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ニューカペナの街角:新カード独自レビュー②(多色編)

はじめに

皆さん、こんにちは。今回こそは公式発売前にシングル予約するぞと意気込んでいるSpirit Loverです。いよいよ4月22日(金)からニューカペナの街角のプレリリースがスタートします!プレリリースに参加される方は、「務めを果たす」一家は決まりましたでしょうか?
本記事では前回に引き続き、独断と偏見に基づいた新カードレビューについて綴っております。土地,友好2色,友好3色の順でお届けします。それでは参ります(単色編は下記リンクを参照下さい)!

土地編

2021年8月25日に放送された『Magic Showcase 2021』内にて初めてお披露目されたニューカペナの街角。『デーモンを長とする3色の犯罪組織によって牛耳られている』という内容から、イコリア:巨獣の棲処で登場した基本土地タイプを持ったサイクリング付きタップイントライランドの友好色版が実装されるのではないかと発表当初から期待されていました。
そして期待通り実装が決まり、これで友好色,対抗色、計10枚のトライオームサイクルが揃いました!

イコリア:巨獣の棲処の発売から2年の時を経て、10種類揃いました!

今回実装される友好色トライオームのうち、書き手が特に使いたいのは、ラフイーンの塔とスパーラの本部の2枚です。

ラフィーンの塔,スパーラの本部の実装により、モダンで愛用している青白コンをエスパーコン,バントコンに派生させて回してみようと思っています。

下環境に目を向けると、モダンではフェッチランドと呼ばれる強力な土地が使用であり、レンアンドオムナスは言わずもがな、今巷で話題のタメシブルームなど4C主体デッキの5C化が考えられますし、書き手がよく対戦する5Cニヴは、デッキの安定性が向上したと言えます。(フェッチランドについては下の動画を参照下さい。)
ただ一方で環境の多色化を咎めるカードがぶっ刺さりやすくなることも意味しており、サイド用の広がりゆく海,血染めの月月の大魔導師等のカードは値上がるかもしれません。

スタンやパイオニアでも使われることは必至であり、ダブルシンボル制約が強めのデッキ、例えばスタンのエスパーミットレンジやフレンドでは重宝されると思われます。また今まで2色で回されていたデッキがタッチ3色になったりとデッキの多様性が生まれそうです。個人的にはグリクシスやジャンドカラーのデッキが流行るのではないかと考えています。特にモダンで遊ぶなら各色最低1枚は入手しておきたいですね。

2色編

青白

ドラニスの判事とともに統率者戦でヘイトを集めそう

多色カード2色編、まずは青白から。ピックアップしたのは、「策謀の故買人」。真髄の針魔術遠眼鏡とはまた違った絶妙な縛り方をするヘイトベア。縛るならまだしも縛ったカードの起動型能力を借りパクします
色拘束が厳しいながらも2マナ2/3というスタッツは優秀。ただ残念ながら既に戦場に出ているパーマネントの起動型能力を縛る為、現スタンで強力なプレインズウォーカー着地後の本カードのキャストは、悠長かもしれません(寧ろ今のスタン環境なら真髄の針の方が強いのでは?)。
下環境では特にモダンで重宝されそうなカードな気がします(土地も縛れたら最強人間やったのに)。霊気の薬瓶や石鍛冶の神秘家の起動型能力を借りパクされそうです(デスタク目線)。
おそらく一番重宝されるのは統率者戦と思われます。魔力の墓所ソルリン等のマナファクトを借りパクすることで、デッキによっては策謀の故買人を起点に無限マナ等を狙えるかも。1枚は持っておいても損は無さそうです。

青黒

書き手は自他共に認める青黒(ディミーア)好きなんですが、敢えて贔屓せず厳選して1枚だけご紹介。燻し銀なアンコモン「染みついた耽溺」。
序盤はインスタント版の航路の作成、終盤にかけては2マナ2ドローと優秀なドロースペルとなります。スタンからもしかしたらモダンまで使われそうなカード。アンコモンではとんずらや断れない提案と並んで1000枚買え枠です!
2マナのドロースペルというのが絶妙で、例えば今のスタンなら青黒系のコントロールは、2ターン目に除去かジュワー島の攪乱を構えることが多いかと思いますが、キャストしなかった場合は空白ターンで終わりになりますし、3ターン目土地を引けずにジュワー島の攪乱を泣く泣くタップインでターンを渡すこともありがちです。なので2マナインスタントドローというのは痒いところに手が届く絶妙なカードデザインだと思います。次の土地を引き込める可能性が高まりますし(コントロールデッキは毎ターンランドセットしたい!)、例えばディスカードした漆月魅斗を後述する常夜会の魔除けで墓地から釣ってくる動きも強そうです。

黒赤

ニューカペナの街角一番の目玉カード「敵対するもの、オブ・ニクシリス」については、問答無用で強いのでここでは敢えて触れません。代わりにこちらの2枚をピックアップ。

①致命的遺恨
キャントリップ付きのパーマネント(土地を除く)布告系除去。出来ればこのカードは、ソーサリーではなくインスタントにして欲しかった。対戦相手を対象に取っている為、厄介な護法持ちクリーチャーも対処可能。状況によっては1対2交換も取れる上にキャントリップ付きとは強い。
各対戦相手と書かれていることからも統率者戦でも使われそう。サクリファイス系デッキの隆盛に期待。

②死体の爆発
墓地から追放するクリーチャーのパワーを参照する全体火力呪文。盤面に応じて全体除去として、時には相手の盤面だけを更地に出来る器用なカード。クリーチャーを追放するデメリットがあるものの、出た時に既に仕事をして
すぐに対処されるようなクリーチャーであればあまり問題にならないかもしれない。その例で言えば特にパイオニアの5Cニヴやモダンのリビングエンドが露払いとして活用出来そうです。

多色環境こそニヴ様の出番!

赤緑

①闇市場の巨頭
本人からはマナは出ないが広義で言えばマナクリ。宝物なので使わなければ貯め込むことが可能。但し貯め込んだ分だけリスクを負う。リミテッド的にはボムレア。統率者戦なら無限タップ・アンタップから宝物経由で無限マナが出せる(色的にそういう動きはしなさそうに見えるが)。色々悪さをする起点のカードになりそう。

②ロウクスの保安員
構築戦、特にスタンで使われるかどうかは分からないが、リミテッドではボムアンコモン。バニラながら条件を満たせば2マナ5/4という破格のスタッツ。普通に4マナ5/4で出しても強い。プレリで土建組舞台座を選んだら是非欲しい1枚。

緑白

残念ながら緑白ではピックアップしたいカードがありませんでした。高街のペガサスはドロー誘発条件が厳しめで緑白市民アグロが流行らない限りは使われないだろうと考えています。評価低めの為、割愛致します。

3色編(混成マナを含む)

白青黒(常夜会)

①常夜会の魔除け
個人的には魔除けサイクルの中で1番汎用性が高いと感じている1枚。各選択肢も序盤から終盤まで腐らないデザインなのも良き。スタンからモダンまで実装当初は試されると推察する。スタンのエスパー系デッキでは重宝しそうです。
モダンでは大魔導士の魔除けという競合カードがいるものの、稲妻や邪悪な熱気で除去された時を解す者、テフェリーを相手ターンのエンド時にリアニメイトする動きは魅力的。打ち消されない限りは、着地し常在型能力の影響で必ず生還してターンが帰ってきます。個人的にはお相手がフェッチランドの起動型能力を起動した際に夢を引き裂く者、アショクをリアニメイトして無効化するなんてトリッキーな動きもやってみたいですね。エスパーコンも是非組んでみたいです。

②虚空裂き
色拘束がきつく土地が割れなくなった代わりに打ち消されなくなったインスタント版名誉回復。着地してしまったパーマネントに対してこれまで対処手段がバウンス程度だった青黒系のデッキには嬉しいカード。青黒濃いめのタッチ白という形のデッキも今後登場するかもしれない。メイン運用でもサイド運用でもどちらでも活きる優良カード。

③常夜会一家の介入者
スタン的に言えば履修が出来ない代わりにクリーチャーになったゼロ除算。モダン的に言えば、色拘束がきついけど、強制ルーティングと絆魂がついた造物の学者、ヴェンセールの亜種。書き手は瞬速持ちクリーチャーが大好きなので、こういうカードを待ってました!出来るだけお相手のビックアクションに対してキャストしたいカード。すぐに除去されても諜議の誘発能力は解決されるので手札を整えるのにも重宝されそう。カウンターが乗れば、4マナ4/2絆魂というのも比較的良いスタッツ。モダンでエスパーカラーのグットスタッフ系デッキ(エスパーバイアル)を組みたいと常々思っているので、是非是非霊気の薬瓶から捻り出したいですね。

青黒赤(貴顕廊)

①蒐集家、ザンダー卿
メインストーリーで実は凄く良い人だった貴顕廊の長。ETB誘発,攻撃時誘発,退場時誘発いずれもド派手。素が7マナであるため、構築戦で使われる可能性は限りなく低い。パイオニアにて傲慢な血王、ソリンの-3忠誠度能力からの踏み倒しというロマン砲が話題となったが、パイオニアの黒単吸血鬼が色事故のリスクを背負ってまでこのロマン砲を狙うとは思えない。レガシーのリアニメイトも定番のあの方あの方が固定スロットと思われるので、活躍の場は無さそう。統率者戦ではそのド派手な効果から使われる可能性は大いにあり、攻撃時の誘発により防御プレイヤーのライブラリーが下手すると50枚近く消し飛ぶことになる。吸血鬼シナジーを活かして、真紅の花嫁、オリヴィアのようなカードとは相性も良く(攻撃時の能力は誘発しない)、勿論最速1ターン目に納墓&再活性という動きも強力。統率者戦なら悪用の仕方が色々ありそうだ。

黒赤緑(土建組)

①土建組一家の魔除け
常夜会一家の魔除けと並んで汎用性の高い魔除け。モードしては、魂の粉砕か衝動的3枚ドロー(3枚ドローは凄い!)か墓地追放。特に2番目の衝動的ドローはかなり強力で例えば舞台照らし表現の反復のようなこの手の衝動的ドロースペルの多くはソーサリーであるのに対して、インスタントであることから相手エンド時に打って次ターンのドローを含め、一時的に手札が4枚増えた状態となり、プレイングの選択肢が増える。勿論ある程度土地が出ている状態であれば相手エンド時にキャスト、そこから除去呪文等のキャストも可能。是非使ってみたい1枚である。

②土建組一家の隆盛
少々ほのぼのとしたイラストにそぐわない強力な効果を有したエンチャントサイクルの1枚。代表的なデッキで言えば、魔女のかまどを活用するパイオニアのジャンドサクリファイスだけに留まらずサクリファイス系デッキ全般が好きそうな1枚。
また土建組固有の新メカニズムである「奇襲」とも相性が非常に良い。現スタンではジャンドカラーのデッキが息をしていないことから、奇襲とサクリファイスギミックを掛け合わせたようなミットレンジデッキが誕生するかもしれない。また統率者戦では、カジュアルめのフェイに呪われた王、コルヴォルドで試されそう。

ジャンド系デッキ、スタンダードで誕生なるか?!

③ジアトラの特使
ジャンドカラーにしては珍しく「「マナ・コストを支払うことなく唱える」を選んでもよい。」という危険極まりないことが書かれてるクリーチャー。4マナ5/4というスタッツに加えて本人がトランプル持ちということもあり、だいたい2~3マナのスペルを唱えられる可能性がある。是非とも「敵対するもの、オブ・ニクシリス」を捲りたいところ。
現スタンには色的にも能力的にも噛み合う貪る混沌、碑出告がいるので、ダメージ解決後の誘発スタックで碑出告の占術2を起動なんて動きも出来る。コントロール相手なら相手の全除去後に奇襲でキャストもあり得る。柔軟な動きが出来そうなカード。

赤緑白(舞台座)

メインストーリーの立ち位置的として、個人的に良い印象を持っていない一家、それが舞台座(よくもジアーダさんを…)。ストーリーにも深く関わるジニーもまたカード化されました。
あらゆるトークンを犬か猫に変えてしまう面白い能力の持ち主。またトークンも盤面の状況に合わせて2通りから選べる柔軟さも持ち合わせています。
リミテッドでは赤緑の宝物トークン、緑白の市民トークンどちらとも相性が良く、かなり前よりなアグロデッキ向きなカード。
構築戦ではファンデッキとして、ナヤ犬猫アグロが誕生するかもしれません。基本セット2021でフィーチャーされた犬・猫クリーチャー。あの時はシナジーが乏しかったですが、今ならエシカの戦車等の強カードもあることから、面白いデッキが作れるかもしれませんね。
また統率者に据えるのも楽しいかもしれません。ご興味のある方は、かっぺさんの書かれた記事を参照下さい。

緑白青(斡旋屋)

1マナ重くなった代わりに色の縛りが無くなって墓地すら対象にとれるようになった霊気の疾風。霊気の疾風が今ですらパイオニア,モダンの一部青絡みデッキのスタメンで使われていることを考えると、このカードも使われそうには見える。色拘束のきつさだけがネック。モダンのバントコントロールで試してみたいカードではある。打ち時を考える必要がある玄人向きなカードに思える。

さいごに

単色編・多色編と2回にわたってお送りしたニューカペナの街角新カード独自レビューは以上となります。団結のドミナリア以降は、もっと内容をコンパクトにして、実際にシングル買いすると決めたカード等、取り上げるカードを厳選し、より読みやすい分量のレビューにするつもりです。
次回記事は6月中旬ぐらいを予定していますが、書き手の気力次第としておきます(汗)。ここまで読んで下さり、ありがとうございました。それでは良きMTGライフを!


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