年上の後輩Ⅰ
写真について
前から気になっていた宮田屋珈琲豊平店に行ってきました。レンガ調の造りが本当にレトロで過ごしやすい雰囲気でした。夜遅くまでやっているのでいつでも行けるし、おススメです。
思い出してしまった
「#あの恋」と言われたら、書きたくなってしまいました。
社会人になって仕事もがむしゃらにやってきて、時折失敗もしたけれど、どちらかと言うと恋愛での失敗が多い気がします。
相手の女性に対して酷いこともしてしまったこともあります。「俺は素行の悪い奴だぜふはははは!」と自慢するわけじゃないですが、これからの戒めの為にも、連載で書き残していくことにしました。
いつ終わるかまだ未定ですが、よろしければお付き合いください。
年上の後輩Ⅰ
カフェに入った。
隣ではカップルが最近あった事、各々の家の事、引越し先が治安悪いだの言いながらスイーツを食べている。
弟がいる、うちの妹は…など話題が全く尽きない。お互い楽しそうに話をしている。それに聞き耳を立てながらこれを書いている自分。暇人かよ。いや、気持ち悪いか。
しかしお互い幸せそうだ。時間が過ぎるのはあっという間だろう。ちょっと、羨ましい。
こんな自分でも、気になる人がいた。その人とは今でも付き合いはあるけど、諦めた。
「好きです」って言った瞬間、関係が壊れるのが怖くて、このままの方がお互い長く楽しい関係で居られると思った。ただ、どちらかが結婚したら終わりだ。有限の付き合い。
失敗を恐れた。自分に自信がなかった。
出会いは自分が初めて転勤した職場の休憩室だった。
新しい職場で中々馴染めない自分。先輩方はめっちゃ怖い。休憩室に一緒に異動になった同期がいたらとても幸せだった。心が休まる。
仕事がひと段落し休憩室に戻ると、偶然同期が一人いた。嬉しくて色んな話に花が咲く。
周りに他の人がいない事を確認してから「この職場に中々馴染めないんだよね。」と少しぼやくと、後から知らない女性二人が入ってきたので話題を変えた。
話題を変え、同期と仕事の話をしていると、後から入ってきた女性のうちの一人がずっと自分を見ている気がする。
非常にスラッとした出で立ちで眼鏡をかけている。見た感じ頭もキレそう。如何にも「仕事のできる女性」って感じだ。
「気のせいだよな、自惚れるな自分。」そう思っていた。
しかしその後もその女性からの視線を感じる。いや、確かに感じる。
その女性は細い赤縁の眼鏡をかけていたのだが、眼鏡の奥にある透き通った一重の瞳から真っ直ぐに突き刺さる様な、いや、イチローのレーザービームみたいな視線が、自分の顔ではなく、自分の名札をじーっと見ている。その視線の熱量で名札が溶け出すのではないだろうか。
名札ってそんなにジロジロ見るものか?たしかに自分の苗字は周りには少ないと思うけど、かなり珍しいと言うほどでもないと思う。
ていうかそんなに見るならとりあえず声かけろよ。なんだ、心の中で「この人の苗字、少し変わってるよね笑笑」なんて思っているんだろうか。
と、見られていることに内心イライラし始めた時、その時は突然訪れた。
「あれ?もしかしてすぱいすさんですか?」
突然声をかけられた。
え、自分、貴女のこと、存じ上げませんけど!!!