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韓国語講師スタディ、始めます!

3月末にアップしたポストに熱い反応を頂き、ありがとうございました。

公示の発表が遅くなっており申し訳ありません。
年度替わりの頃合いを過ぎ、ようやく落ち着きを取り戻してきましたので、ご連絡事項をまとめる意味と、改めてどのような活動、またはどのような方に向いている会なのか、整理する意味で、こちらのnoteを出したいと思います。

とても初歩的なお話になるかもしれず、ご経験などによっては「なーんだ、つまらない」と思われるかもしれませんが、そこは承知の上で、敢えて初歩的な部分から、見直してみたいと考えています。

※スタディの必要性は嫌程分かってるという方、あんまり長い文章を読みたくない方は、「このスタディでやっていくこと」からお読みいただいて大丈夫です。

講師スタディの必要性

まず、講師スタディがなぜ必要なのか、について考えてみたいと思います。

変化を理解する

まず、昨今の学習者層の変化によって、決して万能ではない人間=講師の、適応力や知識量、アイディア量も多様性を求められるようになってきました。客層が多様化すれば、当然ニーズも多様化しますので、講師側にもその多様性への適応力が必要となります。

デバイス、アプリ、オンラインサービスの形態進化、学習プラットフォームの拡大を通して、学び方そのものが多様化し、選択肢が増えた分、自分にはどれが合うか(ベストかどうかわからなくとも)選び取った人、あるいは、どれが合うか分からないまま彷徨う人もいるでしょう。
コロナ禍を通じて、オンライン学習をメインとする層の充実、或いはこれまでオンラインレッスンに否定的だった人達も、体験を通してメリットが理解でき、抵抗感減少も顕著だと言えます。

更に長い年月をかけて、韓流は一過性の「ブーム」ではなく定着の様相を見せ、その分だけ年齢層の拡張が顕著となりました。講師側には世代差を埋めるだけの知識や経験値を持つ必要性まで出てきているのです。

比較的短いスパンで多くのものに変化が起こり、またそれを受容する人々と取り残される人に分かれたような部分もあり、これは現時点での韓国語教育業界における大きなひとつのポイント、或いは時に問題として、横たわっています。
そしておそらく、これからも類似の変化が起こり続けていくはずです。


現場の実情

ところが、実際の現場では「他の先生のレッスンを見てみる」経験や「自分のレッスンを誰かに評価される」経験が著しく乏しい講師ばかりで、金銭授受が発生しているレッスンが、まるで実験場のようになっているのが現実です。

その原因として、単発的/短期的なレッスン運用が、ある種業界の経営セオリーであったことが挙げられると思います。根本的な搾取体制(コマ給=バイト感覚)が雇用側に蔓延しており、留学生や学生を使う、あるいは学生ではなくともその単発的な働き方が合っている層がいて、利害が一致する場合も多かったでしょう。
講師の経験値アップに効果的な研修などは用意されず、ひたすらに個々人の努力、探求心やアンテナの精度による向上に、レッスンの内容は左右されるのが常でした。
ですが、果たしてこれからも、それで本当に良いのでしょうか。

環境の充実

これまでのスタイルで運営しているスクールに一石を投じるなどという、大それた思いはありません。
ただ私が強く思うのは、ひとりの人間が韓国語講師として生きていくのに、高等教育に頼ったり、国家資格をもたない限りこの仕事を生業とすることは不可能なのか?という普遍的な疑問について長い時間をかけて考えていくのと同時に、今の日本の韓国語教育業界は、それを横に置き早急に行動を起こさねばならないタイミングに来ている…ということです。
今のこの、急激に広がり続ける学習者層やそのニーズに応え、学習者と業界そのものを育てていくためには、労働者が然るべき対価を得て、特別ではなくともそれなりに充実もしていて、講師という肩書をアイデンティティにすることが出来る場所、環境づくりが、最も大切なことなのです。

これは個人的な体感ですが、出版業界は既に大きな波を作ってくれていると思います。教育機関なども、既に授業枠のみならず学部まで新設している。ところが、一般の教室、スクールなどはまるで追いついていない。むしろコロナ禍で教室をたたんだ、というような噂も入ってくる有様です。
それもこれも前述の通り、単発的/短期的な教室・レッスン運営に頼ることは必ずしも悪でないとしても、そういう運営方針によって結果的に講師が育ってこなかったことが、今目の前にある問題なのです。

優秀な講師は、最初から優秀なのではありません。機会・チャンスが与えられること、挑戦できる環境であること、それらを精査したりフィードバックをもって互いに刺激を受け、講師同士でのコミュニケーションを増進できる、そういった総合的な教育の場が採用後にも持てるかどうかを、私達はひとつの指針としていくべきなのです。

行動へ

ここまで、韓国語講師スタディの必要性について書いてきました。
ひとりで活動することが多いオンライン講師などは特に取り残されやすいわけですが、教室で複数の講師たちと担当制でレッスンを受け持つ先生方も、充実した研修を受けたり、講師同士で交流する機会はなく、自身のレッスンに何を還元するかという意味での「モチベーション」を維持することは、実は容易ではありません。
他者のレッスンやアクティビティなどを見る機会は極端に少なく、アイディアに触れる機会も、アイディアの種となるものを生みだす機会も自分ひとりの範囲で解決していくことになり、限界はすぐにやってきて、熱のないレッスンを淡々とこなすだけになるとか、離職していく人が多いのも、また現実です。

見いたり聞いたり学んだり、そういう機会がなければ知らなくて、やれなくて当たり前です。それらのチャンスを得る環境を整えずに、レッスンニーズと、スクールが稼ぐ環境だけは広がっていき、質の良いレッスンからどんどん遠ざかる危険性を是とする勇気は、私にはありません。

だからこそ、講師ひとりひとりのポテンシャルをいかにしてレッスンに反映し、情熱を傾けるのかを考えられる、そういうスタディの場所を作ることに決めました。


このスタディでやっていくこと

「レッスン、講師(自分自身)、環境、をよりよくする」を3本の柱として取り組み、総合的なブラッシュアップをはかります。

月1回、或いは2ヶ月に1回などのペースで進めます。毎回発表者を決めて、問題点を上げたり、実践したことやその結果、失敗談などもシェアしていけると良いでしょう。
スケジュールは、ご参加くださる皆さんと相談して決めていきたいと思います。

おそらくやれることは膨大にあり、また多岐にわたるかと思いますので、以下に書く内容に限らず、相互に意見を出し合いながら、様々な議題を挙げて取り組んでいきたいと思います。例として、以下に議題に
なりそうな内容を羅列してみました。あくまでも例です。

レッスンをよりよくする
 定型の開発 : カリキュラムが決まっていない(教材不使用)クラスや、学習レベルに差があるクラス、年齢差にも対応できる定型的なレッスン開発
 課題の開発  :  効果的な反復練習に繋げるための課題やアクティビティの開発
 Chat GPT/合成音声などの活用 : 練習問題/例文/会話文などの作成を始め、レッスン内アクティビティとしての利用用途を探る
 教材の活用  :  教材内の例文や単語の存在意義をいかにして利用するか

講師(自分)をよりよくする
 問題点の洗い出しと対策/試行/実践 : 待遇、キャリア、働き方など現実的な問題点について
 自身の理解を高めること : 理解内容のブラッシュアップ、教材/辞書間での定義/説明差を埋める、TMIを避けるなどの具体案について
 レッスン記録の活用 : 事務作業を減らし負担減、記録方法によって効果的なフィードバック(鼓舞)を生みだす

環境をよりよくする
 講師の環境 : 契約問題、資格の有無、教室/クラス運営や方針
 教室内の環境 : 生徒の育て方/接し方 - 立場/年齢層の違いなどへの対応
         グループレッスン内で起こり得る問題点への対応
         レベル分けと学習進度への対応
 n層を育てる : 学習する必要性のある層/金銭感覚の高い層/知的好奇心の強い層


このスタディに向いている人

特段、何か技術がなくても良いと思っています。
経験の有無も問いません。韓国語講師に興味がある方、或いは韓国人向けの日本語教師をされている方にも有用なスタディだと思います。

たとえ一流ではなくとも、1円でももらえばプロだと考える。
またある時には、こんな給与?本当にこれは正当な評価なのか?と思う。
自分にできることは何なのか?と考え行動し続ける。またある時には、こんなにもできない自分が教室に立っていていいのか?と思う。
そういう両極端な現実の中で、現実にぶつかりながらも目の前のレッスンにきちんと向き合うつもりのある方、講師として何が出来るのかしっかりと考えて現場に立ちたい方…ならば、有意義な時間を過ごせると思います。

問題点の洗い出しも挑戦と実践も、結果を受け止める時も、全ての段階において選択と決断がなければ次に進めません。つまりアイデアが必要です。だからこそひとりでは難しいのです。
そのあらゆる段階をみんなで考え、自分も、レッスンも、業界の在り方もよりよくしていく、そういう道のりに、みなさんも小さな一歩を踏み出してみませんか。



参加方法

参加ご希望の方、その他お問合せなどは、
Twitter DM → @spirallovek
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迅速な対応を心がけていますが、時間帯等によってはお返事が出来ない時もあります。ご理解ください。

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