地域を代表するお土産屋さんが「大手メディア掲載」を実現した方法
小売業において、人手不足によるスタッフへの負担増大や、日々変化するトレンドと多様化するニーズへの価値提供が課題になっています。
愛知県・岐阜県のこだわりのお土産を提供する「名鉄商店」では、生成AIを活用し、店舗運営を効率化。スタッフの負担を軽減し、国籍・年代・文化を問わず、満足できる買い物体験の提供を目指しています。
そんな名鉄商店は、2024年10月から11月にかけて、次々と生成AI搭載ロボットが登場する「生成AI Wonder Market」を開催しました。店舗におけるお客様の買い物体験の向上を目指し、生成AIを搭載した「コンシェルジュ」がテスト導入されました。
生成AI Wonder Marketの第3弾として実施されたプロジェクトでは、SpiralAI株式会社と協働し、呼び込み・商品紹介を実施するAIコンシェルジュ「らっきぃあたるくん」を開発。
愛くるしい姿でお客様と自由な会話ができる「らっきぃあたるくん」は、大手メディアへの掲載と来店客数135%達成に貢献しました。
「らっきぃあたるくん」のプロジェクトはどのように進められたのか、成果を残せた秘訣、今後の展開について、株式会社 名鉄生活創研 経営企画部 土橋 一矢様にインタビューしました。
▼テレビ中継の様子▼
出典:【生成AI】趣味はギャンブル、飲酒、食べること」人間くさいAIロボットが店舗を案内 商品開発も【突撃ライブ】 (2024年11月11日)
企画のコンセプトづくりからAI開発までを2ヶ月で実施
― 「らっきぃあたるくん」(以下:あたるくん)のプロジェクトはどのように進めていきましたか?
土橋さん:あたるくんのプロジェクトは、私達名鉄生活創研が企画をして、SpiralAIさんが開発という形で進めました。
具体的には、我々の企画を元に、SpiralAIさんが店舗スタッフへのヒアリングなどの現地調査を実施し、開発を進めていきました。
SpiralAIさんの現地調査を通して、店舗の課題感を整理し、AIの有用性を引き出す開発を一緒にディスカッションしながら進めていけたというのは心強かったですね。
プロジェクトは企画から開発まで、2ヶ月という短期間で実施できました。
― SpiralAIとの開発はいかがでしたか?
土橋さん:店舗スタッフへのヒアリングから、開発・ディスプレイの取り付けにいたるまで、密にコミュニケーションをとっていただき、とても良い関係を構築しながら進めることができました。今では私がフラッとSpiralAIさんのオフィスに訪問させていただくぐらいの間柄です(笑)
他にも、開発スピードは「素晴らしい」の一言ですね。そもそも企画からリリースまで2ヶ月というタイトなスケジュールの中、開発できたのがSpiralAIさんだけでした。
SpiralAIさんに開発を頼んで、本当に良かったなと思っています。
店舗への来店客数が増加。理由は、AIアバターと呼び込みの相性の良さ
― あたるくんのプロジェクト実施後、来店客数が135%に増加した(※)と伺いました。こちらの理由はなんだったのでしょうか。
※名鉄商店キャンペーン(季節イベントなど)との合算値
土橋さん:あたるくんを呼び込みに使うことで、通行中のお客様の関心を効果的に引くことができたからだと思っています。AIコンシェルジュは、呼び込みの用途が最も適しているのではないでしょうか。55インチのディスプレイに投影して、視覚的なインパクトも演出でき、呼び込み媒体としても最適でしたね。
店舗スタッフへのヒアリングから、呼び込みでAIコンシェルジュを使うという方向性にしたことが大正解でした。
実際、自分があたるくんの前を通るたびに、あたるくんに注目してくれているお客様の姿が見られ、お店の認知拡大に大きく貢献していると思っています。
「らっきぃあたるくん」から、日本のエンタメを活かした店舗を作る
― 今後の展望を教えてください。
土橋さん:らっきぃあたるくんのプロジェクトをはじめとした生成AI Wonder Marketを実施する中で、AIを活用した日本のエンタメに可能性があるなと感じています。実際、AIのキャラクター性については、お客様の定性アンケートでも評価が高いんですよね。
だからこそ、AI・ロボットとキャラクター性という特徴を使って、日本のエンタメを活かしていくことができれば、新たな店舗の可能性が生まれるのではないかと思っています。
― 日本のエンタメを活かした店舗、ワクワクしますね!
土橋さん:今後、あらゆるビジネスモデルにおいて、AIは必要になってくると実感しています。私達は、AIのエンタメを活用して、没入感を大切にしたイマーシブな体験を作っていきたいと思っています。
これから名古屋の目玉となるような、コンテンツを開発していきたいですね。
― ありがとうございました!
今回お話を伺った企業
名鉄生活創研
株式会社名鉄生活創研は、名古屋鉄道グループとして小売事業を展開し、今回の取り組みの舞台となった名鉄商店を運営しています。
ファミリーマートや成城石井、ロフトといったフランチャイズ事業や、自動販売機、宝くじ事業も手掛け、地域価値の向上を目指しています。
会社HP:https://www.meitetsu-souken.co.jp
名鉄商店
「地域を食べる、地域アゲる、地域へ還す。」をコンセプトに、名鉄沿線地域の魅力や価値に目を向け、お客さまがこのエリアの生活文化や街自体を楽しむ“きっかけ”を提供する新たなスタイルの「お土産屋さん」です。
2024年9月6日(金)、名鉄商店の2号店である「名鉄商店ATSUTA」を、神宮前駅商業施設「あつたnagAya」に開業しました。
名鉄商店HP:https://meitetsu-shouten.jp
SpiralAIについて
SpiralAI株式会社は「人間らしさに、技術の力で挑戦する」というチャレンジを掲げ、会話の楽しさに焦点をあてたAIの開発に日々取り組んでおります。
AIキャラクター「らっきぃあたるくん」をはじめ、タレントの野々村真さんをモデルにAIヒューマン化した「AI野々村真」、縁結びの神様をモチーフにした「ククリさま」など、企業様向けにオリジナルのAIを作り、事業課題の解決や社会貢献につながるプロジェクトを展開しています。