タイヤを買った話
札幌市八軒。
事件はそこで起きました。
やってしまった…!!!
12月11日。
どうしても外せない用事があり、車で札幌に行っていました。
前住んでいた家の近くを走行中、ちょっと見通しの悪い交差点。
慎重に車の先を出しながら…車来てないかな…そろそろと確認します。
一台来てるけど、全然余裕あるし大丈夫。
そっと右折していくと、何と交差点から勢いよくその車が出てきてしまいました。
思いの外自分の読みより速度が速かったみたいです。
これはまずい!と思った自分。ここでブレーキを踏んで止まっておけば良かったのですが
何を考えたのか、相手の車が来る前に曲がり切ろうと考えてしまいました。
ちょっとオーバースピードで交差点を右折。そうしたら左フロントから「バン!」と大きな音が…
あー…やってしまった。車がまっすぐ走りません。
ちょっとオーバースピードで突っ込んでいったので、曲がった先の縁石を見落とし、曲がりきれずに左フロントタイヤを縁石に擦ってしまいました。
勢いがあまりにも良かったせいで左フロントがパンク。たちまち走行不能になってしまいました…
これからめっちゃ忙しいのに何てことを…
免許上は無事故無違反の自分ですが、フロントガラスを割ったり、今回のパンクといい、車を大切に扱わない傾向があります。
自分なりには丁寧に乗ってるつもりなのに…もー…
しかも今のタイヤ、まだ1シーズンしか使用してない綺麗なタイヤ。(ピレリ アイスアシンメトリコ)
それが非常に悔しい。めちゃくちゃ悔しい!
とりあえず用事の時間もあるので、近くの駐車場に車を置き、急いでスペアを履かせます。
10分もあれば作業完了。タイヤ交換だけは大得意。
車を置いて用事を済ませに行きます。
用事を済ませている間も気になるのは車のタイヤ。スペアで函館まで帰れませんので、どこかで買わないといけない。
用事が終わったのは夜20時。今夜はとりあえず札幌に一泊して、次の日にタイヤを探す事にしました。
タイヤを探す旅
日が変わって12日。
カー用品店の開店に合わせて行動を開始します。
今回、タイヤを調達するにあたって四つの選択肢がありました。
①4本新品で調達する
②4本中古で調達する
③左フロント1本だけ買う
④鬼のスペアタイヤで函館帰宅
手持ちのお金が無いので、できれば③で行きたい。
けどこれから中山峠を越えて帰らないといけないことを考えると、バランスの悪さからスピンしてしまうかもしれない。
④は当然論外な話で。
②を選択したところで、来年また新品を調達しないといけないかもしれない。それはまた困る。
それに今の車にジャストフィットするタイヤがあるとは限らない。
ここは仕方ないので①の新品4本交換で行く事にしました。
内弁慶発動
開店時間になり、急いで赤と黄色の看板が目印の某カー用品店に向かう。
開店直後というのもあって、スタッフの方は皆忙しそうにしている。
お店では基本的にスタッフの人に話しかけてほしくない自分。セールストークをされると断れなくて買っちゃう傾向にあるし、自分のペースで買い物をしたいから。
しかし今回は別。自分から聞かないとどうにもならない。けどこういう時に限って皆さん忙しそうで話しかけにくい…!
どうしよう…誰にしよう…
結局タイヤコーナーの近くにいたお姉さんにお尋ねする事にしました。
面倒なお客さん
勇気を振り絞って尋ねてみた。
「タイヤ…探しているんですが…」
恐らくスタッフの方は「こんなタイヤオフシーズンに何故買いに来るのだろうか…」と思われたに違いない。
いかにも不思議そうな感じで「サイズをお願いします」と聞いてきた。
自分が探していたのは215/50の17インチスタッドレス。
これだけでどんな車に乗っているのか、わかる人にはわかるのかもしれない。規定サイズのスタッドレスが高過ぎてこのサイズにしているのもお見通しかもしれない。
これを聞いたスタッフのお姉さんはさぞかし困ったはず。
タイヤが大き過ぎる。こんなタイヤオフシーズンに大きなタイヤを在庫として保管してあるお店の方が少ないはず。
自分もそれはわかっていた。かなり面倒な客だ。でもそれでも探さない事には家に帰れない…!
頼む、見つかってくれ…
「ちょっと待ってくださいね…」
店内の在庫を調べてもらうが、勿論あるはずがない。
「すみません…うちには在庫が無いんですよね…」
終わった。帰れない。スペアタイヤで市内を走り回れば見つかるかもしれないが、これ以上運転するのはちょっと危険。
近くのタイヤ屋に在庫がないか調べてもらう。
結果として1セットだけ見つかったのだが、あるのは北広島の輪厚。店頭に届くのは早くても17時とかになるらしい。
これじゃ明日の仕事に支障をきたしてしまう。もっと早くならないものか…
恥ずかしいがスタッフのお姉さんに事情を説明した。不注意でパンクさせてしまって1本だけでもいいからタイヤが欲しい事、今日中に函館に帰らねばならない事。できたら4本交換したいが、スペアタイヤで市内を走って探すのはちょっとやめておきたい事…
取りに行かせます
それを聞いたスタッフのお姉さんはとっても親身になって考えてくれた。
「スペア危ないですよね…かといって1本だけの交換は、バランスが悪くなってスピンしたら困るのでお勧めしません。他店在庫を確認するのでお待ちいただけますか…?」
とりあえず事情をわかっていただけただけ良かった…あとはスタッフのお姉さんに託すのみ。
スタッフの方が段々集まり出して、いろんなところに確認を取っていただいた。
そのおかげもあって他店在庫は二つ見つかった。ただその一つは他のお客様の取り置き分。もう一つは通常在庫だが他店にある。
自分がそのお店まで車を自走できたらいいのだが、あいにく車を走らせることが出来ない。
どうするべきか…
「これから取りに行かせますので大丈夫です。14時には作業できますが…」
もう神かと思った。わざわざ他店まで取りに行っていただけるとは…
14時なら函館に帰れる。ピットスタッフの方にも早めに入れていただいて、とても感謝だ。
当たり前の事がとても嬉しかった
お店としては当たり前の対応をしただけなのかもしれない。
だけど自分にとってはこれ以上無い最高の接客であった。
面倒なお願いに対して「どうにかできないか」と考えて、他店に電話したり、タイヤを取りに行く人を探したり、ピットの空きを調べたり。
なにより嫌な顔を一つせず、何かできないかと手を尽くしてくれた事がとても嬉しかった。
自分も接客業の端くれとして、日々頑張ってやっているつもりだが、今回の接客を見て「自分、まだまだできることあるのかもな」って、考えさせられました。
お客様の為に出来ることを最大限尽くす。この姿勢に感動してしまいました。
感謝状
これから初めての感謝状を書いてみようと思います。
どうしても嬉しくて、嬉しくて、ありがとうございましたって言いたくて、メールではありますが書いて送ってみようと思っています。
社会生活ってありがとうのリレーなのかもしれないなと思います。ありがとうをもらった人が、また別の嬉しい出来事に対してありがとうを伝える。それを繰り返していけば、一人一人の心にゆとりと幸せが生まれるのではないかなと思います。
この気持ちを大切に、これからも生きていきたいですね。