタバレはされている。「幻夢などやめて早く目覚めよ」

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竜の城でラスボスであるドラゴンを倒そうとしたところで母親にもう寝ろと言われゲームを中断する

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寝ようとすると消したはずのテレビが付いており、近づくとテレビの中に吸い込まれ、「moon」の世界の落ちる

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落ちた少年は透明人間となっており、周りから認知されない状態になっていたが、盲目の心優しいおばあちゃんより、孫と勘違いされ、お気に入りの服を支給され、ようやくmoon世界の住人から認知できる存在となる。

少年の名前はRPG「moon」で命名した主人公(勇者)と同じ名前(ひらがなになる)となる。

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少年は夢の中に出てくる女王に促されてラブを集め始める。

勇者が殺した罪のない動物の魂を捕まえて生き返らせたり、moon住民の悩みやイベントを解決したりなどで「ラブ」を集め、活動できる時間と力を付けていく。

最終的にはシュタインヘイガー博士と協力してロケットの部品を集め、ロケットを完成させ月に向かう。

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ようやく月に到着。

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少年はラブを集めさせられていた月の女王(ドラゴン)からmoon世界の住民は奇版(基盤)によって運命が定められており、少年だけが月の扉を開くことができると語る。

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moon世界が閉じ込められて勇者が生まれたきっかけとなった月の扉と対峙。

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月の扉を開けようとするが開けられず、ロケットに潜り込んでいた勇者が目覚め、月の住民(勇者に殺されて復活した動物たち)を殺戮していく。

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最後に月の女王(半身はドラゴン)も殺され、少年も切られ、少年の分身である勇者も消える。

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そこで母親の声が聞こえ、少年は現実世界に戻ってくる。そして、moon世界を救うための決断を迫られる。

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正しい選択は現実世界の扉という扉を開いて、少年にとっての外の世界に出ていくことだった。

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月の扉が開かれ、moon住民は奇板(基盤)の定められた運命から解放され、自由になっていく。

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最後に全ての原因となったゲーム「moon」が販売中止になり、ゲームが終わる。

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これでも短くまとめたのだがmoonのあらすじどうしても長くなる


moonのエンディングの疑問点

基本的にはmoon住民は解放されて自由になった。現実世界に飛び出しているらしき描写がいくつかある。

勇者とそのおばあちゃんの姿はその中には一切ない。

勇者とおばあちゃんはどうなった?

ここからmoonエンディングとその考察が必要となった。


moonの世界の構造について

moonの世界は多重構造となっている。

プレイヤーの世界、少年の現実世界、少年の遊んできたゲームの世界(Fake moonの勇者の観点とReal moonの透明な主人公の観点の2種類)の三重構造。

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moonの現実世界の少年が、遊んだPRG(Fake moon)の影響を落とし前をつけるためにゲームの世界に吸い込まれてReal moonの住民として活動して問題を解決する。moonの現実世界に戻ろうとするシナリオとなっている。


少年と勇者の関係

基本的には両者は同一の存在。

勇者は奇板(基盤)いわゆるゲームのプログラムによって認知を歪められている存在(アバター)。

少年の分身化身でありRPGで遊んできた活動の結果として存在。RPGを遊んだ少年そのものであり、自我はほぼない。

自分の遊んだゲームの影響、落とし前をつけるために少年はReal moonで活動していくことになる。

少年と勇者は相互に干渉している。

例えば

RPGを遊んでいる段階(ゲームに吸い込まれる前)で勇者が城下町で見えない透明人間状態の少年とぶつかる。
少年が起動したマシンによって、勇者のいるフィールドに虹が現れる。
少年の用意したロケットに勇者が潜り込んでラストダンジョンの竜の城に到着できる。

少年の活動の影響を受けて、勇者も先に進めるという相互関係になっている。

先にRPGを遊んで存在しているのは勇者の方だが、先に存在してきたはずの勇者は、実は後からゲームの世界に吸い込まれて活動した少年のおかげで先に進めているという時系列と因果律が歪んでいる関係になっている。


勇者の設定

盲目のおばあちゃんの孫。
月の扉が閉じた影響で、状況を打開するための大臣の計画「白羽の矢の儀」により選ばれ勇者となる。
死ぬまで脱げない鎧を着せられ、ドラゴンを倒しにいく宿命。
moon世界全体で唯一強力な攻撃魔法を使える存在。(他にmoonのなかで超常の能力を使えるといえるのは、神の力を入手したアバー、多次元を移動できるフローレンス、幽霊となったウィスパーなど少数だが存在する)
認知が歪んでおり、正しい世界が見えていない。(見えている世界はFake moon)
鎧を着せられた段階で盲目のおばあちゃんの孫としての自我は喪失している。

どんな孫だったかの情報はほぼ存在しない。

孫として残っている情報は、お気に入りの服がある、白羽の矢で勇者に選ばれてしまった、おばあちゃんの作ったクッキーが好き、などのみ。

そういう孫が存在したということ住民の記憶に残っているが、残された情報が薄いため、実際にはそんな孫は存在してない設定上の虚構の存在であると考えられる。


moonの主人公(Real moon)の能力

先に遊んだRPGの勇者の方が存在しているが、時系列・因果律を飛び越えて勇者の活動に相互影響しているため、時系列、因果律を飛び越える能力を持っていることが示唆される。

またエンディングで全ての元凶でなったRPG「moon」の販売中止の結果をもたらしているので、少年のいた現実世界にも干渉して因果律を変えてしまう能力となっている。

あったことをなかったことにする、後から原因を変えてしまう、原因を変えて結果も一緒に変えてしまう、多次元に渡って影響するという能力になり設定上は強力。


まとめ

勇者とおばあちゃんはどうなった?というエンディングへの当初の疑問への答えは

勇者は最初から存在しない。RPGを遊んでいた少年の分身化身アバターでしかない。孫としての設定は住民に刻まれ影響を及ぼしていた。勇者と少年は同一であるため、扉を開けて解放され少年そのものとして現実世界に旅立っていったということになる。

おばあちゃんは存在する。ただ孫の存在は設定上での虚構である可能性が高いため、月の扉が解放されて自由になった状態でどうなったかは不明。飼い犬のタオと仲良く健やかに過ごせているか、存在しない孫を待ち続けたまま解放されていない可能性もある。おばあちゃんがどうなったかはプレイヤーがそれぞれ想像するしか無くなってしまっている。明確な回答はない。プレイヤーの心にいて、それぞれの思い浮かべる結末で良いということになる。

moonのエンディングがやや難しいのは、

・主人公の能力の本質が分かりやすく説明されていないから。
・勇者が主人公の分身化身アバターであり、同一の存在であり、虚構の存在であること。
・moonのテーマが「ゲームもほどほどにして旅立て、目覚めろ」というものである。

の3点の影響を受けているため。

少年を解放する、moon住民を解放する、プレイヤーを解放するという三重の意味を持つシナリオになる。

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他の解釈の余地も十分にあると思うので、他の方の考察や解釈を否定するものではないことを最後に断っておきます。

あれもラブ、これもラブ

以上

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