極寒の課題インタビュー
著:岩井
起業というのは自分が思っていたよりもとても地道な作業だ。私たちは新年明けて間も無くの1月3日に海老名SAでクソ寒い中課題インタビューをしていた。
起業をしようと決めたはいいが、事業ドメインすら決まっていない。投資家や共にスタートアップで働いてくれる人を探そうにも、自分たちが何をやるのかが決まってなければ、門前払いである。必死にブレインストーミングしても出てくるのは、万人受けするようなノンベンチャーなアイデアか、自分たちの興味からは外れたアイデアであった。アイデアというものは出そうと思えば思うほど出ないものである。
いくら話し合っても腹落ちするようなアイデアが出なかったため、休憩がてら雑談していた。そんな時ふと私が高校の頃片道10km以上の道のりを自転車で通学していた話をした。私の自宅から高校まではバスしか交通手段がなく、車酔いがひどい私にとって3年間毎日約50分バス通学するのは無理ゲーだったからだ。
そこから話は「乗り物酔い」に移っていった。小さい頃は誰もが経験したといっても過言ではない「乗り物酔い」はなぜこれといった解決策がないのだろうか。もちろん酔い止めはあるが、それは何十年前からさして変わってない。
面白そうだ。私たちは早速課題の検証を行うことにした。場所は私がもっとも車酔い状態で訪れているSAに決定した。年明けすぐにインタビューに行こうと決めた私たちは、20枚のアンケート用紙を握りしめ、海老名SAへ向かったのである。