『イクサラン:失われし洞窟』新カード独自レビュー
はじめに
どうもどうも、ご無沙汰してます。Spirit Loverです。
新カードプレビュー期間中は『遂に《銀エラの達人》の完全上位互換が刷られるかもしれない(筆者は漁協組合員)、これで《オークの弓使い》も怖くない!そしてお祖父様EDHの強化パーツも来るかもしれない』と毎日ワクワクしながら過ごしておりましたが、皆様は如何お過ごしだったでしょうか?
そんな興奮はさておき、今回も筆者が特に気になった新カードの独自レビューをやっていこうと思います。独断と偏見を多分に含みますので、予めご了承下さい。それでは参ります!
白
《不屈の解体者》
昨今のMTGのカードですが、『奔流セット収録であってもかなり統率者戦を意識して刷られている』というのは、読者の方もそこはかとなく感じていらっしゃるかと思います(《機械の母、エリシュノーン》の一件でそれが顕在化したことは否めません)。本カードについてもその常在型能力からそれを強く感じ取れます。統率者戦の所謂タックス系のデッキでは採用される可能性が非常に高そう。筆者も《軍団のまとめ役、ウィノータ》の統率者デッキをいずれ組みたいと考えているので、このカードも1枚は確保しておきたいところ。
《薄暮薔薇の聖遺》
Mark Rosewater氏のヒントの中で一番気になっていたカード。
それなりに重めの追加コストを要求するものの、1マナ護法2の置物除去はやはり強い。中盤・終盤以降腐らない優良アンコモンですね。特にスタンダード,パイオニアでは良く見かけるカードになると思います。今の白は、《忠義の徳目》《婚礼の発表》や《輝かしい聖戦士、エーデリン》といった追加コスト用のトークン・クリーチャーを用意しやすいカードが多数使われているのもこのカードを採用する追い風となりそうです。ただスタンダードであれば《骨化》、パイオニアであれば《岩への繋ぎ止め》という競合になり得るカードも存在しており、実際どれぐらいの採用率となるか非常に楽しみな1枚です。
ただパイオニアのボロス召集に関しては、中盤・終盤で引いた《スレイベンの検査官》や《ヴォルダーレンの美食家》から出るトークンを追加コストとして利用できるため、このカードを採用する可能性が非常に高いでしょう。
《失せろ》
カード名がかなり強烈な1枚。《運命的な不在》の完全上位互換が来ました!《運命的不在》は対戦相手に詫び手掛かりトークンが生成される為、相手に1ドローを献上していましたが、こちらは地図トークンで手札に加えられるとしても土地、また起動がソーサリー限定でクリーチャーがいないと起動できないため、デメリットがほぼないと言えます。
クリーチャー,プレインズウォーカーに加えて、エンチャントも対象に取れるというのは、現スタン,パイオニア環境ではかなり重宝されるのではないかと思います。
青
《川守りの偵察》
今回のプレビュー、コモンに関してだけ筆者の体調不良と重なって、あんまり真面目に見れておらず、師匠に言及されるまでこのカードの存在に気づきませんでした(大反省)。師匠に感謝!
ということで、ほぼ《銀エラの達人》の上位互換となるマーフォークが登場しました!漁業組合員、大歓喜!レアリティはコモンに落ちましたが、そんなことどうでも良いんですよ。
まず戦場に出た時誘発の探検ですが、マーフォークはデッキ内に青ダブルシンボルを要求するカードで溢れているので、青マナが出る土地(欲を言えば基本の島)が手札に入るだけでも本当に嬉しい。そうじゃないにしても2/3になればそれだけで立派なアタッカーです。
そしてこれが一番大事なことですが、探検は『あなたの手札に加える』なので、《オークの弓使い》に引っ掛かりません。大事なことなのでもう1回言います。《オークの弓使い》に引っ掛かりません。そして基本スタッツが1/2なので、たとえオークの弓使いを出されても負けません!素晴らしい!
このカードも早速4枚揃えて使用感を確かめたいと思います。
《深根の巡礼》
前イクサランブロックの《深根の水域》のリメイク(?)カード。複数体のマーフォークで攻撃してもトークンは1体しか生成されないものの、《深根の水域》より軽い2マナであることの利点は大きい。黒単やラクドスミットレンジといった消耗戦を強いてくるデッキに対しての継戦能力は非常に高く、パイオニア以下であればミシュラランドである《変わり谷》の攻撃でも誘発することのメリットは大きい。また筆者が大好きなカードである《海と空のシヴィエルン》の破壊不能能力の維持に貢献出来るのも偉い。1/1トークンとは言え、横にマーフォークロードが複数体並べば無視できないアタッカーである。また有識者により無限トークン生成コンボも既に紹介されている。筆者としては、モダンの青単マーフォークでまずはサイド、環境によってはメインから採用して、使用感を確かめていきたい。
《ティシャーナの潮縛り》
今回のカードプレビューにて《魂の洞窟》再録に次ぐ、いやそれに勝るほど衝撃的だったカード。漁業組合員として鼻血出そうでした(汗)
レガシーではお馴染みの《もみ消し》内在瞬速クリーチャーであり、一部カードタイプについては、もみ消した対象のパーマネントの能力を全て失わせるという常在型能力まで併せ持つ超優秀なお魚。現下環境(パイオニア,モダン,レガシー)はカード名の如く縛っておきたいカードが多過ぎるので、大活躍が見込めそう。マーフォークデッキの枠を超えて、クリーチャータイプがウィザードであり《アノールの焔》とのシナジーも見込めることから、モダンの青赤コントロールでのスペル兼アタッカーとしての採用も大いに考えられます。要求マナがシングルシンボルであり、青いデッキなら何でも入るカードとなれば需要の急増も考えられることから、欲しい方は初動で必要枚数を抑えるのがよろしいかと。個人的にも『1000枚買え枠』です!早く使いたい、バイアル捻って出したい!!
黒
《税血の刃》
パウパープレイヤーとしてこれは!と思った1枚。フラッシュバックを失ったアーティファクト版《チェイナーの布告》!アーティファクトであることがパウパー的には非常に重要で、仕事を終えた後に《命取りの論争》《勢団の取り引き》の追加コストと出来るので、一石二鳥。勿論マナフラ受けとして終盤にひっくり返して、じわじわとライフ差を付けることも出来る。
主にグリクシス親和、カルニブラックでの大活躍が見込める1枚となりそうです。筆者も早く使用感を確かめたい!
《苦々しい勝利》
筆者の師匠も注目していた1枚。
筆者が来年挑戦するデッキ、レガシーの『黒単リアニメイト』での活躍が見込める1枚。《骨の破片》より1マナ重いものの、手札を1枚捨てながらインスタントタイミングでクリーチャーまたはプレインズウォーカーを破壊出来る利点は大きい。たとえ対戦相手が自分の盤面を維持する為カウンターを打ったとしても次ターンで《動く死体》または《再活性》で墓地に送ったクリーチャー(主に悪魔,天使,執政官)を釣られる可能性が非常に高く、結構嫌な二択を迫ってくる1枚と言えます。
《アグロゾスの放血者》
『2倍のライフを失う』という文言がやはり強烈なのか、予約段階でもそれなりのお値段を付けている1枚。但し黒の4マナと言えば《黙示録、シェオルドレッド》が居る為、採用率や採用枚数についてはデッキを選ぶと感じる。パイオニアであればトリシン込み4マナであることから《アスフォデルの灰色商人》とは自身の効果と相まって非常に相性が良く、黒単信心で採用される可能性が高い。4マナ,5マナ目の動きとしては非常に綺麗。
赤
《鎌爪の猛獣》
『クロックパーミッションとコントロールデッキに何か恨みでもあるんですかね?』としか思えない1枚。青泣かせな1枚ですね(汗)筆者名から想像するに容易いかと思いますが、筆者はパイオニアのスピリットデッキを愛してやまないプレイヤーなので、こういうカードが出てくると涙目になります。対赤系デッキはただでさえ不利なのに…。対クロパ,コントロールの刺客としてスタンダード,パイオニアの赤系デッキのサイドボードからの活躍が見込まれます。またマスカン(マストカウンター)クリーチャーが増えた…。
緑
《中心核の瞥見》
これまでスタンダードでは3マナが多かったランパンカード、遂に2マナで登場です。2マナランパンカードの必要性については先日師匠に説明して貰って腑に落ちたのですが、この場で言語化出来ずに申し訳ないです(カードパワー的な視点で見た3,4ターン目の動きについての解説とそれを踏まえての2マナランパンの存在価値・意義)。
ランパン対象が基本森なので、採用するデッキは選びそうではあります。スタンダードであれば現Tier1である版図ランプデッキでの採用が真っ先に思い浮かびます。2マナ《中心核の瞥見》、次ターンセットランド込みで《ゼンディガーへの侵攻》と2ターン連続のマナ加速も手札次第では可能であり、《偉大なる統一者、アトラクサ》の素キャストも見えてきます。パイオニアであれば、緑単信心が《狼柳の安息所》の代わりに使う可能性も大いにありえます。ただ《狼柳の安息所》は、置物破壊に弱いものの自身の起動型能力によるアタッカー生成というおまけが付くとともに、はずれではありますが、《収穫祭の襲撃》からの捲れを考慮してもこちらに軍配が上がる可能性が高そうです。
《洞窟探検》
1マナ重くなった《成長の螺旋》の置物版みたいなカード。それだったら《成長の螺旋》で良くない?とは思うのですが、注目すべき点は下のインクの染みみたいな一文。スタンダードであれば各種トライオームが確定アンタップインで戦場に出るため、《力線の束縛》を適切なタイミングでキャスト出来る可能性も高い。前項の《中心核の瞥見》と同様にスタンダードの版図ランプで使われる可能性もあると考えます。
多色
《溶岩舌のゾヨワ》
カード効果的にパイオニアのラクドスサクリファイスと非常に相性が良いなと感じた1枚。猫かまどでお馴染みの《大釜の使い魔》と《魔女のかまど》と本カードを組み合わせることにより対戦相手に対して継続的にハンデスorパーマネント生贄or3点ダメージのいずれかを強要できます。本人が接死持ちなのも偉い。伝説のクリーチャーではある為、4枚デッキに積むのは躊躇するものの、《税血の収穫者》を数枚本カードにスプリットしてアリーナで回してみたいと考えています。
《溶鉄の崩壊》
初回登場時にTLがざわついた1枚。《戦慄掘り》の完全上位互換。
モード選択が出来る時点で偉いのですが、落魄条件を達成していた場合両方を選択できる仕様。パイオニアのラクドスミットレンジでは、戦闘以外に《税血の収穫者》から生成される血トークンの起動型能力によるルーティングによりパーマネントカードを墓地に落とすことで、落魄を達成することが多そう。
モダンともなればフェッチランドにより容易に落魄条件を達成できるため、Tier1デッキであるラクドス想起のサイドに採用されている《戦慄掘り》は全て本カードに換装されるでしょう。さらば《戦慄掘り》。
アーティファクト
《タリアンの魂断ち》
無色1マナ装備品ってだけで《ウルザの物語》ユーザーとしては鼻息が荒くなります。筆者はレガシーで8-Castをサブデッキとして握っているので、まずはそれ目線でレビューすると、やはり《影槍》の魂絆は《古の墳墓》の2点ライフペイ分を補うという意味でも本カードよりもベターかなと感じます。警戒はありがたい場面もあるにはあるのですが…。
本カードが一番輝くデッキは、『鱗親和』ではないかなと思います。+1/+1カウンターを置けること自体かなり強力です。そして+1/+1カウンターを1個でも置くことさえできれば、クリーチャー間のシナジーの誘発や《アガサの魂の大釜》の効果による追放クリーチャーの起動型能力起動も可能となります。なにより鱗親和も《ウルザの物語》を用いるデッキであることも利点の一つです。筆者も是非サーチしてみたいと思います。
土地
友好色ミシュラランド
本項では個別レビューではなく、『友好色ミシュラランド』として5枚纏めて記すものとします。
前弾『エルドレインの森』に引き続いて、友好色ミシュラランドの登場です。前回の記事でも書きましたが、単色ミシュラランドが一つ下のパイオニアで今も使われ続けていることを考えると、タップインがたまに傷ですが、各色必要枚数は早めに購入しておくことをオススメします。
パイオニアに関しては、特に《不穏な火道》は良く見かけるカードになると思います。2/3威迫なのも強いのですが、攻撃時誘発のルーティングが《黙示録、シェオルドレッド》と非常に相性が良い。起動コストが3マナと軽いのも見逃せません。ラクドスミットレンジで良く見かけるカードになるでしょう。またサメが飛んでない!でお馴染みの《不穏な浅瀬》についても起動コストが4マナと少し重いですが、攻撃時誘発が切削なので青黒切削(青黒ならず者)で採用されると思います。また筆者が愛してやまない青黒コントロールでも採用の余地はありそうです。
《不安定な断層》
スタン,パイオニアでお馴染みの非基本土地破壊カード《廃墟の地》《解体爆破場》に新しい仲間が加わりました。起動が1マナと軽くなった代わりに自身は土地を1枚失うものの、詫び宝物トークンを受け取れる保険が付いた安心設計。安定して土地を伸ばしていきたいコントロールでは《廃墟の地》を採用し、デッキ全体が軽めのデッキでは本カードを採用と上手く棲み分けが出来るのではないかと考えます。
モダンで言うと黒単デッキが黒単ポンザとして立ち回ることがあるので、採用されるのではないかと思います。筆者の一時期愛用していたモダンのデス&タックスでも採用されそうです。《魂の洞窟》対策として登場したであろうこのカード、どれくらい活躍するのか非常に楽しみです。
さいごに
『イクサラン:失われた洞窟』の新カード独自カードレビューは以上となります。デッキに即座に組み込んで使用感を確かめたいカードが多数ある新弾だなという印象でした。筆者的には強いマーフォークが来てくれたことが非常に嬉しいですね!最後まで読んで頂き、ありがとうございました。それではまた次の記事でお会いしましょう。
『イクサラン:失われし洞窟』新カード独自レビューは、ファンコンテンツ・ポリシーに沿った非公式のファンコンテンツです。ウィザーズ社の認可/許諾は得ていません。題材の一部に、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社の財産を含んでいます。©Wizards of the Coast LLC.
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