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#09 OLYMPUS XA2
今回ご紹介させていただくのは、1980年発売のコンパクトカメラ OLYMPUS XA2 です。かつてのわたしの主力機材です。
以前の記事を書いて以来、わたしの中でなんだか盛り上がっていますので、改めてこの紹介記事にまとめてみます。
どんなカメラ?
デザインはオリンパスPENなどを手がけた米谷 美久氏。「他社の分解調査なんかしていないで自らの頭で考えろ!」という姿勢を貫いた技術者らしく、「カプセルカメラ」という斬新な発想を高い完成度で実現しています。
XA2 は、ゾーンフォーカス(後述)による焦点合わせ/プログラムAEを搭載。(初代XA はレンジファインダー/絞り優先AE)
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レンズはテッサータイプ ”ZUIKO 35mm/F3.5” 。沈胴させずに薄型にしたところがさすが!(沈胴は機構も使い勝手も煩雑になる)
写りも結構評判がいいようです。(以前の記事で作例を載せていますが、手ブレ/ピンボケ/安物のデジタル化機材などが要因で、ろくな作例がありません。)
![](https://assets.st-note.com/img/1659517882222-xGczoUDtYb.jpg?width=1200)
黒いバディに赤いシャッターがさし色。このシャッター、軽く触れるだけで切れます。賛否あるようですがブレを生じにくいのでわたしは好きです。
巻き上げはダイアル式。この辺りオリンパスPENを思い出させてくれます。操作感は上々だし部品点数も削減されます。(写ルンですにも採用されていますね)
![](https://assets.st-note.com/img/1659515437775-LOQA9pTdpR.jpg?width=1200)
外付けでストロボが付けられます(使った記憶はありません)。
ストロボを使わないわたしのようなユーザーにとって、外付けにしてくれたところも好印象!(ムダに大きくされても困ります)
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背面のスイッチは、バッテリチェックとセルフタイマーを兼ねています。(置いたとき倒れにくくする効果もささやかれていますが…)
レンズバリア
![](https://assets.st-note.com/img/1659520422619-OK46bPBwDU.jpg?width=1200)
XA シリーズ最大の特徴であるバリア機構(カプセル構造)。XA シリーズはバリア機構の先駆的存在です。
バリアを閉じるとレンズ及びファインダーという光学系が完全に覆われるので、気軽にポケットに放り込んでおけます。小さくて丸みを帯びたボディーはポケットの中で引っかかることもなく、いい感じで馴染んでくれます。
XAシリーズ以降、多くのカメラで類似のコンセプトが採用されていきます。でも、XAシリーズ以外はどうも華奢なバリアのものが多くて、強度的に不安になります(気分の問題とは思いますが)。その点 XA シリーズのバリアーはとても頑丈で安心感があります。
XA シリーズでは、レンズは沈胴させずに薄型にしたところもさすがだと思います。沈胴式レンズをつけたバリア式のカメラもありますが、バリアを閉めようとすると、レンズが引っ込むまで少し待たされる。この少しの時間が快適なリズムを損ねる気がします。
ゾーンフォーカス
XA2 の2番目の特徴は「ゾーンフォーカス」!
![](https://assets.st-note.com/img/1659513147176-4kjoogIsOk.jpg?width=1200)
ピント調整はレンズ横のスライドで、近景:0.9-1.8m、中景:1.2m-∞、遠景:6.3m-∞ を選択します。
ゾーンフォーカスについては、「大雑把に目測でしかピントが合わせられない廉価版の機構」というネガティブな印象を持つ方も多いのではと思いますが、スナップ写真での「速写性」という意味では最高の機構だ とわたしは感じています。
バリアを閉じると自動的に「中景:1.2m-∞」に戻ります。たいていの場合これでピントが合います(なにせ35mmの広角レンズなので)。
街角のスナップを撮るときに、ポケットからXA2 を取り出し、バリアを開け、ファインダーを覗き、シャッターを切る。なんてリズミカル!
これがいい!
最近のカメラであれば AF 速度はすごく早いものもありますが、それでも一瞬の「待たされ」感があり、これが地味に心に引っかかる…
厳格にピントを合わせたり、絞り優先AEで被写界深度を変えてみたり、それがしたいなら一眼レフなどを使うべきで、このコンパクトカメラの用途から考えて、ゾーンフォーカス/プログラムAE は最適だと思います。
ファインダー
最後の特徴は「光学ファインダー」。
フィルムカメラには当然ついている光学ファインダー。デジタル全盛の今、この光学ファインダーを覗くと清々しい気持ちになります。もちろん視差補正みたいな凝った機構はついておらず撮影範囲はアバウトですが、視野にくっきり浮かぶブライトフレームを見ていると、「これこそがカメラ」だと思えてきます。(古い人間の感覚ですね)
理想のスナップシューター
まとめますと、
頑丈なバリア機構(+非沈胴薄型レンズ)
ゾーンフォーカス
光学ファインダー
この3つがそろった XA2 こそが、わたしにとっての理想のスナップシューターだったのではないかと思うようになりました。
できればデジタルでこの3点を備えたカメラがあればと願うのですが、わたしの知る限りでは存在しません。
LCDモニタなんていらない(設定や画像確認は wifi で iPhone から)。
画素数は200万画素でいい(できればCCD)。
ぜひ、「XA2デジタル」を作っていただきたい!
わたし以外誰も買わないと思うけど!
おわりに
長々とお付き合いいただきありがとうございました!
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フィルム派で、一つ一つの操作を愉しみたい方は Rollei 35s がおすすめですが、気軽に使えるカメラをお探しの方にはこの XA2 は是非是非のおすすめです!
XA2 は1981年にグッドデザイン賞を受賞しています。(聞くところによると、カメラとしての受章第1号)