撮影の遠征とは冒険である
NiSiフィルターホルダー:SAMYANG F2.8 14(10)mm広角レンズ専用
NiSi光害カットフィルター:ナチュラルナイト 150mm×150mm
購入しました。フィルターのサイズが一回り大きいものしか使えなかったので1万円ほど予算オーバーしてしまいました(遠い目)
後はハーフトーンフィルターなども欲しいんですがこっちはまあ追々。
天の川の撮影に成功してからと言うもの、自分が撮りたいものはあるんだけど目標を達成した反動で心が空虚になってしまっていました。
しかしこのフィルターが新たなモチベーションとなりそうです。
購入してからお復習いの意味でこれまで巡ってきたスポットにもう一度行って、フィルターを使ってどのように撮れるか試したくてうずうずしていましたが残念ながら先日の休みは暴風雨で身動きが取れませんでした。
今まで行った撮影スポットは大野自然公園、白山神社と道の駅しらやまさん、十二ヶ滝、加佐ノ岬、大聖寺川、一里野スキー場、安宅の浜、手取湖、白山市山奥のホタルの里、敦賀市の道沿い、余呉湖、白川郷、秘密のスポット(2カ所)、そして白山別当出合。一部メジャーなスポットはありますが、ほとんどは撮影時間に人のいない場所でした。
初めて遠征に行くところは大体日中に偵察に行き買い出しをして夜に備えます。明るく安全なうちに撮影場所の目星をつけると言うのが主な目的です。
しかし北陸は天候が変わりやすいのでとっさに場所を変えることもあります。なので片道50キロ圏内なら別の日に偵察に行って、当日は自宅で天候をギリギリまで見て夜に移動というのが多いですね。
かなりのビビリなので初めての場所は過去に死亡事故がなかったか、心霊スポットではないか、事故などを含め何かあった時近くに助けを求められる所があるかなども調べます。
撮影のためにとある山の話を調べた際、展望台の奥では昔首つり事件があってまだ話も残っている、その逆の道は古い墓標があり落ち武者の霊の目撃談が・・・ということがあり、諦めたこともあります。何せ一度山奥の廃村に呼ばれた経験がありますので・・・
キャンプなどもしたくはありますがまず準備も後片付けも面倒だしゴミも出したくないので基本は車中泊と地元のお店で弁当などを買い出しです。
今の所休みをまとめてとれないので大体朝帰りか粘って一泊(昼に寝て次の日の朝帰り)です。なのでよく職質されます。某所轄では顔を覚えられていて、「いい写真撮れましたか?」という反応ですね・・・w
日中は偵察や移動で通り慣れた道も、夜は別の顔を見せます。野生動物は滅多に見ることはありませんが明かりのないところ、人気の無いところは道を覚えていても必要以上に警戒感が増すのでとにかく行くだけで疲れます。見てはいけないモノはまだ見ていません。(安宅の浜なんて昔は北の方からの密航者が深夜に上陸してたと言う話も)
なのでコンビニに寄り道して休憩も多くなります。日中なら1時間でつく場所が夜中の移動だとその二倍とくらいですかね。
この前の初ロケである別当出合はかなりの強行軍でした。別当出合の道のりは知っているのですが、自分の車で行くのは初めてです。しかも麓の街はコンビニなどない。ギリギリまで天気を見ていたので睡眠時間が足らない。
しかし新月に近くて更に月が出ておらず快晴。別当出合は最高条件というのは予想していたので逃す訳にもいかず19時に出発。コンビニで栄養ドリンクなども含め買い出し休憩しつつ別当出合へ続く山道の入り口ある白山公園まで来た時は21時半でした。
夜中の山道は想像を絶する怖さでした。舗装はされていますが、2車線の道路部分などあまりなく、相互通行の場所、急勾配、急カーブは多い。道路の脇は崖です。落ちたら死にます。
白山ホワイトロードの方が何倍もマシだ・・・(だけど夜間は封鎖)
街灯のない道をおっかなびっくり時速20~30キロで進み中間地点の旅館兼キャンプ場に着いたのは1時間後でした。ここで30分休憩。
そこまでにびっくりして道路を走って逃げるタヌキを3回仕方なくカーチェイスしたり(多分同一個体)、天井に小石が落ち来た音がしたり(びっくりしてブレーキ踏んだ)、脇道から流れる少量の水が凍結してたり、携帯の電波は休憩場所まで圏外だったり、トイレ行きたくて泣きそうでした。
休憩が終わって出発しても別当出合までまだ時間がかかりましたが。
別当出合は明るいうちに移動しておくべきだった、と反省するも相互通行場所が多く「昼のほうが車通るんじゃね?だったらいやだなぁ」と言う懸念もあります。夏になると旅館から別当出合までシャトルバスがでていて、土日などはマイカー規制もかかりますからね。
別当出合は翌日朝一で登山目的で車中泊している人が何組かいるくらいで撮影に来た人はいませんでした。
別当出合はまだ冬の気温というのは知っていたので防寒対策はばっちり。キャンプに使うようなジェットボイルとコーヒーがあれば完璧でした。
一緒に撮りたいこと座流星群は山の向こうで見えていない。よし試し撮りするぞと準備をしたらヘッドライトがない。
痛恨のミス。
あれがあるのとないのとでは準備時間にかなり差が出るんですよね。真っ暗だから足元の安全確保にもなりますし。仕方ないのでスマホのライトで準備しますが手がふさがったりしてとにかく不便。ヘッドライトは必須。
しかし寒い。調べたら-1度でした。だけど肉眼で天の川がはっきり見えたこと、試し撮りでこれまでに無く綺麗に天の川を撮れたことに感動して夢中で撮影していました。
こと座流星群も撮りたかったので少し車内で休憩して、あとはカメラがブルーモーメントを捉えた4時くらいまでずっとパラメータをいじりつつ撮影していました。
とにかく今この時をカメラに残したい、その一心です。
ブルーモーメントで天の川がぼんやりし始めた頃、惜しみつつも撤収を決めました。駐車場で少し寝ていこうかと思ったのですが登山者の車とあの山道を行き交うのがいやだったのでまずは下山です。
朝4時とはいえ3台の車とすれ違いました。暗い道での相互通行は結構怖かったです。
スピードを抑えてもわりと早く下山できて、一番近いコンビニにたどり着いた頃にはもう明るくなっていました。しかし山沿いなのでまだ寒い。気温4度。
コンビニで暖かいラーメンを買って車内で食べる。至福のひととき。
私は朝帰る頃にはこうやって打ち上げのように何か食べます。
いつもと違うことをしている特別感。これが楽しい。
この日は天の川が撮れたことで達成感も大きかったです。
遠征計画も、撮影も、遠征もとても楽しい。
目がさえまくっていた私は念のため眠気覚ましのコーヒーも用意して帰路につきました。
これからもこんな充実した遠征ができるといいな、と思いつつも交通事故だけは洒落にならないので、今回のような強行軍はやめようとおもいました。