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W.A.モーツアルト番外編:映画「アマデウス」

突然ですが、ニューヨークのブロードウェイ。
皆さん、ご存知のミュージカルのメッカ。

ミュージカルだけではなく、いわゆるお芝居も勿論やっているんですが、余り日本人は行かないようです。英語だらけのお芝居は難解ですから、無理もないのですが・・・。

このブロードウェイで上演されるには数々の試練がありまして、中々一筋縄ではいきません。

まずは「OFF-OFF-ブロードウェイ」で人気を博し、批評家達の好評を得て、次に「OFF-ブロードウェイ」で連続公演に耐えぬき、それからやっと劇場主・ディレクター達の評価を勝ち取って、やっとブロードウェイでの上演
となります。

(上記の「OFF」という言葉は、離れたところ・外側という意味です。)

ブロードウェイは、マンハッタン 5番街と6番街の間、45ストリート
界隈で、街のど真ん中。
有名人・セレブ達が運転手付キャデラックで乗り付ける、華やかな、夜の社交の場でもあります。
それでも劇場の入場料は僅か$20以内ですから日本とは大違い・・です。

それに引き換え 「OFF-・・・」 と 「OFF-OFF-・・・」は30丁目辺りのワシントン・スクエア界隈にある席数40席程度の小さな劇場群で上演されます。

バスや地下鉄で出かけて、食事は近くのイタリアンとか、チャイナでテイク・アウト、みたいな、カジュアルな雰囲気です。

「OFF-OFF-・・・」から「OFF-・・・」と勝ち上がってさて、ようやくブロードウェイでの公演に辿り着いたのに、2週間 不人気が続くとアウト。
上演打ち切りの憂き目に会います。
俳優は皆、クビです。

有名な「コーラス・ライン」というミュージカルの中に、「I need this job !」と歌うシーンがありますが、役をもらおうと皆さん必死です。

(アメリカン・ドリームというのは成功者のための言葉。)
(実力があっても、評価されない場合は、転職か、貧乏に耐え続けるか
 しかありません。厳しいものです!)

映画「アマデウス」の原作者ピーター・シェーファーは、若き日、この「OFF-ブロードウェイ」で活躍した劇作家です。
1960年代には「エドワード・オールビー」等と並び、気鋭の若手作家
でした。オールビーという名前はご存じない方でも『ヴァージニア・ウルフなんか怖くない』という小説や映画はご存知かもしれません。その原作者。

さて、話があちこち飛びますが、ミュージカル「AMADEUS」は、ブロードウェイで大変なロング・ランを記録しました。

これを、名監督ミロス・フォアマンが映画化したものが、これまた大ヒット。

実はモーツアルトは毒殺されたのでは?という衝撃的な仮説と、全編に流れるモーツアルトの珠玉の名曲をオムニバス的に楽しめたからなのでしょう。

現在はDVD版がとても安く手に入ります。是非、HDMIディスプレイのデジタルTVにてお楽しみ頂けたらと思います。

映画「アマデウス」:
製作: ソウル・ゼインツ
監督: ミロス・フォアマン
原作・脚本: ピーター・シェーファー
出演: F.マーリー・エイブラハム(アントニオ・サリエリ役)
   トム・ハルス(モーツアルト役)
   エリザベス・ベリッジ(コンスタンツエ役)です。

Amazon Review からちょこっと引用します。****ここから、

1825年、オーストリアのウィーンで1人の老人が自殺を図った。彼の名はアントニオ・サリエリ。

かつて宮廷にその名をはせた音楽家であるサリエリが、天才モーツァルトとの出会いと、恐るべき陰謀を告白する。

「モーツァルトは殺されたのでは…!?」。19世紀のヨーロッパに流れたこのミステリアスな噂をもとにしたピーター・シェーファーの戯曲を、完ぺきに映画化。第57回アカデミー作品賞ほか、全8部門を受賞しました。

ふんだんに流れる名曲群、舞台にはないミュージカル部分の追加、チェコのプラハでオールロケした美しい映像など、そのすばらしさは枚挙にいとまがありません。

そして、2人の音楽家の精神的死闘は、見る者を極度に興奮させる。

***** ここまで  (何と素敵なレビューでしょう!)

監督:ミロス・フォアマン(Milos Forman, 1932年2月-2018年4月)はチェコスロバキア出身。

両親はアウシュヴィッツで亡くなったそう。プラハの映画学校で学び、チェコで映画を作っていましたが、プラハの春(ソビエト連邦による政治的支配からの独立)を機会にアメリカに渡りました。

有名な映画を多数手がけておられます。思いつくだけでも、
  カッコーの巣の上で(1975年)*アカデミー賞監督賞
  ヘアー Hair (1979年)
  ラグタイム Ragtime (1981年)
  (これ、日本で出ていません。20世紀の名画の一つです)

モーツアルトを演じたトーマス・ハルス氏(Thomas Hulce)はアメリカは、ウィスコンシン州ホワイトウォーターのご出身。
ピーター・シェ-ファーに「OFF-・・」で実力を認められ、「アマデウス」の
モーツァルト役に抜擢され大熱演。
ピアノの名手なんだそうで、なんと映画のモーツアルト演奏シーン全てをご自身で演じているそうです!

その後は舞台でアーサー・ミラーやエイズ問題を扱った作品で活躍してトニー賞候補にもなっています。

あの、独特の、素っ頓狂で、神様をコケにしているような、
「ひゃひゃひゃひゃ・・ひゃ・・・ひゃっ」という笑い方が、しばらくは耳を離れないことでしょう(笑)

もう一つ、

その他のピアノ曲を演奏されているピアニスト、ご存知でしょうか?

なんと、「フランスの至宝」と謂われる、アンヌ・ケフェレックさんでありました!これにもビックリでした!

ここまで、モーツアルトの生涯を追って記事を書いてみました。

順不同となりましたが、続きましてバッハの世界をご紹介いたしたく存じます。
なにとぞ、よろしくお付き合いの程、お願い申し上げます。

⇒ A.ビバルディ:バイオリン協奏曲集「四季」 へ、
  どうぞお進みください。


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