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年上の後輩Ⅴ

写真について

同期と例の後輩を連れて東北旅行に。
八戸は綺麗に晴れてて清々しかったです。

諸事情でカレーNGな後輩と、自分の同期と三人で紅葉狩りをしてカレーを食べてきた。
当時、今の職場に転勤してきてまだ半年の新参者。職場に話せる人がいなかった自分にとって、その後輩はとても心強い存在だった。
これを機にこの三人で集まることが増えた。色んな所に行く機会も増えた。
真冬の旭山動物園に行ってペンギンを観に行ったり、真冬の函館に行って函館山からの夜景を楽しんだりもした。夏には三人で東北にねぶた祭りを観に行きつつ観光しに行ったりもした。

どれもこれも楽しすぎて語り尽くせない。
一緒にいて落ち着く。なんでも言える。それだけで十分。
本当に、それだけ十分だった。
そばにいてほしい。

後輩には彼氏がいることを知っている。会うたびに何かと相談されたりもしていた。
幸せになって欲しいなとアドバイスをする反面、少しずつ素直に喜ぶことができなくなっている自分がいることに気がついた。
ああ、気になっているんだな。それしかないよな…

どうにもできないこの想い。
どうにかしようとするわけでもない。
仮に「好きです」と伝えたところでうまくいかなかったらどうしよう。
そしたら今までいい感じで作り上げてきた関係事態が崩れ去ってしまう。
それが一番嫌だった。
行動を起こさないとどうにもならないけど、どうしようもできない。

当の後輩は自分の気持ちになんかこれっぽっちも気づいてない。
元々知り合ったきっかけが会社の先輩と後輩なので、自分の存在はそれ以上でも以下でもないのだ。

「逃げ」と言われたらそれまでだけど、逃げた。
真っ向勝負を避けた。
この気持ちは墓場まで持っていく。そう決めた。

出会ってから半年以上経ったある日、後輩から連絡が来た。
「お付き合いしていた男性と別れました…」

嘘でしょ…

#あの恋

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