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なぜ男は3K労働を選ぶのか

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こんにちは、花つ葉です。はじめましての方、どうもはじめまして。この記事に関心を寄せてくださりありがとうございます。

noteへの投稿は2回目です。今回は「なぜ男は3K労働を選ぶのか」について思うところを書いてみたいと思います。

3K労働とは

3K労働とは、「きつい」「汚い」「危険」な労働を、頭文字をとって3Kと呼びます。一般的には建設・土木、ゴミ処理などの肉体労働や、警察官や看護師、介護士など勤務・労働条件の厳しい職業を指します(人事労務用語辞典から抜粋)。

3K労働はこれらに限らず、例えば自衛隊、原発作業員、遠洋漁業、食肉加工業(屠殺業)、炭鉱労働(まあ日本ではほとんどないですが)など、色々あります。これらの中には実質的には(女性でも従事可能な)軽作業が中心だったり、大して汚れない仕事もあったりしますが、3Kのいずれかの理由により「やりたい人が少ない」という点が共通しています。3K労働は何も肉体労働だけに限らず、例えばブラック営業なども「やりたい人が少ない」という意味では3K労働です。

言わずもがなですが、一般に3K労働に分類されそうな職業の男性比率は著しく高いです。例えば、建設、電気ガス水道などのインフラ、運輸の女性比率は3割以下。自衛官で6.5%(2018年)、漁業約13.7%(2017年)、警察官9.4%(2019年)。鉄道線路工事は2015年には0%、鳶食は0.83%というデータもあります。看護師や介護分野など、女性比率が高い職業もありますが、それ以外では3K労働がいかに男性によって支えられているか(女性に選ばれていないか)、よく分かると思います。

【参考】産業別就業者の女性比率

3K労働を選ぶ理由

3K労働に従事する人の中にも、例えば自衛隊を天職だと思ってる人もいるでしょう。誇りをもって食肉加工業に従事している人もいるでしょう。使命感をもってゴミ処理にあたる人も少なくないと思います。

しかしそう言った崇高な方だけでは、社会が必要とする数の3K労働者を確保できないのが現実です。ではなぜ3K労働者は、やりたくもない3K労働を職業として選ぶのでしょうか。

「生活のため」。恐らくこれが答えではないでしょうか。3K労働のうち、看護師や介護職には女性の方が多いですが、男女問わず、生活のためにやむを得ず3K労働を選んでる方が多いのでは、と私は思います。

さて男女問わず生活のために選ぶ3K労働ですが、この「生活のため」の意味が、実は男女で大きく異なることにお気づきでしょうか。

男性が言う「生活のため」は多くの場合、大黒柱として家族を養うことを意味します。たとえ未婚者であっても、将来的に結婚を考えるなら「家族の生活のため」の選択と言えます。

それに対して女性の「生活のため」は、夫の稼ぎでは足りない家計支援、あるいは自分一人の生活のため、せいぜい自分と子供の生活のためです。期待される稼ぎの金額が全然違うわけです。

例えば(家庭の事情等で、手に職もなく十分な学歴もない)男性は、ラクチンと分かってても年収100万円のスーパーのレジ打ちを選びません。年収300万円の建設労働を選ぶでしょう。将来結婚したい男性も、年収100万円の仕事だと生涯未婚だな、と直観し300万のブラック営業を選びます(100万円の仕事なんかそもそも選択肢に入りません)。結婚している、あるいは結婚したい男性は「自分が選択可能な職業のうち(たとえ辛くて身体生命リスクがあっても)最も稼げる仕事」を当然のように選び、その選択に疑問を持ちません。

これを「ガラスの地下室」と表現する人もいます。男性は別に鉄の鎖で繋がれてるわけじゃない。けども見えないバリアがあり、3K労働に閉じ込められて脱出できない。そんなイメージです。

これに対して女性は、そもそも期待される収入額が低い傾向にあります。将来的に結婚が見込まれる、あるいは夫がいて家計支援だけやればいい場合は、年収300万円の仕事を探さなくても、年収100万円のレジ打ちで無理のない程度に働けばいい。そう判断します。上述した「自分が選択可能な職業のうち(たとえ辛くて身体生命リスクがあっても)最も稼げる仕事」を選ぶ必要がありません。女性の親も、そうした態度を許容しがちです。

この期待される収入額の差。大黒柱という役割の重圧。これが、男性を優先的に3K労働を選ばせていると言えます。男に過労自殺が圧倒的に多い(女性の20倍以上)も理由は同じ。大黒柱としての重圧が、男性に3K労働を選ばせ、過労自殺にまで追い込んでると言えます。

背景

背景にあるのはやはり「男は仕事、女は家庭」といったジェンダーロールです。このジェンダーロールが社会に蔓延しているため、親は息子に「なるべく稼げる仕事につけ」と教えますし、女性も男性には大黒柱となることを期待します。

日本でも昨今は共働きも増え、女性も社会で活躍しています。とは言え、女性の非正規雇用も多く、男女対等に稼いでいる例はまだまだ少なく、男性が大黒柱(女性は家計支援)となるケースが多いのが実情です。女性が男性に大黒柱を期待し、あるいは年収の多い男性を配偶者に選ぶ(上方婚)という傾向が強いことも、男性が「自分が選択可能な職業のうち(たとえ辛くて身体生命リスクがあっても)最も稼げる仕事を選ぶ」という傾向を強化しています。

厳しい言い方をすれば、女性の上方婚志向が「男は仕事」というジェンダーロールを作り、男を3K仕事や過労死に駆り立てているわけです。

以下記事の図表2などから、共働き家庭が増えているとはいえ、男性が大黒柱を担っている例が圧倒的多数であること(共働き社会にあっても、女性の上方婚志向が強固であること)が窺えると思います。

上方婚志向

この問題を解決するには、男性に与えられるジェンダーロールを撤廃すればいいのでは。そう思う人もいるかもしれません。実際、フェミニストは「男も女もジェンダーに縛られない、ジェンダーフリー社会を目指そう!」としばしば主張します。

しかし男性の「男は仕事」というジェンダーロールは「結婚したい」「そのためには女性を養う収入が必要」という2つの柱に支えられています。これを撤廃するには、男性が「結婚を諦める」か女性が「養いを期待しない(=上方婚志向との決別)」のいずれかが必要ですが、果たしてそれは可能でしょうか。

これについては、以下の男性向け恋愛コンサルタントのツイートが非常に参考になると思います。

どうでしょうか。凡百のフェミニストよりよほど真実をついていると私は思います。女性の上方婚志向と、男性の結婚願望(あるいはセックスしたい願望)は、どちらも生物的本能に根差したもので、絶対不可能とは思いませんが、余程の覚悟をもって(それこそ文明を根底から破壊するレベルで)取り組まないと、そうそう簡単に修正や撤廃できるものではない、と私は思います。

いずれ稿を改めて記事を書こうと思いますが、フェミニストは「女性にも悪いところはあった」は認めません。有害な男らしさはあっても有害な女らしさはない。加害者は常に男性であり女性は常に被害者。なので女性の上方婚志向の存在さえ無視するか、無視できない場合には懸命に否定しようとします。そのような問題点から視線を逸らすよう認識では、女性が「養いを期待しない」社会など絶対に来ないし、男性のジェンダーロールは残り続けるでしょう。

フェミニストは多様な女性の生き方を称揚するので「養いを期待する」女性の生き方を否定しにくい、という側面もあります。けどこの「養いへの期待」がある限り、男性のジェンダーロールはなくなりません。フェミニストは「男性もジェンダーロールから降りよう!」と時折主張しますが、本気で降ろすつもりはないのです。いわばフェミニズムは男女双方を幸福にする、と主張するためのポーズに過ぎないわけです。

かわいそう格差

「男たちは別に奴隷的に鎖に繋がれ、ムリヤリ働かされてるわけではない。与えられる待遇に納得し、自らの意思で3K労働を選んだのだ」という人もいます。今の社会ではそういうことになっています。

しかし、であれば「女たちは別に奴隷的に鎖で繋がれ、ムリヤリ専業主婦とか非正規雇用や風俗嬢をやらされてるわけではない。与えられる待遇に納得し、自ら専業主婦や非正規雇用や風俗嬢を選んだのだ」としなければなりません。

ところがフェミニストたちは、上記の女性については「ジェンダーロールを押し付けられる、社会の差別構造が女性を家庭に閉じ込めてやりたくもない家事育児をやらされる、貧困で風俗嬢を強制されてるも同然」として本人の意思ではなく社会構造のせいとする一方、男性については「3Kなの分かってて選んだのなら自己責任、同情の余地はない、職業選択の自由で好きな仕事につけてよかったね」などと一刀両断です。

これはダブルスタンダードのはずなのに、このフェミニスト言説があまりにも強固であるために、我々自身も「女性が本意ではない専業主婦や風俗嬢をやるのは可哀想」だけど「男性は高収入が欲しくて3K労働をしてる。職業選択の自由だし、もっと良い仕事に就けなかった自己責任」と思ってしまいそうになりますが、そうではありません。社会が内包するフェミニストのバイアスに歪められた認識ではないでしょうか。

男性の3K労働が自己選択なら、専業主婦も風俗嬢も非正規雇用も自己選択。専業主婦や風俗嬢が悪しき社会構造やジェンダーロールのせいなら、男性の3K労働も同じ、と思うのですが、どうでしょうか。

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