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エンジニアが長くハッピーに働ける会社にしたい【Co-Founderインタビュー】

Spirは創業時からグローバルへの挑戦を目指しており、それにはグローバルな経営陣の存在が欠かせません。
今回は、共同創業者である韓国人の姜正謀(カン・ジョンモ)さんにインタビュー。Spirにジョインした経緯、テクノロジーにかける思い、そしてグローバル戦略について聞きました。

日本、韓国、スウェーデンのスタートアップを経てSpirへ

──まずはカンさんのこれまでの経歴について簡単に教えていただけますか?

韓国の大学在学中に軍隊に入隊。 その頃、日本のカルチャーに関心があったこともあり、独学で日本語を習得しました。その後、韓国のIT企業に就職し日本に赴任しました。

韓国のIT企業を退職後、日本を拠点に、自分で起業したり、ディープラーニングのAbeja、スウェーデンのファッションスタートアップのVirtusizeなどで、エンジニアとしてキャリアを積みました。

Spir共同創業者の大山との出会いはVirtusize在籍中の2019年です。大山の高校からの友人でもある、顧問弁護士の先生から、「紹介したい人がいる」といわれたのが最初でした。

姜 正謀(カン・ジョンモ)Co-founder, Software Engineer 韓国生まれ。韓国の大学を卒業後、海軍を経て、2006年に韓国企業のSlerとして来日。 Avanade JapanでITコンサルタントを経て、Revampでは良品計画の業務改善を手がける。その後、韓国スタートアップを経て、2014年、日本でカグノバを創業。カグノバを廃業後、2016年にAveja、2018年にスウェーデンスタートアップのVirtusizeに参加。2019年Spirにジョインして共同創業。

代表の誠実な人柄に惹かれ共同創業

──すでにスタートアップの創業経験があったということですが、もう一度立ち上げをしようと思ったのはなぜですか?

自分でスタートアップの立ち上げにチャレンジしたいという思いはずっとありました。大山一緒にやろうと言われて、新しい挑戦をしたいと心が大きく動いたんです。

──とはいえ、創業は大きなリスクを伴いますし、簡単には決断できないと思います。決め手になったのは何だったのでしょう。

そのときはまだSpirという社名があるくらいで、プロダクトも決まっていませんでした。決め手は、大山の人柄ですね。スタートアップ界隈では、夢を大きく語るのはいいのですが、自分を大きく見せようとする人が多いんですよ(笑)。

でも、大山は真面目すぎるくらい真面目。初めて会ってすぐにその誠実な人柄が伝わってきました。信頼できる人と仕事がしたいと思っていたので、大山の人間的な魅力は大きかったですね。

──今のような「日程調整ツール」という青写真がないままジョインして、一緒にゼロからプロダクトをつくりあげたのですね。

当初は日程調整ツールというより、転職に使えるビジネスパーソンのデータベースをつくろうとしていました。それを実現するには個人情報の取得がマストですが、それが無理だということがわかって暗礁に乗り上げます。そこから何度も試行錯誤を繰り返して、日程調整ツールという今のプロダクトに行き着きました。

目線は、最初からグローバルマーケットに

──Spirは創業時からグローバルを視野に入れた戦略を持っていました。2022年4月には英語版もリリースしています。「グローバルマーケットを狙う」という点では、韓国人であるカンさんの果たす役割も大きそうです。

僕がいるから、ということはないと思いますが、大山も僕も、最初からグローバルをゴールに設定していたのは確かです。

日本と韓国のスタートアップを比べると、韓国は前提がグローバル・マーケットです。人口が日本の半分と国内マーケットが小さいので、最初からグローバルで勝負するしかない。でも、その結果、世界で戦う韓国ではユニコーン企業が多く、その数は日本を超えています。

日本は国内マーケットが大きいので、多くのスタートアップがまずは日本マーケットでの成功を目指します。グローバルはその後で、となるため、結局、海外で成功が遠いのだと思います。

優秀なエンジニアのクオリティにこだわる採用

──カンさんは共同創業者であり、エンジニアでもあります。エンジニアとして辛かったことはありますか?

僕はエンジニアですから、プロダクト開発はそれほど辛くはないんです。ただ、採用業務は初めてで、「人を雇う」ことの大変さを痛感しました。ソフトウェアエンジニアは売り手市場で、立ち上げたばかりのSpirが優秀な人材を獲得するのはとても難しかった。面接に来てもらうことすらできない状況でした。

特に最初の段階でプロダクトの基礎をしっかり作り込んでおかないと、その後にアクセルを踏むことが難しくなります。だからこそ、優秀なエンジニアが必要なのに、なかなか欲しいような人材が採用できなくて本当に辛かったですね。

2020年、3人目の社員としてソフトウェアエンジニアの木下渉がジョイン

──現在、Spirには何人のエンジニアがいるのでしょう。

今は僕を含めてエンジニアは8人(注:2022年5月時点)です。エンジニアってクセのあるタイプが多いんですけど、Spirではそのクセがポジティブな方向に作用していると感じます。全員、正直で話しやすい人たち。

業務はリモート中心ですが、週末はみんなで山に出かけたり、リアルで飲み会をしたりと、すごくいい雰囲気です。これまでいろいろな会社を経験してきた僕自身、Spirが一番楽しく仕事ができていると思います。

CTOにモロッコ国籍のイスマイル氏を登用

──新たにCTOとしてモロッコ国籍のイスマイル・ハイモウラ(愛称:イジ―)さんが就任しました。英語版のリリースもありましたし、グローバル展開を加速する上でも心強いですね。

イジーを最初に面接したのも僕です。彼はエンジニアとしての豊富な経験から、Spirの改善点を面接でもいろいろ指摘してくれました。Spirがどんなプロダクトで、何を提供しようとしているのかをしっかり理解してくれたんです。特にUXにこだわっているのが、僕らにとっては非常に魅力的でした。

エンジニアは「開発する」ことに集中してしまいがちなんですが、彼には「ユーザーがどう使うか」という視点がある。それにプラスして、コミュニケーション能力も高いんです。

──カンさんの役割はどのように変わっていくのでしょうか。

今後はチームビルディングにもっと注力していきたいですね。Spirを、みんなが長くハッピーに働き続けられる会社にしたい。

エンジニアは、自分がつくりたくないものを命令されてつくるようになると、飽きて辞めてしまうんです。「世の中の役に立つものをつくっている」というやりがいが大事です。そんなやりがいをいつまでも持ち続けられる会社をみんなでつくっていきたいですね。

海外なら全員国籍が違うのも当たり前

──経営陣にカンさんやイジ―さんといった外国籍の方がいることは、グローバルスタートアップとしての強みになりそうですね。

海外のスタートアップは、10人社員がいれば全員国籍が違うのも当たり前です。Spirの外国籍はまだ僕とイジ―だけなので、まだまだこれから。今後はインターナショナルな人材を獲得して、会社自体をもっと多様でグローバルにしていきたいですね。

すでに社内の公用語は英語にシフトしつつあります。日本人社員も積極的に英語に取り組んでいます。社内の雰囲気も海外に向かっているので、これからダイバーシティが加速していくと思います。

──最後に、カンさんはSpirを今後、どう成長させていきたいですか?

目標は、Spirを毎日使う、それがないと不便だと思うようなサービスにすることです。ベンチマークしているのは、notionです。日程調整ツールからのスタートですが、その先にはビジネスパーソンの行動分析をするデータベースを構築していくつもりです。

今、Spirは、ようやく加速するタイミングを迎えて、自分たちが変化を起こすフェーズに来ています。変化を一緒につくりだせる仲間にぜひジョインしてほしいですね。柔軟に変化を楽しみながら、グローバルに通用するインフラを構築する。エンジニアには挑戦のしがいがある環境だと思います。

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