ニューカペナの街角:新カード独自レビュー①(単色編)
はじめに
顔に飛ばなくなった1マナ3点火力で遺跡ガニを丸焼きにしたいSpirit Loverです(LOは苦手)。
いよいよ新セット『ニューカペナの街角』のフルスポイラーが公開されました!2008年10月発売の『アラーラの断片』以来の友好3色(カード裏面のカラーサークルで隣り合った色のこと)推しセットとなります。多色推奨環境という事で、構築で主戦場としているパイオニアやモダンにどんな影響を与えるのかについても気になります(パウパー的にも)!
それでは前置きはこれぐらいにして特に気になったカードをピックアップしましたので、レビューしていきます!
カードレビューをするにあたって
カードレビューを文章として言語化するのは、初の試みとなります。プレイヤーとしてはまだまだ未熟者ですので、頓珍漢な事を書いている場合も多々あるかと思いますが、温かい目で読んで頂けますと幸いです。
書き手は、構築戦ではロータスコンボぐらいしか緑のカードが入ったデッキを回さない人なので、緑単色のカードに関してはかなり内容が薄いです。
本記事は、自分が主に主戦場としているパイオニア,モダン環境視点でのレビューとなります。スタンダード環境視点でも軽く言及します。またレビューするカードは、書き手の独断と偏見で選んでおります。予めご了承下さい。
新カード独自レビュー
白編
白で特に気になったカードはこの3枚。では各々レビューしていきます。
①魔導士の従者
ETB能力で生成されるトークンのカードタイプがウィザード、本人がならず者のため、ゼンディカーの夜明けで初登場したメカニズム「パーティ」が強化されたと少し話題になりました。
自分はパーティというよりは、トークンを含めれば3マナ4/3というスタッツと1マナを要するものの対象範囲が広くなった審判の使い魔、呪い捕らえ類似トークン生成に驚きました。遂に白のカードもここまで来たかと。白にはマナ税収というカードがありますが、あれは次元の混乱というセットだからこそ許容されていた感はあります。
スタンの白単はパラディン・クラス,スレイベンの守護者、サリアに加えてこのカードの登場により、尚一層コントロールデッキに対して強く出れるデッキになったと思います。
またモダン或いはレガシーのデスタクで霊気の薬瓶から捻り出したいカードが増えたという点も個人的に嬉しいポイントの1つです。ヨーリオン型デスタクで試されるのではないかと思います。自分も是非使ってみたい1枚です。
②救出専門家
デメリットがあるもののETB能力で2マナ以下をリアニメイトするクリーチャー。白のカード、もう何でもありやん!と突っ込まずにはいられないカード。カラーパイとは何ぞや?と思わざるを得ません(汗)
スタンではやっとの思いで除去したスレイベンの守護者、サリアをこのカードで戦場に戻されるという展開が想像しやすいですね。
下環境だとクリーチャータイプが人間であることを活かして、パイオニアのウィノータ、人間デッキで使われそう。ウィノータの誘発能力で戦場に出た場合も救出専門家自身の能力は誘発するので、2度美味しい。
モダンではパイオニアと同じく人間デッキや書き手の愛機であるデスタクで試されると思います。デスタク、人間デッキいずれも霊気の薬瓶を介して、インスタントタイミングでのリアニメイトが可能です。デスタクは固定スロットが多いデッキなので、何を抜くかで悩みそう。
③希望の源、ジアーダ
ニューカペナの街角のストーリーで重要人物だったジアーダもカード化されました。天使限定ですが、白マナが出せる2/2の飛行・警戒。もう1回言います。白のカード、もう何でもありやん!
出したターンの返しで除去されてしまう可能性が高いカードではありますが、生還してターンが帰ってきた場合のアドは凄そう。輝かしい天使の誘発によるトークン生成もトークンを「戦場に出すこと」を意味する為、ジアーダの効果が適用され、+1/+1カウンターが置かれます。
下環境では特にパイオニアの天使デッキで使われそうです。また局所的ではありますが、MTGアリーナ限定フォーマットであるヒストリックのセレズニア天使での活躍が期待できそうです。MTGアリーナで流行って、パイオニアに移植という流れはあるかもと思っています。
彼女自身が伝説のクリーチャーであることから、統率者に据えて天使EDHというのも面白そうです。
青編
ニューカペナの街角は多色推しセットなだけあって、単色カードは一部面白そうなカードを除いて、カードパワーは低めな印象。ただその中からいぶし銀な青のカードを4枚厳選しました。
①帳簿裂き
ニューカペナの街角で登場する新メカニズム「諜議」持ち軽量フライヤー。
書き手は鳥クリーチャーが好きなので、少々偏見も入っての選抜です。
諜議によるルーティングは「~してもよい」という能力ではなく、強制なので運用が難しそうな能力ではあるのですが、個人的にはパイオニアのイゼットフェニックスで試される可能性があると思っています。「プレイヤー1人が各ターンの自分の2つ目の呪文を唱えるたび」なので、対戦相手のキャストに対しても誘発します。孤光のフェニックスを相手のスペルキャストでこちらは呪文を何も唱えずにクリーチャーの誘発だけで墓地に落とせる可能性があるというのは良さげな気がしますが、如何に。
②断れない提案
対戦相手に宝物を2個渡してしまうことに目を背ければ、ピアスでお馴染みの呪文貫きの完全上位互換。デメリットが薄まることからゲーム後半から終盤になればなるほど強くなるカードという印象。神秘の論争が使えない現スタン環境では、カウンターの打ち合いになった時にケアしないといけない1枚になりそう。スタンでは白単が青をタッチしてみたり、宝物に対する牽制役、静まらぬ大地、ヤシャーンを擁するセレズニアミットレンジがバントミットレンジになったり非クリーチャースペルが強い現スタン環境では重宝するかもしれない。
パイオニア以下の環境でも使われる可能性は高く、青単テンポや青単氷雪スピリットでは試されそう。書き手はモダンでマーフォークを組んでみたい勢なのですが、否定の力を買うのを躊躇しているので、呪文貫きと併せて使おうかなと思っています。
あとこれはTipsですが、自分がキャストしたトーモッドの墓所に対して打つと、次ターンにはセットランド込みで4マナまで一時的にランプ可能です。
③とんずら
パイオニアのスピリット、特に青単氷雪スピリット使いには嬉しいカードが来ました。+1/+1カウンターを乗せながらフェイズアウトというのはありそうでなかったカード。潜水ととんずら、どちらを取るで意見が分かれそうですが、とんずらはエンド時に相手クリーチャーに打って、ブロッカーを一時的にどかしてライフを詰めることも出来るため、書き手はとんずら採用派です。メタ環境や相手のデッキにあわせて、渦巻く霧の行進と柔軟に枚数調整といったところでしょうか。
④かき消し
火消しの完全上位互換が登場しました!スタンにおけるゼロ除算の禁止以降、神河:輝ける世界実装まではスタンの打ち消しはかなり弱い印象だったんですが、徐々に打ち消し呪文の選択の幅が増えてきました。
パイオニアには前述の神秘の論争に加えて、ドビンの拒否権、吸収、モダンまで行けばマナ漏出等々より強力なスペルが増えることからかき消しが活躍する場面は少ないと思いますが、スタンではこれから良く見るカードであることは間違いないと思います。トークン戦術でライフを削る今のスタン、特にコントロールデッキなら犠牲1は達成しやすいですね。
黒編
パイオニア,モダン環境視点でのレビューと言った手前、申し訳ないんですが、ニューカペナの街角に関しては黒単色のカードで使われそうなカードは無さそうと判断しました。それでは流石に可哀そうなので、1枚だけ「終末の影」をピックアップ。
ジェネリック死の影と呼ばれていますが、比較にならないぐらい弱いという印象しかないです。飛行等の回避能力もないので、構築戦では使われないだろうと思います。シールド用のドラフトブースターからは出ないで欲しい1枚。せっかくピックアップしたのに辛口レビューで申し訳ない(汗)
統率者戦でおなじみ書き手も愛用している虎の影、百合子に入れるかどうかなんですが、レベル帯を下げる場合には入れるかもしれませんが、通常なら入れないかなと。
赤編
①顔壊しのプロ
ライフを詰めるとご褒美が貰えて、尚且つ宝物をサクると衝動ドロー付くクリーチャー。本人が威迫持ちなのも良い。スタンの赤単や今勢いのあるラクドス系のデッキは勿論のことパイオニアの赤単,ジャンドサクリファイスでも使われる可能性はある。ただ入れる枠がなさそう。リミテッド向きかもしれない。
②大火槌の放火魔
波乱の悪魔が如何にボムアンコモンかを痛感するカード。スタンのラクドスサクリファイスで使って欲しいという公式からの意図は汲み取れます。波止場の恐喝者と一緒に使って悪さしそうなカードではあります。これもEDH向きか。
③大勝ち
主にスタンのイゼット系デッキで使われていた予想外の授かり物が、キャストしやすくなって帰ってきました。
個人的にはニューカペナの街角のリミテッド環境を考慮した為と考えています。貴顕廊(青黒赤)、土建組(黒赤緑)で使ったらメリットあるでしょという感じでしょうか。
パイオニアのジェスカイコントロールで予想外の授かり物の採用実績がありますが、この大勝ちも予想外の授かり物と同様に、使われるのは主にスタンと思われます。今はイゼットコントロールのみでの採用ですが、サクリファイスギミック多めのグリクシスコントロールとかが登場しても使われそうです。
緑編
『カードレビューをするにあたって』の部分に記載した通り、書き手は普段からロータスコンボ以外緑の入ったデッキを回さない人なので、ニューカペナの街角の新カードに関して言及することは避けようと思ったんですが、1枚だけ驚いたカードがあったので、それだけレビューします。それが宝石泥棒。
最初見た時、「エキスパンションシンボルの色、間違ってない?黒じゃなくて銀色でしょ」と疑ったカードです。
3マナ3/3と及第点のスタッツに加え、警戒・トランプル・ETD能力で宝物トークンが1個出る。これでコモン!コモンですよ、コモン!
Card Rush Pros所属の井川良彦選手もツイートで言及されていた程。
個人的にニューカペナの街角のリミテッドではボムコモンだと思っているので、緑が入ってる一家を選択した場合は、是非パックから引き当てたい。
またリミテッドだけに留まらず、パウパーでも重宝しそうなクリーチャーなので、緑単ストンピィ等のアグレッシブなデッキで使いたいですね。
アーティファクト編
単色編として最後にアーティファクト2枚をレビューします。
①ジアーダの贈り物、ラクシオール
メインストーリーの終盤に少女漫画的に登場した装備品がカード化。プレインズウォーカーが遂に武器を握って攻撃する時代になりました!
下環境、特にモダンではウルザの物語からのサーチが可能であるため、PWを多用するデッキ、例えば緑トロンや青トロンがカーンやウギンに付けて殴ってくる可能性は大いにあります。個人的には止めて頂きたい(汗)
ただクリーチャー化するということは、除去やバウンスされるリスクも同時に高まるので、諸刃の剣かもしれません。
また+1/+1カウンターを多用するクリーチャー主体とのデッキ(鱗親和)とも相性が良さそうです。
影槍が少々高騰したことを踏まえ、1枚は買って手元に保管していても良いカードと思っています。
②未許可霊柩車
霊柩車なだけあって墓地を咎める機体。しかもパワーとタフネスが追放枚数を参照するデザイン。カードデザインが面白いなと思い、ピックアップしました。場に出したターンから追放出来ますし、相手の動きを見て咎めることも可能。メカ格納庫でアーティファクト・クリーチャー化したいカードですね。
神河:輝ける世界における大牙勢団の総長、脂牙の登場で誕生したパイオニアの機体デッキで試されそうです。Tier下位ではありますが、スタンの機体デッキでも勿論使われそうです。
『The Brothers’ War』に向けて今後も多くのアーティファクトや機体カードが登場することが予想されるので、気になるカードやメカ格納庫は4枚確保しておいても良いかもです。
さいごに
長々と書いてきましたが、ここまで読んで頂きありがとうございました。
もう少し1枚1枚を深堀りして考察したかったのですが、内容浅めのレビューとなってしまいました。
普段Twitter上のカードレビューを見た上で、頭の中で強いやら弱いと主観に基づいて判断していることを言語化すると、毎回カードレビュー記事を書いているライターさんや動画でレビューされている配信者の方だったり、リミテッド用の点数表を付けて公開されている方々は凄いなと。実際この記事もかなりの時間を要して書いたので、これを毎回実施するのは根気がいるなとなりました。次回以降レビューする時は、もっと厳選して記事にしようと思います。
近日中に土地を含む多色編のレビュー記事を投稿しようと思います。
次回の記事でお会いしましょう!