「エスパルス最下位脱出への道が見えた試合」
J1リーグ 清水エスパルス vs サガン鳥栖
2022年7月31日 @アイスタスタジアム
清水エスパルスは、コロナの影響でベストメンバーが組めないまま、のぞんだサガン鳥栖戦。前半は守備のミスを含めて2失点。このメンバーなら失点はあると思っていたが、前半早々での2失点は、ホームといえども、意気消沈となるゲーム展開だった。なにしろ、ディフェンスラインの裏に出たボールを目で追うだけで、抜け出した相手選手について行かないディフェンダーがいるチームなら、今日の様な大量失点は、しょうがないと思わせる出来だった。
ただ、その中でも常に100パーセントのプレーを見せるDF29山原怜音がチームに火をつけた。後半17分、左サイドを個人技で突破し中央にグランダーのパスを送ると、走り込んだMF18白崎凌兵がおしゃれなゴールで反撃の狼煙を上げる。この勢いを続けたいエスパルスは、MF10カルリーニョスとこの夏欧州から復帰したFW45北川航也と、加入したばかりのMF33乾貴士を投入。この交代直後に北川のドリブルからカルリーニョスが惜しいシュートを放つ。この後も3人が絡んでチャンスを作ったものの、35分ミドルシュートを決められ1-3と引き離されてしまう。
今までのエスパルスなら、ここでゲームは終わっていたが、この日は違った。36分、FW9チアゴ・サンタナが抜け出しドリブルでゴールに迫りGKを誘いだすと、フリーの北川へ。北川が3年ぶりとなるエスパルス復帰後初ゴール。この瞬間からスタジアムにはサポーターの熱い熱気が沸き上がってきた。
その2分後、乾のクロスから中央に走り込んだチアゴが決めてダイレクトボレーを決めて同点。今までチアゴの動きを生かす選手がいなかったエスパルスで、ついに良いコンビネーションを生む相手が見つかった瞬間となった。ディフェンダーを引き連れながらもゴールを決めたチアゴは、「これが本当の俺だ!」とばかりのリアクションをサポーターに見せつけた。ポルトガルリーグで活躍したチアゴとスペインリーグで活躍した乾。イベリア半島コンビによる活躍が、これからも期待が出来る。
勝ちきれなかったエスパルスは最下位脱出できなかったが、後半の勢いのある攻撃力をこれからも続けていけば、勝利が近づいてくるに違いない。次節が楽しみだ。